センター試験 数学II・数学B 2016年度追試 第1問 [1] 解説
問題編
問題
$x\gt 1$, $y\gt 0$ の範囲にある x, y が\[ (2y)^{\log_4 x} =16 \quad \cdots ① \]を満たすとき、 $A=x\sqrt{y}$ の最小値を求めよう。
$s=\log_2 x$, $t=\log_2 y$ とおく。 x が $x\gt 1$ の範囲にあるとき、 s のとり得る値の範囲は $s \gt \myBox{ア}$ である。また、 $\log_2 A$ を s と t を用いて表すと\[ \log_2 A = s+\frac{t}{\myBox{イ}} \quad \cdots ② \]である。
底の変換公式により\[ \log_4 x=\myBox{ウ}s \quad \cdots ③ \]が成り立つ。$\myBox{ウ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 7 のうちから一つ選べ。
0: $\displaystyle -\frac{1}{4}$, 1: $\displaystyle -\frac{1}{2}$, 2: $-2$, 3: $-4$,
4: $\displaystyle \frac{1}{4}$, 5: $\displaystyle \frac{1}{2}$, 6: $2$, 7: $4$①の両辺の $2$ を底とする対数をとると、③により\[ s\left(t+\myBox{エ}\right)=\myBox{オ} \quad \cdots ④ \]が成り立つ。②, ④により、 $\log_2 A$ を s を用いて表すと\[ \log_2 A = s +\frac{\myBox{カ}}{s} -\frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}} \]となる。
$s\gt \mybox{ア}$ であることに注意すると、 $\log_2 A$ は $s=\myBox{ケ}$ のとき最小値をとることがわかる。したがって、 A は $x=\myBox{コ}$, $y=\myBox{サ}$ のとき、最小値 $\myBox{シ}\sqrt{\myBox{ス}}$ をとる。
考え方
少しごちゃごちゃしていますが、誘導が丁寧なので落ち着いて計算していけば問題ないでしょう。対数の計算、底の変換公式など、基本的な計算がメインです。
終盤の最小値を求めるところは、対数とは違う分野の内容を使います。
解答編
問題
$x\gt 1$, $y\gt 0$ の範囲にある x, y が\[ (2y)^{\log_4 x} =16 \quad \cdots ① \]を満たすとき、 $A=x\sqrt{y}$ の最小値を求めよう。
$s=\log_2 x$, $t=\log_2 y$ とおく。 x が $x\gt 1$ の範囲にあるとき、 s のとり得る値の範囲は $s \gt \myBox{ア}$ である。また、 $\log_2 A$ を s と t を用いて表すと\[ \log_2 A = s+\frac{t}{\myBox{イ}} \quad \cdots ② \]である。
解説
$x=1$ とすると、 $\log_2 x=0$ なので、 $s\gt 0$ が得られます。
また
\begin{eqnarray}
\log_2 A
&=&
\log_2 x\sqrt{y} \\[5pt]
&=&
\log_2 x +\log_2 \sqrt{y} \\[5pt]
&=&
\log_2 x +\frac{\log_2 y}{2}
\end{eqnarray}なので、\[ \log_2 A=s+\frac{t}{2} \]が得られます。
解答
ア:0
イ:2
解答編 つづき
問題
底の変換公式により\[ \log_4 x=\myBox{ウ}s \quad \cdots ③ \]が成り立つ。$\myBox{ウ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 7 のうちから一つ選べ。
0: $\displaystyle -\frac{1}{4}$, 1: $\displaystyle -\frac{1}{2}$, 2: $-2$, 3: $-4$,
4: $\displaystyle \frac{1}{4}$, 5: $\displaystyle \frac{1}{2}$, 6: $2$, 7: $4$
解説
$s=\log_2 x$ が出てくるように底の変換公式を使って変形すると
\begin{eqnarray}
\log_4 x
&=&
\frac{\log_2 x}{\log_2 4} \\[5pt]
&=&
\frac{\log_2 x}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、\[ \log_4 x=\frac{1}{2}s \]が成り立ちます。
解答
ウ:5
解答編 つづき
問題
①の両辺の $2$ を底とする対数をとると、③により\[ s\left(t+\myBox{エ}\right)=\myBox{オ} \quad \cdots ④ \]が成り立つ。
解説
\[ (2y)^{\log_4 x} =16 \quad \cdots ① \]の両辺の $2$ を底とする対数をとると
\begin{eqnarray}
\log_2 (2y)^{\log_4 x} &=& \log_2 16 \\
(\log_4 x)(\log_2 2 + \log_2 y) &=& 4 \\
\end{eqnarray}となります。ここで、③の結果\[ \log_4 x=\frac{1}{2}s \]も使えば、この式は次のように変形できます。
\begin{eqnarray}
\frac{s}{2}(1 + t) &=& 4 \\[5pt]
s(t+1) &=& 8 \\[5pt]
\end{eqnarray}
解答
エオ:18
解答編 つづき
問題
②, ④により、 $\log_2 A$ を s を用いて表すと\[ \log_2 A = s +\frac{\myBox{カ}}{s} -\frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}} \]となる。
解説
②より\[ \log_2 A=s+\frac{t}{2} \]が成り立ちます。この t を消すために、④の\[ s(t+1) = 8 \]を変形すれば
\begin{eqnarray}
t+1 &=& \frac{8}{s} \\[5pt]
t &=& \frac{8}{s}-1 \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。これを②へ代入して
\begin{eqnarray}
\log_2 A
&=&
s+\frac{t}{2} \\[5pt]
&=&
s+\frac{1}{2} \left(\frac{8}{s}-1\right) \\[5pt]
&=&
s+\frac{4}{s}-\frac{1}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。
解答
カキク:412
解答編 つづき
問題
$s\gt \mybox{ア}$ であることに注意すると、 $\log_2 A$ は $s=\myBox{ケ}$ のとき最小値をとることがわかる。
したがって、 A は $x=\myBox{コ}$, $y=\myBox{サ}$ のとき、最小値 $\myBox{シ}\sqrt{\myBox{ス}}$ をとる。
解説
先ほど求めた通り\[ \log_2 A = s+\frac{4}{s}-\frac{1}{2} \]が成り立ちます。
$s\gt 0$ なので、相加相乗平均の関係から\[ s+\frac{4}{s}\geqq 2\sqrt{s\times \frac{4}{s} }=4 \]となることがわかります。等号が成り立つのは、 $\displaystyle s=\frac{4}{s}$ のときなので、 $\log_2 A$ が最小となるのは、 $s=2$ のときとわかります。
$s=2$ のとき、 $s=\log_2 x$ から $x=4$ が得られます。また、④より $s(t+1) = 8$ なので、
\begin{eqnarray}
2(t+1) &=& 8 \\
t+1 &=& 4 \\
t &=& 3 \\
\end{eqnarray}となり、 $t=\log_2 y$ から $y=2^3=8$ が得られます。
また、
\begin{eqnarray}
\log_2 A
&=&
s+\frac{4}{s}-\frac{1}{2} \\[5pt]
&=&
2+\frac{4}{2}-\frac{1}{2} \\[5pt]
&=&
\frac{7}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}なので、\[ A = 2^{7/2}=8\sqrt{2} \]が最小値であることがわかります。
解答
コ:4
サ:8
シス:82