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【基本】期待値

ここでは、期待値について見ていきます。2022年度からの新課程で追加された内容です。

📘 目次

期待値

例えば、100本のくじがあり、賞金と本数が以下のようになっていたとしましょう。

賞金 本数
1等 10,000円 1本
2等 5,000円 3本
3等 1,000円 5本

上以外の91本ははずれだとします。

さて、このくじを1本引くときに、期待できる賞金の額を考えてみましょう。

1本だけでなく、全部買ったとしましょう。そのとき、賞金の合計は次のように計算できます。

\begin{eqnarray} & & 10000 \times 1 +5000 \times 3 +1000 \times 5 +0 \times 91 \\[5pt] &=& 30000 \end{eqnarray}1000本買って、30000円が手に入る、ということです。これから、平均的に見れば、1本あたり300円の価値があると考えられます。

上の計算では、すべてのくじの賞金を足し合わせた後にくじの本数で割りましたが、はじめから割っておくと次のように変形できます。
\begin{eqnarray} & & 10000 \times \frac{1}{100} +5000 \times \frac{3}{100} +1000 \times \frac{5}{100} +0 \times \frac{91}{100} \\[5pt] &=& 300 \end{eqnarray}これは、見方を変えると、賞金の額とそれが当たる確率を掛けて足し合わせたもの、ととらえることができます。

このような計算で得られる値を、期待値(expectation) といいます。もう少し正確に書くと、次のようになります。

期待値
変量 $X$ が、 $x_i$ の値をとる確率が $p_i$ であるとする。ここで、 $i=1,2,3,\cdots,n$ であり、 $p_1+p_2+\cdots+p_n=1$ とする。このとき、\[ x_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n \]を $X$ の期待値という。

例題

例題
1個のさいころを投げるとき、出る目の期待値を求めなさい。

期待値は、値とその値になる確率を掛け、それらをぜんぶ足し合わせれば求めることができます。目は $1$ から $6$ まであり、どの目も出る確率は $\dfrac{1}{6}$ です。なので、期待値は
\begin{eqnarray} && 1\times\frac{1}{6} +2\times\frac{1}{6}+ 3\times\frac{1}{6} +4\times\frac{1}{6} +5\times\frac{1}{6}+6\times\frac{1}{6} \\[5pt] &=& \frac{21}{6} = \frac{7}{2} \end{eqnarray}と求められます。最終的に足し合わせるので、約分は途中ではなく最後にまとめてやった方がいいです。

期待値は、平均的に考えると、これくらいの値が得られるだろう、というものなので、実際にその値が得られるというわけではありません。 $\dfrac{7}{2}$ という目はないですが、これだけの値が期待できる、というわけですね。

おわりに

ここでは、期待値について見てきました。期待値の考え方を使うと、「結果が不確実な状況でどの選択をするのがいいか」を判断することにも使えるようになります。

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