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【基本】ある2点を通る直線の方程式

ここでは、ある2点を通る直線の方程式について考えていきます。

📘 目次

ある2点を通る直線の方程式その1

ここでは、異なる2点 $(x_1,y_1)$, $(x_2,y_2)$ を通る直線の方程式を考えましょう。

【基本】ある1点を通る直線の方程式で見たように、直線の方程式は y 軸と平行かどうかによって変わりました。ここでも、同じように分けて考えましょう。

まずは、 y 軸と平行にならないとき、つまり、 $x_1\ne x_2$ のときを考えます。この2点を通る直線の傾きは、 y の増加量を x の増加量で割ることで、求めることができます。\[ \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} \]傾きが分かれば、【基本】ある1点を通る直線の方程式で見た結果を使い、さらに $(x_1,y_1)$ を通ることも使えば、直線の方程式は\[ y-y_1 = \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} (x-x_1) \]と求めることができます。

ここで、少し変に思う人もいるかもしれません。傾きを求めた後に $(x_1,y_1)$ を通ることを使いましたが、この直線は $(x_2,y_2)$ も通ります。そのため、この直線の方程式は\[ y-y_2 = \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} (x-x_2) \]とも書けるはずです。見た目は違いますが、これらは同じものなのでしょうか。

実際に計算してみましょう。1つ目の式を変形していくと、次のようになります。
\begin{eqnarray} y-y_1 &=& \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} (x-x_1) \\[5pt] (y-y_1)(x_2-x_1) &=& (y_2-y_1)(x-x_1) \\[5pt] y(x_2-x_1)-y_1x_2+y_1x_1 &=& (y_2-y_1)x-y_2x_1+y_1x_1 \\[5pt] (x_2-x_1)y-x_2y_1 &=& (y_2-y_1)x-x_1y_2 \\[5pt] \end{eqnarray}$x_1y_1$ が両辺に出てくるので、この部分が消えます。続いて、2つ目の式を変形すると、次のようになります。 \begin{eqnarray} y-y_2 &=& \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} (x-x_2) \\[5pt] (y-y_2)(x_2-x_1) &=& (y_2-y_1)(x-x_2) \\[5pt] y(x_2-x_1)-y_2x_2+y_2x_1 &=& (y_2-y_1)x-y_2x_2+y_1x_2 \\[5pt] (x_2-x_1)y+x_1y_2 &=& (y_2-y_1)x+x_2y_1 \\[5pt] \end{eqnarray}今度は $x_2y_2$ が両辺に出てくるので、この部分が消えます。2つを見比べると、 x, y の係数は同じであることがわかります。また、 $x_2y_1$ と $x_1y_2$ を移行すれば、2つの式は同じであることがわかります。なので、どちらの点の座標を使って式を作っても構いません

途中で出てきた、傾きの分母を掛けたあとの式を変形すると、次の式が得られます。\[ (y_2-y_1)(x-x_1)-(x_2-x_1)(y-y_1)=0 \]これに $x=x_1$, $y=y_1$ を代入すると成り立つことはすぐにわかりますね。また、 $x=x_2$, $y=y_2$ を代入したときは、マイナスの前も後ろも\[(y_2-y_1)(x_2-x_1)\]になるので、この等式が成り立つことがわかります。2点を通る式を、いきなりこうして見つけるのは難しいですが、この直線が2点を通ることは簡単に確かめられますね。

ある2点を通る直線の方程式その2

続いて、2点を通り、 y 軸に平行な直線の場合を考えましょう。と言ってもこちらは簡単です。このときは $x_1=x_2$ が成り立ち、この直線の x 座標はつねに $x_1$ なので、方程式は\[ x=x_1 \]となります。

これは、先ほど得られた式\[ (y_2-y_1)(x-x_1)-(x_2-x_1)(y-y_1)=0 \]からも求められます。 $x_1=x_2$ なので後半部分が消え、 $y_2-y_1$ で割れば $x=x_1$ が得られるからです。このため、この式は、 y 軸に平行な直線も平行でない直線も、一度に表現できる式であることがわかります。

以上をまとめると、次のようになります。

ある2点を通る直線の方程式
異なる2点 $(x_1,y_1)$, $(x_2,y_2)$ を通る直線の方程式は、
$x_1\ne x_2$ のときは\[ y-y_1 = \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1} (x-x_1) \]となり、
$x_1=x_2$ のときは\[ x=x_1 \]となる。
また、この直線の方程式は、次の式で表すこともできる。\[ (y_2-y_1)(x-x_1)-(x_2-x_1)(y-y_1)=0 \]

例えば $(1,4)$, $(-2,3)$ の2点を通る直線であれば
\begin{eqnarray} y-4 &=& \frac{3-4}{-2-1}(x-1) \\[5pt] y &=& \frac{1}{3}(x-1) +4 \\[5pt] &=& \frac{1}{3}x +\frac{11}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}と求めることができます。

おわりに

ここでは、ある2点を通る直線の方程式を求めました。昔は連立方程式を解いて求めていましたが、点の座標から一気に求めることもできるんですね。

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