共通テスト 数学I・数学A 2023年度追試 第2問 [2] 解説
【必答問題】
問題編
問題
花子さんの通う学校では、生徒会会則の一部を変更することの賛否について生徒全員が投票をすることになった。投票結果に関心がある花子さんは、身近な人たちに尋ねて下調べをしてみようと思い、各回答が賛成ならば $1$、反対ならば $0$ と表すことにした。このようにして作成される $n$ 人分のデータを $x_1,x_2,\cdots,x_n$ と表す。ただし、賛成と反対以外の回答はないものとする。
例えば、10人について調べた結果が\[ 0,1,1,1,0,1,1,1,1,1 \]であったならば、 $x_1=0$, $x_2=1$, $\cdots$, $x_{10}=1$ となる。この場合、データの値の総和は $8$ であり、平均値は $\dfrac{4}{5}$ である。
(1) データの値の総和 $x_1+x_2+\cdots+x_n$ は $\dBox{チ}$ と一致し、平均値 $\bar{x}=\dfrac{x_1+x_2+\cdots+x_n}{n}$ は $\dBox{ツ}$ と一致する。
$\dbox{チ}$, $\dbox{ツ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: 賛成の人の数
1: 反対の人の数
2: 賛成の人の数から反対の人の数を引いた値
3: $n$ 人中における賛成の人の割合
4: $n$ 人中における反対の人の割合
5: $\dfrac{\textsf{賛成の人の数}}{\textsf{反対の人の数}}$ の値(2) 花子さんは、 $0$ と $1$ だけからなるデータの平均値と分散について考えてみることにした。
$m=x_1+x_2+\cdots+x_n$ とおくと、平均値は $\dfrac{m}{n}$ である。また、分散を $s^2$ で表す。 $s^2$ は、 $0$ と $1$ の個数に着目すると\[ s^2=\dfrac{1}{n} \left\{ \dBox{テ}\left(1-\dfrac{m}{n}\right)^2 +\dBox{ト}\left(0-\dfrac{m}{n}\right)^2 \right\}=\dBox{ナ} \]と表すことができる。
$\dbox{テ}$, $\dbox{ト}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $n$
1: $m$
2: $(n-m)$
3: $\dfrac{m}{n}$
4: $\left(1-\dfrac{m}{n}\right)$
5: $\dfrac{n}{2}$
6: $\dfrac{m}{2}$
7: $\dfrac{n-m}{2}$
$\dbox{ナ}$ の解答群
0: $\dfrac{m^2}{n^2}$
1: $\left(1-\dfrac{m}{n}\right)^2$
2: $\dfrac{m(n-m)}{n^2}$
3: $\dfrac{m(1-m)}{n^2}$
4: $\dfrac{m(n-m)}{2n^2}$
5: $\dfrac{n^2-3mn+3m^2}{n^2}$
6: $\dfrac{n^2-2mn+2m^2}{2n^2}$
考え方
0と1しか表れない、という設定はあまり見たことがないかもしれません(数学Bの確率・統計ではよく出てくる設定ですが)。ただ、計算自体は、定義がわかっていればできるでしょう。同じものをまとめて計算しましょう。
【必答問題】
解答編
問題
花子さんの通う学校では、生徒会会則の一部を変更することの賛否について生徒全員が投票をすることになった。投票結果に関心がある花子さんは、身近な人たちに尋ねて下調べをしてみようと思い、各回答が賛成ならば $1$、反対ならば $0$ と表すことにした。このようにして作成される $n$ 人分のデータを $x_1,x_2,\cdots,x_n$ と表す。ただし、賛成と反対以外の回答はないものとする。
例えば、10人について調べた結果が\[ 0,1,1,1,0,1,1,1,1,1 \]であったならば、 $x_1=0$, $x_2=1$, $\cdots$, $x_{10}=1$ となる。この場合、データの値の総和は $8$ であり、平均値は $\dfrac{4}{5}$ である。
(1) データの値の総和 $x_1+x_2+\cdots+x_n$ は $\dBox{チ}$ と一致し、平均値 $\bar{x}=\dfrac{x_1+x_2+\cdots+x_n}{n}$ は $\dBox{ツ}$ と一致する。
$\dbox{チ}$, $\dbox{ツ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: 賛成の人の数
1: 反対の人の数
2: 賛成の人の数から反対の人の数を引いた値
3: $n$ 人中における賛成の人の割合
4: $n$ 人中における反対の人の割合
5: $\dfrac{\textsf{賛成の人の数}}{\textsf{反対の人の数}}$ の値
解説
$x_1+x_2+\cdots+x_n$ は、賛成の人の数だけ $1$ を足したものと同じ値になるので、賛成の人の数と一致します。
これを、人数 $n$ で割ると、 $n$ 人中における賛成の人の割合となります。
解答
チツ:03 (2点)
解答編 つづき
問題
(2) 花子さんは、 $0$ と $1$ だけからなるデータの平均値と分散について考えてみることにした。
$m=x_1+x_2+\cdots+x_n$ とおくと、平均値は $\dfrac{m}{n}$ である。また、分散を $s^2$ で表す。 $s^2$ は、 $0$ と $1$ の個数に着目すると\[ s^2=\dfrac{1}{n} \left\{ \dBox{テ}\left(1-\dfrac{m}{n}\right)^2 +\dBox{ト}\left(0-\dfrac{m}{n}\right)^2 \right\}=\dBox{ナ} \]と表すことができる。
$\dbox{テ}$, $\dbox{ト}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $n$
1: $m$
2: $(n-m)$
3: $\dfrac{m}{n}$
4: $\left(1-\dfrac{m}{n}\right)$
5: $\dfrac{n}{2}$
6: $\dfrac{m}{2}$
7: $\dfrac{n-m}{2}$
$\dbox{ナ}$ の解答群
0: $\dfrac{m^2}{n^2}$
1: $\left(1-\dfrac{m}{n}\right)^2$
2: $\dfrac{m(n-m)}{n^2}$
3: $\dfrac{m(1-m)}{n^2}$
4: $\dfrac{m(n-m)}{2n^2}$
5: $\dfrac{n^2-3mn+3m^2}{n^2}$
6: $\dfrac{n^2-2mn+2m^2}{2n^2}$
解説
分散は、$(x_i-\bar{x})^2$ を $i=1$ から $i=n$ までについて足したものを $n$ で割って求めることができます。 $(1-\bar{x})^2$ となるものが $m$ 個、 $(0-\bar{x})^2$ となるものが $(n-m)$ 個あり、 $\bar{x}=\dfrac{m}{n}$ なので、
\begin{eqnarray}
s^2
&=&
\frac{1}{n} \left\{ m\left(1-\frac{m}{n}\right)^2+(n-m)\left(0-\frac{m}{n}\right)^2 \right\} \\[5pt]
&=&
\frac{1}{n} \left\{ m\cdot\frac{n^2-2mn+m^2}{n^2}+\frac{(n-m)m^2}{n^2} \right\} \\[5pt]
&=&
\frac{1}{n} \cdot \frac{mn^2-2m^2n+m^3+ m^2n-m^3}{n^2} \\[5pt]
&=&
\frac{1}{n} \cdot \frac{mn^2-m^2n}{n^2} \\[5pt]
&=&
\frac{m(n-m)}{n^2} \\[5pt]
\end{eqnarray}と計算できます。
解答
テト:12 (2点)
ナ:2 (2点)