【基本】二次関数の決定(頂点・軸指定)
【基本】二次関数の決定(3点指定)では、グラフが3点を通るときに、その二次関数を求める、という問題を考えました。ここでは、頂点や軸が与えられている場合で、二次関数を求める問題を考えてみます。
例題
(1) グラフの頂点が $(1,1)$ で、グラフが点 $(3,5)$ を通る。
(2) グラフの軸が $x=-2$ で、グラフが点 $(-1,9), (1,1)$ を通る。
【基本】二次関数の決定(3点指定)でも書きましたが、基本的には二次関数を決定するには、3点が必要です。わからないものが3つあるから( $ax^2+bx+c$ の3つの係数)です。しかし、この問題は、通る点の条件が3つもありません。このような場合でも、二次関数を特定できるのでしょうか。
実は、二次関数の場合は、頂点や軸に関する情報がとても大事なんです。特に頂点から得られる情報が多いんですね。頂点や軸の条件が与えられている場合は、次の形で考えるとスムーズにいきます。\[ y=a(x-p)^2+q \]頂点や軸を求めたいときにこの形に変形しましたが、逆に頂点や軸から二次関数を考えたいときも、この形を使うのがいいんですね。
(1)を考えてみましょう。頂点が $(1,1)$ であることから、この二次関数は\[y=a(x-1)^2+1\]であることがわかります。つまり、頂点1点だけの情報で、「後は a を求めれば終わり」というところまで進むんですね。
このグラフが $(3,5)$ を通るので、\[5=4a+1\]が成り立つことが分かります。このことから、 $a=1$ であることがわかります。以上から、\[ y=x^2-2x+2 \]となることがわかります。
続いて、(2)を考えます。グラフの軸が $x=-2$ なので、この二次関数は次のように書けます。\[ y=a(x+2)^2+q \]軸がわかっていると、後は2つの文字の値を求めればよくなる、ということです。
$(-1,9)$ を通ることから、\[ 9=a+q \]が得られます。また、 $(1,1)$ を通ることから\[ 1=9a+q \]が得られます。辺々引くと\[ 8a=-8 \]となるので、 $a=-1$ となることがわかります。 $9=-1+q$ より、 $q=10$ もわかります。
よって、
\begin{eqnarray}
y
&=&
-(x+2)^2 +10 \\
&=&
-x^2-4x+6 \\
\end{eqnarray}が求める二次関数となります。
おわりに
ここでは、軸や頂点が与えられたときの、二次関数を求める問題を考えました。この場合は、頂点や軸に関する情報を使えるため、二次関数を特定するのに3点も必要ないことがわかりました。
また、頂点や軸が分かりやすくなるように\[ y=a(x-p)^2+q \]の形を使うことがポイントでした。与えられた条件が使いやすくなるような形から出発するようにしましょう。