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東京大学 文系 2023年度 第4問 解説

問題編

問題

 半径 $1$ の球面上の相異なる4点 $\mathrm{A,B,C,D}$ が
\begin{eqnarray} & & \mathrm{AB}=1,\ \mathrm{AB=BC},\ \mathrm{AD=BD}, \\ & & \cos\angle \mathrm{ACB}=\cos\angle \mathrm{ADB} =\frac{4}{5} \end{eqnarray}を満たしているとする。

(1) 三角形 $\mathrm{ABC}$ の面積を求めよ。

(2) 四面体 $\mathrm{ABCD}$ の体積を求めよ。

考え方

(1)は、三角形を抜き出して考えましょう。(2)は(1)を使うとすると、三角形 $\mathrm{ABC}$ を底面と考えれば、高さがわかればいいです。対称性を使いつつ、計算しましょう。立体のままだと考えづらいので、わかりやすい平面で切ると求めやすくなります。

解答編

問題

 半径 $1$ の球面上の相異なる4点 $\mathrm{A,B,C,D}$ が
\begin{eqnarray} & & \mathrm{AB}=1,\ \mathrm{AB=BC},\ \mathrm{AD=BD}, \\ & & \cos\angle \mathrm{ACB}=\cos\angle \mathrm{ADB} =\frac{4}{5} \end{eqnarray}を満たしているとする。

(1) 三角形 $\mathrm{ABC}$ の面積を求めよ。

解答

$xyz$ 空間上で、原点 $\mathrm{O}$ を中心とする半径 $1$ の球面を考える。4点 $\mathrm{A,B,C,D}$ がこの球面上にあるとしてよい。また、三角形 $\mathrm{OAB}$ は正三角形なので、回転することにより、\[ \mathrm{A}\left(\frac{\sqrt{3}}{2},0,\frac{1}{2}\right),\ \mathrm{B}\left(\frac{\sqrt{3}}{2},0,-\frac{1}{2}\right) \]としてよい。このとき、 $xy$ 平面は、線分 $\mathrm{AB}$ に垂直であり、二等分する。

$\mathrm{AC=BC}$, $\mathrm{AD=BD}$ より、 $\mathrm{C,D}$ は、 $xy$ 平面上にある。線分 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm{M}$ とすると、これも $xy$ 平面上にある。

$\mathrm{AC}=x$ とすると、余弦定理より
\begin{eqnarray} 1^2 &=& x^2+x^2-2\cdot x\cdot x\cdot \cos\angle \mathrm{ACB} \\[5pt] 1 &=& 2x^2-2x^2\cdot \frac{4}{5} \\[5pt] 1 &=& \frac{2}{5}x^2 \\[5pt] x^2 &=& \frac{5}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}より、 $\mathrm{AC}=\dfrac{\sqrt{10}}{2}$ となることがわかる。また、 \begin{eqnarray} \mathrm{CM}^2 &=& \mathrm{AC}^2-\mathrm{AM}^2 \\[5pt] &=& \frac{5}{2}-\frac{1}{4} \\[5pt] &=& \frac{9}{4} \\[5pt] \end{eqnarray}だから、 $\mathrm{CM}=\dfrac{3}{2}$ となることがわかる。

以上から、三角形 $\mathrm{ABC}$ の面積は\[ \frac{1}{2}\cdot \mathrm{AB} \cdot \mathrm{CM}=\frac{1}{2}\cdot 1\cdot\frac{3}{2}=\frac{3}{4} \]と求められる。(答)

解答編 つづき

問題

(2) 四面体 $\mathrm{ABCD}$ の体積を求めよ。

解答

$\mathrm{C}$ は、 $xy$ 平面上の点で、原点を中心とした半径 $1$ の円周上の点なので、 $y$ 座標を正とすると、座標は、 $(c,\sqrt{1-c^2},0)$ と表すことができる。 $\mathrm{M}$ の座標は、 $\left(\dfrac{\sqrt{3}}{2},0,0\right)$ なので、 $\mathrm{CM}=\dfrac{3}{2}$ であることを用いると
\begin{eqnarray} \left(c-\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2+(1-c^2) &=& \frac{9}{4} \\[5pt] c^2-\sqrt{3}c+\frac{3}{4}+(1-c^2) &=& \frac{9}{4} \\[5pt] -\sqrt{3}c &=& \frac{1}{2} \\[5pt] c &=& -\frac{1}{2\sqrt{3}} \\[5pt] \end{eqnarray}と求められるので、 $\mathrm{C}\left(-\dfrac{1}{2\sqrt{3}},\dfrac{\sqrt{11}}{2\sqrt{3}},0\right)$ となる。また、対称性から、 $\mathrm{D}\left(-\dfrac{1}{2\sqrt{3}},-\dfrac{\sqrt{11}}{2\sqrt{3}},0\right)$ となる。

ここで、三角形 $\mathrm{CDM}$ の面積は、 $\mathrm{CD}$ を底辺と考えると
\begin{eqnarray} & & 2\cdot \frac{1}{2}\cdot \frac{\sqrt{11}}{2\sqrt{3}}\cdot \left( \frac{1}{2\sqrt{3}}+\frac{\sqrt{3}}{2} \right) \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{11}}{12}+\frac{\sqrt{11}}{4} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{11}}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となるから、 $\mathrm{D}$ から $\mathrm{CM}$ に下した垂線の長さ $h$ は \begin{eqnarray} \frac{1}{2}\cdot \mathrm{CM}\cdot h &=& \frac{\sqrt{11}}{3} \\[5pt] \frac{1}{2}\cdot \frac{3}{2}\cdot h &=& \frac{\sqrt{11}}{3} \\[5pt] h &=& \frac{4\sqrt{11}}{9} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

$\mathrm{D}$ から、$\mathrm{A,B,C}$ を含む平面に下した垂線の長さは $h$ なので、四面体 $\mathrm{ABCD}$ の体積は
\begin{eqnarray} & & \frac{1}{3} \cdot \frac{4\sqrt{11}}{9} \cdot \frac{3}{4} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{11}}{9} \\[5pt] \end{eqnarray}と求められる。(答)

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