【基本】数直線上の内分点と外分点の座標
ここでは、数直線上で、内分点と外分点の座標がどのようになるかを見ていきます。
内分点の座標
【基本】数直線上の内分点と外分点では、数直線上で、内分点と外分点そのものについて見ました。ここでは、これらの座標がどうなるかを考えていきましょう。
まずは、内分点を考えます。 $\mathrm{ A }(a)$, $\mathrm{ B }(b)$ とし、点 $\mathrm{ P }(x)$ は、線分 AB を $m:n$ に内分する点とします。このときの x を求めてみましょう。
P は線分 AB の上にあるので、 $a \lt x \lt b$ となるか、 $b \lt x \lt a$ となるか、2つの場合があります。
場合分けをして考えましょう。
$a \lt x \lt b$ の場合、 $\mathrm{ AP }=x-a$, $\mathrm{ PB } = b-x$ となります。この長さの比が $m:n$ なので
\begin{eqnarray}
(x-a):(b-x) &=& m:n \\[5pt]
n(x-a) &=& m(b-x) \\[5pt]
nx-an &=& bm-mx \\[5pt]
(m+n)x &=& an+bm \\[5pt]
x &=& \frac{an+bm}{m+n} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
$b \lt x \lt a$ の場合は、同様にして
\begin{eqnarray}
(a-x):(x-b) &=& m:n \\[5pt]
\end{eqnarray}という式から、\[ x = \frac{an+bm}{m+n} \]という同じ結果が導かれます。
複雑な式ですが、こう考えてみましょう。分母の $m+n$ は、線分を $m:n$ にわけるのだから、全体を $m+n$ で分割した、と連想できます。分子は、 a と n、 b と m の積の和となっていますが、これは $\mathrm{ AP:PB }=m:n$ の外側同士と内側同士の積 $n\mathrm{ AP }=m\mathrm{ BP }$ と対応しているように見えます。このように対応していると考えれば、結果も覚えやすいのではないか、と思います。
外分点の座標
続いて、外分点を考えます。点 $\mathrm{ Q }(y)$ は、線分 AB を $m:n$ に外分する点とします。この y を求めます。
外分点の場合、各点の位置関係は少し複雑です。内分点のときのように、 $a\lt b$ か $b \lt a$ かという2つの場合に加え、 $m\lt n$ か $n\lt m$ によって、 Q が A のほうに近いのか、 B のほうに近いのかが変わってくるからです。
まず、 $a\lt b$ で $m \lt n$ の場合を考えましょう。このとき、上の図の一番上のように、左から Q, A, B という並びになります。よって、 $\mathrm{ AQ:BQ } = m:n$ という式を変形していくと、次のようになります。
\begin{eqnarray}
(a-y):(b-y) &=& m:n \\[5pt]
n(a-y) &=& m(b-y) \\[5pt]
(m-n)y &=& -an+mb \\[5pt]
y &=& \frac{-an+mb}{m-n} \\[5pt]
\end{eqnarray}これが Q の座標です。
他のケースも順番に書いてみます。上の図の2番目、 $a\lt b$ で $m \lt n$ の場合は
\begin{eqnarray}
(y-a):(y-b) &=& m:n \\[5pt]
n(y-a) &=& m(y-b) \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、変形すれば同じ結果になります。2行目の両辺に $-1$ を掛ければ、先ほど出てきた式と同じものが出てくるからです。
上の図の3番目、 $b\lt a$ で $m \lt n$ の場合は
\begin{eqnarray}
(y-a):(y-b) &=& m:n \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、2番目のケースと同じ式になるので、やはり結果は同じです。
最後、上の図の4番目、 $b\lt a$ で $n \lt m$ の場合は
\begin{eqnarray}
(a-y):(b-y) &=& m:n \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、1番目のケースと同じ式になるので、これも同じ結果になります。
以上から、どのケースでも、外分点の座標は\[ \frac{-an+bm}{m-n} \]となることがわかります。内分点のときと違うのは、 n の係数です。ちなみに、分母分子に $-1$ を掛けても結果は変わらないので、\[ \frac{an-bm}{-m+n} \]と書いても構いません。こう書くと、内分点のときと違うのは、 m の係数です。n, m のどちらかにマイナスをつければいいということですね。
【基本】数直線上の内分点と外分点のページでは、外分点のときは、 $m=n$ とはならない、と書きましたが、座標の式を見ればわかりますね。 $m=n$ なら分母が $0$ になってしまうからダメなんですね。
おわりに
ここでは、数直線で、内分点と外分点の座標を求めました。もう一度まとめておきましょう。
線分 AB を $m:n$ に内分する点の座標は $\dfrac{an+bm}{m+n}$
線分 AB を $m:n$ に外分する点の座標は $\dfrac{-an+bm}{m-n}$
となる。
この式は、平面上の内分点と外分点を考えるときにも出てくるので覚えておきましょう。