【基本】二次関数の決定(x軸との交点指定)
【基本】二次関数の決定(3点指定)や【基本】二次関数の決定(頂点・軸指定)に続いて、ここでも二次関数の決定について考えます。ここでは、 x 軸との交点が与えられている場合を考えます。
例題
3点が指定されているので、 $y=ax^2+bx+c$ とおいて、係数を求める、という方法で解くことができます。【基本】二次関数の決定(3点指定)で見た方法です。まずはこの方法で解いてみましょう。
3点を通ることから、次の3つの式が成り立ちます。
\begin{eqnarray}
a-b+c &=& 0 \quad \cdots (1)\\
4a+2b+c &=& 0 \quad \cdots (2)\\
9a+3b+c &=& 8 \quad \cdots (3)\\
\end{eqnarray}
(2)-(1)より、\[ 3a+3b=0 \]これから $b=-a$ がわかります。
(3)-(2)より\[ 5a+b=8 \]これに $b=-a$ を代入すると\[ 4a=8 \]から $a=2$ が得られ、 $b=-2$ もわかります。(1)に代入すれば、 $c=-4$ も得られます。
以上から、 $y=2x^2-2x-4$ が求める二次関数となります。
と、ここまで長く書いてきましたが、実は今の場合はもっと簡単に求めることができます。先の内容なってしまいますが、【基本】二次関数のグラフとx軸との共有点の考え方を利用します。
通る点のうち、 $(-1,0)$, $(2,0)$ は x 軸上の点なんですよね。ということは、次の二次方程式\[ ax^2+bx+c=0 \]の解が $x=-1,2$ であるということです。このことから、求める二次関数は\[ y=a(x+1)(x-2) \]とかけることがわかります。あとは、 a を求めればおしまいです。
グラフは$(3,8)$ を通るので\[8=a(3+1)(3-2)\]だから $a=2$ であることがわかります。よって、\[y=2(x+1)(x-2)\]が求める二次関数となります。展開すると上で求めたものと一致します。
おわりに
「x 軸との交点」というのは有力な情報で、二次関数を特定するのにすごく役立ちます。単に「グラフがこの点を通る」というふうにしか考えなければ、例題の前半のような解答になりますが、「グラフが x 軸とこの点で交わる」と考えれば、後半の解答のようにかなり計算量が減ります。この場合には、\[y=a(x-\alpha)(x-\beta)\]と置くことがポイントです。