【応用】二次関数の決定(x軸から切り取る長さ)
ここでは、放物線が x 軸から切り取る線分の長さが与えられている場合に、その二次関数を求める、という問題を考えていきます。なお、他の条件として、頂点の座標も与えられている場合を考えます。
x軸から切り取る線分の長さ
そもそもですが、「放物線が x 軸から切り取る線分の長さ」とはどこを指すのかを確認しておきます。
上の図の、赤い太線の部分の長さが、「放物線が x 軸から切り取る線分の長さ」です。
この長さが与えられている場合に、二次関数を求める問題を考えます。
例題
頂点の座標がわかっているので標準形を使うんじゃないか、と考えたいところですが、「グラフが x 軸から切り取る線分の長さ」をどう扱うかが問題ですね。この部分をどう処理するかを考えないと、つまってしまいます。
ここで注目したいのが、放物線の対称性です。放物線は、軸について対称です。今の場合、直線 $x=3$ について対称なんですね。ということは、 x 軸から切り取る部分の中点は $(3,0)$ になることが分かります。
上の図の赤い部分の長さが $4$ で、放物線は左右対称なのだから、実は放物線と x 軸との交点がわかるんですね。 $(1,0)$ と $(5,0)$ です。つまり、【基本】二次関数の決定(x軸との交点指定)のケースに帰着できるわけです。このことから、求める二次関数は次のようにかけることが分かります。\[ y=a(x-1)(x-5) \]この形の方が、標準形より扱いやすいので、こっちをベースに考えます。
求めるのは a だけなので、「この放物線が頂点 $(3,-2)$ を通る」という条件を使って式を1つ作りましょう。
\begin{eqnarray}
-2 &=& a(3-1)(3-5) \\
-2 &=& -4a \\
a &=& \frac{1}{2} \\
\end{eqnarray}これから、求める二次関数は\[ y=\frac{1}{2}(x-1)(x-5) \]となることがわかります。
おわりに
ここでは、 x 軸から切り取る線分の長さと頂点が与えられている場合に、二次関数を求める問題を考えました。放物線の対称性から、放物線と x 軸との交点の座標がわかり、問題が考えやすくなりましたね。
頂点の座標が与えられているので標準形を使うようにも見えますが、一般的に因数分解型のほうが扱いやすいので、そちらが使える場合には因数分解型で考えるようにするのがいいと思います。