高校数学指導要領(2022年度以降適用分)
🕒 2023/05/04
このページでは、2022年度より適用の「高等学校学習指導要領」の数学の項目について説明します(2018年3月告示)。この指導要領に沿った大学入試は、2025年度から行われます。
なお、このページはPCで閲覧することをオススメします。
📘 目次
各科目の概要
各科目に含まれる大項目は以下の通りです。
数学I:数と式、図形と計量、二次関数、データの分析
数学A:図形の性質、場合の数と確率、数学と人間の活動
数学II:いろいろな式、図形と方程式、指数関数・対数関数、三角関数、微分・積分の考え
数学B:数列、統計的な推測、数学と社会生活
数学III:極限、微分法、積分法
数学C:ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、数学的な表現の工夫
さらに詳しい内容は次で取り上げます。
科目ごとの詳細
各科目の内容の詳細は以下の通りです。
- 数学I
- 数と式
- 実数
- 数を拡張する意義の理解
- 簡単な無理数の四則計算を含む
- 有限小数・循環小数を含む
- 集合と命題
- 二次の乗法公式・因数分解の公式
- 一次不等式
- 不等式の解の意味や不等式の性質についての理解
- 実数
- 図形と計量
- 鋭角の三角比
- 相互関係を含む
- 鈍角の三角比
- 関連して、0°、90°、180°の三角比も扱う
- 正弦定理や余弦定理
- 三角形の決定条件や三平方の定理と関連付けた理解
- 鋭角の三角比
- 二次関数
- 二次関数のグラフ
- コンピュータを利用した考察
- 最大値・最小値
- 二次方程式
- 二次関数のグラフとの関係
- 二次不等式
- 二次関数のグラフとの関係
- 二次関数のグラフ
- データの分析
- 分散、標準偏差、散布図、相関係数
- 外れ値も扱う
- コンピュータの利用
- データを表やグラフに整理
- 分散や標準偏差などの統計量の計算
- 仮説検定の考え方
- 分散、標準偏差、散布図、相関係数
- 数と式
- 数学A
- 図形の性質
- 三角形
- 円
- 作図
- コンピュータの利用
- 空間図形
- 場合の数と確率
- 集合の要素の個数
- 和の法則、積の法則等を含む
- 順列や組合せの総数
- 階乗を含む
- 確率
- 期待値を含む
- 排反を含む
- 頻度確率も扱う
- 独立試行
- 条件付き確率
- 集合の要素の個数
- 数学と人間の活動
- 数学と人間の活動との関わり
- 数学と文化との関わり
- 数学史的な話題、数理的なゲームやパズルを通して
- 整数の約数や倍数
- ユークリッドの互除法
- 二進法
- 平面や空間における座標
- 図形の性質
- 数学II
- いろいろな式
- 三次の乗法公式や因数分解の公式
- 多項式の除法や分数式の四則計算
- 複素数、複素数の四則演算
- 二次方程式の解の判別、解と係数の関係
- 因数定理
- 簡単な高次方程式の解を求める
- 等式・不等式の証明
- 図形と方程式
- 座標平面上での、内分点、外分点、距離
- 座標平面上での、直線や円の方程式
- 軌跡と領域
- コンピュータの利用
- 指数関数・対数関数
- 指数の拡張
- 累乗根も扱う
- 指数関数とそのグラフ
- 対数
- 常用対数を含む
- 対数関数とそのグラフ
- 指数の拡張
- 三角関数
- 一般角、弧度法
- 三角関数のグラフ
- 三角関数の相互関係
- 三角関数の加法定理、2倍角の公式、合成
- 微分・積分の考え
- 微分係数、導関数
- 極限値を含む
- 定数倍、和、差の導関数を含む
- 三次までの関数を中心に扱う
- 極大・極小、グラフの概形
- 不定積分と定積分
- 定数倍、和、差の不定積分・定積分を含む
- 二次までの関数を中心に扱う
- 面積
- 微分係数、導関数
- いろいろな式
- 数学B
- 数列
- 等差数列・等比数列などの一般項や和
- 漸化式
- 数学的帰納法
- 統計的な推測
- 標本調査の考え方
- コンピュータの利用
- 確率変数と確率分布
- 平均、分散、標準偏差を含む
- 二項分布と正規分布
- 正規分布を用いた区間推定や仮説検定
- 信頼区間、有意水準も扱う
- 標本調査の考え方
- 数学と社会生活
- 社会生活における問題に数学を活用
- 社会の事象を数理的に解決する方法
- 散布図に表したデータを関数とみなして処理することも扱う
- 数列
- 数学III
- 極限
- 数列の極限
- コンピュータの利用
- 無限級数の収束・発散、和
- 分数関数・無理関数のグラフ
- 合成関数、逆関数
- 関数の値の極限
- コンピュータの利用
- 数列の極限
- 微分法
- 微分可能性
- 連続性との関係
- 積・商の導関数
- 合成関数の導関数
- 三角関数、指数関数、対数関数の導関数
- 自然対数も扱う
- 接線の方程式
- 値の増減、極大・極小
- 第二次導関数、凹凸、変曲点
- グラフの概形
- 点の運動の速度・加速度
- 微分可能性
- 積分法
- 不定積分・定積分
- 置換積分法
- 部分積分法
- 1回で結果が得られるものを中心に扱う
- 定積分を利用した、図形の面積・立体の体積、曲線の長さ
- 極限
- 数学C
- ベクトル
- 平面ベクトル
- 相等、和、差、実数倍
- 位置ベクトル
- ベクトルの成分表示
- ベクトルの内積
- 空間ベクトル
- 平面ベクトル
- 平面上の曲線と複素数平面
- 二次曲線
- 放物線、楕円、双曲線
- 焦点、準線も扱う
- 曲線の媒介変数表示
- コンピュータの利用
- 極座標、極方程式
- 複素数平面
- 複素数の極形式
- 複素数の演算の図形的な意味
- ド・モアブルの定理
- 二次曲線
- 数学的な表現の工夫
- 社会の事象を、図・表・統計グラフなどを用いて表現
- 社会の事象を、離散グラフ・行列を用いて表現
- ベクトル
前過程からの主な変更点
ここでは、前過程からの主な変更点を各科目ごとにまとめていきます。- 全般
- 「日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え」という文言がいたるところに追加
- 「コンピュータなどの情報機器の活用」という文言がいたるところに追加
- 数学IとAにあった「課題学習」が、数学I、II、IIIに設定
- 数学Cが新設(以前あったものが復活)
- 数学I
- 数と式
- 「有限小数・循環小数」が、数学Aの「整数の性質」から移動
- データの分析
- 四分位範囲、箱ひげ図は中学の範囲に移動
- 「仮説検定の考え方」が新しく追加
- 「外れ値」が新しく追加
- 数と式
- 数学A
- 場合の数と確率
- 「期待値」が、数学Bの「確率分布と統計的な推測」から移動
- 「頻度確率」が新しく追加
- 数学と人間の活動
- 「整数の性質」の代わりに新設
- 有限小数・循環小数は数学Iの「数と式」へ移動
- 他の「整数の性質」にあった内容はほぼ含まれる
- 数学と人間の活動との関わり、文化との関わりは新しく追加
- 「座標の考え方」が追加
- 「整数の性質」の代わりに新設
- 場合の数と確率
- 数学II
- 特に変更なし
- 数学B
- ベクトル
- 数学Cへ移動
- 統計的な推測
- 区間推定、仮説検定が追加
- 有意水準が追加
- 数学と社会生活
- 新設
- 以前は「数学活用」にあった内容
- 新設
- ベクトル
- 数学III
- 平面上の曲線と複素数平面
- 数学Cへ移動
- 平面上の曲線と複素数平面
- 数学C
- ベクトル
- 数学Bから移動
- 平面上の曲線と複素数平面
- 数学IIIから移動
- 数学的な表現の工夫
- 新設
- 以前は「数学活用」にあった内容
- 新設
- ベクトル