【基本】二次関数の最大・最小
ここでは、二次関数の最大・最小を考えます。関数全般の最大・最小は、【基本】関数の最大値・最小値に書きましたが、ここでは二次関数に限定した内容で考えていきます。実数全体が定義域の場合を考えます。
二次関数の最大・最小
例として、二次関数 $y=x^2+8x+5$ の最大値と最小値を考えてみましょう。このような最大値や最小値を考える問題は、関数がどのような状況になっているかを把握するため、グラフをかくのが基本です。
グラフをかくには、次のような式変形を行って、頂点の座標を調べればいいんでしたね。(参考:【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフ(具体例))
\begin{eqnarray}
y
&=&
x^2+8x+5 \\
&=&
(x+4)^2-16+5 \\
&=&
(x+4)^2-11 \\
\end{eqnarray}このことから、グラフは次のようになります。
二次関数 $y=x^2+8x+5$ の最大・最小を考えるというのは、グラフ上の点の y 座標の最大・最小を考えるということです。
最大値については、どんどん上に行けてしまい、限界はありません。なので、「最大値はない」が答えになります。一方、最小値については、y 座標が一番小さくなる点(一番下にある点)が頂点なので、「 $x=-4$ のとき、最小値 $-11$ をとる」というのが答えになります。
例題
同じような内容ですが、もう一題考えてみます。
これも同様にグラフをかいてから考えます。
このことから、 $x=1$ のとき、最大値 $-1$ をとる。最小値はない。 【解答終】
グラフをかいて、一番上と一番下の部分を探せばいいんですね。
先ほどは $x^2$ の係数が正で、下に凸のグラフだったので、「最小値は頂点の y 座標、最大値はない」という結果でした。今回は $x^2$ の係数が負で、上に凸のグラフだったので、「最大値は頂点の y 座標、最小値はない」という結果に変わっています。グラフをかけば、すぐにわかりますね。
おわりに
ここでは、(定義域に制限のない)二次関数の最大・最小を考えました。まずはグラフをかき、それを見ながら最大値と最小値を考えればいいんでしたね。まとめるとこうなります。
$a\gt 0$ なら、 $x=p$ で最小値 q をとる。最大値はない。
$a\lt 0$ なら、 $x=p$ で最大値 q をとる。最小値はない。
これが一番簡単なケースです。次は定義域に制限がついた場合を見てみます。なお、今はシンプルな状況なのでグラフをかくメリットが薄いですが、徐々に、グラフをかかないとどういう状況なのかがわからなくなってきます。