【基本】関数の復習
これから二次関数について学んでいきますが、その前に「関数」についての用語などをまとめていきたいと思います。「二次関数」は「二次の関数」なので、まずは関数について見ていこう、ということですね。
「関数」に関する用語などは、中学でも一度出てきていますが、これからも基本知識として必要になってくるので、覚えておくようにしましょう。
関数
若い人たちはあまり知らないかもしれませんが、「X JAPAN」というロックバンドがいます。このバンドのボーカルToshlは年齢を公開していますが、ドラムのYOSHIKIは年齢を非公開にしています。ただ、二人は幼馴染です。
ということは、Toshlの年齢がわかれば、自動的にYOSHIKIの年齢もわかる、ということなんですね。
このように、ある値が決まると、別のある値が決まるものを関数(function) といいます。もう少し数学的な表現を使うと、次のようになります。
上の例でいえば、YOSHIKIの年齢はToshlの年齢の関数、ということができます。
「y は x の関数」であることを、 $y=f(x)$ と表現することが多々あります。この f は function の頭文字ですね。
上の例でいれば、Toshlの年齢を x、YOSHIKIの年齢を y とすると、 $y=x$ なので、関数で書くと $f(x)=x$ という形になります。
関数が複数ある時は、 $f$ 以外に $g$ や $h$ が使われることもあります。徐々に慣れていきましょう。
関数の値
上の例でいれば、「Toshlの年齢が40のときは、YOSHIKIの年齢も40だな」とわかるわけですね。
このように、関数があれば、数を代入することがあります。このとき、関数 $y=f(x)$ に対して $x=a$ を代入したものは、 $f(a)$ と書きます。これを「 $x=a$ のときの $f(x)$ の値」や「 $x=a$ における $f(x)$ の値」などと言います。
例えば、 $f(x)=2x+1$ のとき、 $x=1$ のときの値は、\[ f(1)=2\cdot 1+1=3 \]となります。
少し難しいですが、 x には、別の文字を入れることもできます。例えば $x=a-1$ のときの値は\[ f(a-1)=2(a-1)+1 =2a-1 \]となります。
定義域と値域
関数 $y=f(x)$ に対して、x や y のとれる範囲が限られている場合があります。例えば、x が年齢を表しているときには、0以上しかありえないですね。上限をどう設定するかは場合によりますが。
このように、x の動ける範囲が一部分だけのこともあるので、この範囲を指す言葉があったほうが便利です。この「x がとり得る値の範囲」のことを、この関数の定義域(domain) といいます。
また、これに対応して、「x が動くときに、y がとり得る値の範囲」のことを、この関数の値域(ちいき、range) と呼びます。
例えば、 $y=x$ という関数で、定義域が $x\geqq 0$ なら 値域も $y\geqq 0$ となります。
特に何も言及がなければ、定義域は $y$ が定義できる $x$ の値全体、となります。例えば、 $y=2x$ の場合、定義域は実数全体です。 $y=\dfrac{1}{x}$ の場合、定義域は $0$ 以外の実数全体です。
定義域と値域については、練習問題を解くためには必要な知識が他にもいくつかあるので、本格的な問題はまだ出てきません。ここでは、「x の動く範囲が定義域、y の動く範囲が値域」ということだけおさえておきましょう。
おわりに
ここでは、関数の定義や表し方、定義域と値域について見てきました。今後もよく出てくるものなので、自然と覚えていくと思います。