【基本】二次関数の決定(3点指定)
ここでは、グラフが指定した3点を通る二次関数を求める問題を考えてみます。一次関数の場合は、2点を指定すればよかったのですが、二次関数の場合は3点を指定して初めて特定できます。
例題
二次関数は、一般的に $y=ax^2+bx+c$ と書けます。3つわからないものがあるので、3つの条件が必要です。3つの条件があれば、次のようにして係数を求めることができます。
この二次関数を $y=ax^2+bx+c$ とおくと、3点を通ることから次の3つの式が成り立ちます。
\begin{eqnarray}
a\cdot 1^2 +b\cdot 1+c &=& 2 \\
a\cdot 2^2 +b\cdot 2+c &=& 3 \\
a\cdot 3^2 +b\cdot 3+c &=& 6 \\
\end{eqnarray}それぞれ計算すると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
a+b+c &=& 2 \quad \cdots (1) \\
4a+2b+c &=& 3 \quad \cdots (2) \\
9a+3b+c &=& 6 \quad \cdots (3) \\
\end{eqnarray}
3つ式がある連立方程式は大変ですが、 c を消す方針で計算すると、スムーズに進みます。
まず、(2)-(1)を計算して\[ 3a+b=1 \]が得られます。次に、(3)-(2)を計算して\[ 5a+b=3 \]となります。この2つの式を辺々引くと\[ 2a=2 \]となり、 $a=1$ がわかります。これから、\[ 3+b=1 \]なので、$b=-2$ もわかります。(1)に代入すれば\[1-2+c=2\]から、 $c=3$ がわかります。
以上から、求める二次関数は、 $y=x^2-2x+3$ であることがわかります。
おわりに
二次関数を決めるには、基本的には3点必要です。3点が与えられると、対応する式が3つできるので、この連立方程式を解けば、3つの係数が確定できる、というのが典型的な流れです。連立方程式を解くのが少し大変ですが、定数項を削除する方針で計算すれば、スムーズにいきます。