【応用】二次関数の決定(頂点がある直線上)
ここでは、ある二次関数のグラフの頂点がある直線上にあるときに、その二次関数を求める問題を考えます。頂点に関する情報が与えられているので、【基本】二次関数の決定(頂点・軸指定)で見たように、標準形で考えます。
例題
頂点に関する情報があるので、まずはこれを利用するところから始めましょう。標準形 $y=a(x-p)^2+q$ の形で考えます。
頂点が $y=2x-3$ 上にある、という条件から、文字を1つ減らすことができます。 $q=2p-3$ となるからですね。
さらに、この二次関数のグラフは放物線 $y=x^2$ を平行移動したもの、という条件もあるので、 $a=1$ であることがわかります。放物線を平行移動しても、 $x^2$ の係数は変わらないからです(参考:【基本】二次関数y=a(x-p)^2+qのグラフ)。
以上から、この二次関数は $y=(x-p)^2+2p-3$ となることが分かりました。あとは、 $(1,2)$ を通るという条件を使えば解けます。
\begin{eqnarray}
2 &=& (1-p)^2+2p-3 \\
2 &=& p^2-2p+1+2p-3 \\
p^2 &=& 4 \\
\end{eqnarray}なので、 $p=\pm2$ となることが分かります。
$p=2$ のときは
\begin{eqnarray}
y
&=&
(x-2)^2+2\cdot 2-3 \\
&=&
x^2-4x+4+4-3 \\
&=&
x^2-4x+5 \\
\end{eqnarray}となり、 $p=-2$ のときは
\begin{eqnarray}
y
&=&
(x+2)^2+2\cdot (-2)-3 \\
&=&
x^2+4x+4-4-3 \\
&=&
x^2+4x-3 \\
\end{eqnarray}となります。
以上から、解は $y=x^2-4x+5$, $y=x^2+4x-3$ となります。
なお、グラフをかくと、次のようになります。 $(1,2)$ を通り、頂点が $y=2x-3$ 上にあることがわかりますね。
おわりに
ここでは、グラフの頂点がある直線上にあるときに、その二次関数を求める、という問題を考えました。例題では、この条件の他にも「通る1点」が与えられていましたが、二次関数を特定するためには「通る1点」より「頂点」のほうが強い条件となることが多いので、まずは頂点について考える、という順番で考えました。頂点に関する条件なので、標準形で攻めていくようにしましょう。