【基本】平面上での内分点と外分点
ここでは、平面上で、内分点と外分点の座標がどうなるかを見ていきます。
平面上での内分点と外分点
【基本】数直線上の内分点と外分点では、数直線上での内分点と外分点を考えました。平面の場合も、定義は同じです。数直線のときと同じですが、もう一度書いておきます。
点 Q が線分 AB の延長線上にあり、 $\mathrm{ AQ:QB }=m:n$ を満たすとき、「点 Q は線分 AB を $m:n$ に外分する」といい、点 Q を外分点と呼ぶ。
これは、 $m\gt n$ のとき、 P が、線分 AB を $m:n$ に内分する点、 Q が線分 AB を $m:n$ に外分する点の例となっています。
平面上の内分点と外分点の座標
さて、それでは、内分点と外分点の座標を求めてみましょう。
といっても、難しいことはありません。まずは、上の例で見たように、線分 AB が x 軸にも y 軸にも平行でない場合を考えます。このとき、次のように補助線をひいてみましょう。
A を通り x 軸に平行な直線を引き、それぞれの点から垂線をおろします。そして、交点には元の点に $'$ を追加した名前をつけます。
こうすると、 $\mathrm{ AP:PB }=m:n$ ならば、 $\mathrm{AP':B'P'}=m:n$ が成り立ちます($\triangle\mathrm{APB}$ と $\triangle\mathrm{AP'B'}$ が相似だからです)。つまり、 $\mathrm{ P' }$ は、線分 $\mathrm{ AB' }$ を $m:n$ に内分する点になっている、ということです。
こうなれば、数直線のときと同じですね。【基本】数直線上の内分点と外分点の座標で見た内容を踏まえると、 $\mathrm{ P }$ の x 座標、つまり、 $\mathrm{ P' }$ の x 座標は、\[ \frac{nx_1+mx_2}{m+n} \]で求めることができます。外分のときも同様にして、 Q の x 座標が\[ \frac{-nx_1+mx_2}{m-n} \]で求められることがわかります。
縦についても同様のことが言えます。また、線分 AB が x 軸や y 軸に平行な場合も含め、次のようにまとめられることがわかります。
線分 AB を $m:n$ に内分する点の座標は $\left(\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n}, \dfrac{ny_1+my_2}{m+n}\right)$
線分 AB を $m:n$ に外分する点の座標は $\left(\dfrac{-nx_1+mx_2}{m-n}, \dfrac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)$
となる。
もし、線分 AB が x 軸に平行ならば、 $y_1=y_2$ なので、上の内分点の式も外分点の式も y 座標は $y_1$ と一致するのであってますね。また、 x 座標は数直線上のときと同じ話なので、上の場合にまとめられる、というわけです。
具体的な計算をしてみましょう。 $\mathrm{ A }(2,-5)$, $\mathrm{ B }(-4,1)$ のとき、線分 AB を $2:1$ に内分する点の座標は
\begin{eqnarray}
& &
\left(\frac{1\cdot 2+2\cdot(-4)}{2+1}, \frac{1\cdot (-5)+2\cdot 1}{2+1}\right) \\[5pt]
&=&
\left(-2, -1\right) \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。また、線分 AB を $2:1$ に外分する点の座標は
\begin{eqnarray}
& &
\left(\frac{(-1)\cdot 2+2\cdot(-4)}{2-1}, \frac{(-1)\cdot (-5)+2\cdot1}{2-1}\right) \\[5pt]
&=&
\left(-10, 7\right) \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。分子は、「AB を $2:1$ に分ける」という条件から、外側同士、内側同士を掛ける、と関連付けると覚えやすくなると思います。また、外分点の場合は、符号が変わっていることに注意しましょう。検算のために、簡単に図をかいてみると、符号の間違いなどのミスに気づきやすいです。
おわりに
ここでは、平面上で、内分点と外分点について考えました。数直線の話が使えるように分解することで、だいぶ扱いやすくなりましたね。座標の式の見た目はごついですが、それぞれは数直線での話で出てきた式なので、ビビらないようにしましょう。