センター試験 数学II・数学B 2014年度追試 第1問 [2] 解説
【必答問題】
問題編
問題
$\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$$\displaystyle 0\leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ として、\[ f(\theta) = 8 \sin\theta \cos\theta +6\cos^2\theta \]とおく。
(1) 2倍角の公式と三角関数の合成を用いると
\begin{eqnarray} f(\theta) &=& \myBox{ソ}\sin2\theta +\myBox{タ}(\cos2\theta+1) \\ &=& \myBox{チ}\sin(2\theta+\alpha) +\mybox{タ} \quad \cdots ⑤ \\ \end{eqnarray}となる。ただし、 $\alpha$ は\[ \sin\alpha = \frac{\myBox{ツ} }{\mybox{チ} }, \ \cos\alpha = \frac{\myBox{テ} }{\mybox{チ} }, \ 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2} \]を満たすものとする。$\displaystyle 0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}$ のとき、 $2\theta+\alpha$ のとり得る値の範囲は\[ \alpha \leqq 2\theta+\alpha \leqq \pi+\alpha \]であるから、 $\displaystyle 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2}$ に注意すると、 $\sin(2\theta+\alpha)$ は、 $\theta=\myBox{ト}$ で最大値 $1$ 、 $\theta=\myBox{ナ}$ で最小値 $\displaystyle -\frac{\myBox{ニ} }{\myBox{ヌ} }$ をとることがわかる。ただし、 $\myBox{ト}$, $\myBox{ナ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。
0: $0$
1: $\displaystyle \frac{\pi}{4} -\alpha$
2: $\displaystyle \frac{\pi}{4} -\frac{\alpha}{2}$
3: $\displaystyle \frac{\pi}{2} -\alpha$
4: $\displaystyle \frac{\pi}{2} -\frac{\alpha}{2}$
5: $\displaystyle \frac{\pi}{2}$
以上のことから、 $\displaystyle 0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}$ のとき、 $f(\theta)$ のとり得る値の範囲は $\myBox{ネ} \leqq f(\theta) \leqq \myBox{ノ}$ である。
(2) $f(\theta)=6$, $\displaystyle 0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ を満たす $\theta$ を求めよう。⑤を用いると、 $f(\theta)=6$ から\[ \sin(2\theta+\alpha) = \frac{\myBox{ハ} }{\myBox{ヒ} } \]である。ここで、 $\displaystyle \sin\alpha = \frac{\mybox{ツ} }{\mybox{チ} }$ と、すべての x について $\sin(\pi-x) = \myBox{フ}$ であることに注意すると、求める $\theta$ は $\myBox{ヘ}$ と $\myBox{ホ}$ であることがわかる。ただし、 $\myBox{フ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
0: $\cos x$
1: $-\cos x$
2: $\sin x$
3: $-\sin x$また、 $\myBox{ヘ}$, $\myBox{ホ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。 $\mybox{ヘ}$ と $\mybox{ホ}$ は解答の順序を問わない。
0: $0$
1: $\alpha$
2: $\displaystyle \frac{\pi}{2}-\alpha$3: $\displaystyle \frac{\pi}{2}$
4: $\pi-2\alpha$
5: $\pi-\alpha$
考え方
前半は、倍角の公式、合成を使って、式の最大・最小を求める問題です。角度のとり得る範囲には注意が必要ですが、問題としてはよくある流れです。最大・最小は、図をかいて考えましょう。
後半は式の値から角度を求める問題です。2つある答えのうち片方はすぐにわかるため、難易度は高くありません。もう一つの解も、単位円を書いて考えれば、すぐに条件式を得られるでしょう。
【必答問題】
解答編
問題
$\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$$\displaystyle 0\leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ として、\[ f(\theta) = 8 \sin\theta \cos\theta +6\cos^2\theta \]とおく。
(1) 2倍角の公式と三角関数の合成を用いると
\begin{eqnarray} f(\theta) &=& \myBox{ソ}\sin2\theta +\myBox{タ}(\cos2\theta+1) \\ &=& \myBox{チ}\sin(2\theta+\alpha) +\mybox{タ} \quad \cdots ⑤ \\ \end{eqnarray}となる。ただし、 $\alpha$ は\[ \sin\alpha = \frac{\myBox{ツ} }{\mybox{チ} }, \ \cos\alpha = \frac{\myBox{テ} }{\mybox{チ} }, \ 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2} \]を満たすものとする。
解説
2倍角の公式 $\sin 2\theta = 2\sin\theta \cos\theta$ と $\cos 2\theta = 2\cos^2\theta -1$ を使うと
\begin{eqnarray}
f(\theta)
&=&
8\sin\theta \cos\theta +6 \cos^2 \theta \\
&=&
4\times 2\sin\theta \cos\theta +3\times 2\cos^2 \theta \\
&=&
4\sin 2\theta +3(\cos 2\theta +1) \\
\end{eqnarray}となります。
次に、 $4\sin 2\theta$ と $3\cos 2\theta$ の和を、三角関数の合成を使ってまとめると、\[ \sin\alpha = \frac{3}{\sqrt{4^2+3^2} }=\frac{3}{5} \]かつ $\displaystyle \cos\alpha=\frac{4}{5}$ となる $\alpha$ を使って、\[ 4\sin 2\theta +3\cos 2\theta = 5\sin(2\theta+\alpha) \]と書けます。また、 $\sin\alpha$ も $\cos\alpha$ も正なので、 $\displaystyle 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2}$ となるように $\alpha$ をとることができます。
この合成を使うと
\begin{eqnarray}
f(\theta)
&=&
5\sin (2\theta+\alpha) +3 \\
\end{eqnarray}となります。
解答
ソタチ:435
ツテ:34
解答編 つづき
問題
$\displaystyle 0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}$ のとき、 $2\theta+\alpha$ のとり得る値の範囲は\[ \alpha \leqq 2\theta+\alpha \leqq \pi+\alpha \]であるから、 $\displaystyle 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2}$ に注意すると、 $\sin(2\theta+\alpha)$ は、 $\theta=\myBox{ト}$ で最大値 $1$ 、 $\theta=\myBox{ナ}$ で最小値 $\displaystyle -\frac{\myBox{ニ} }{\myBox{ヌ} }$ をとることがわかる。ただし、 $\myBox{ト}$, $\myBox{ナ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。
0: $0$
1: $\displaystyle \frac{\pi}{4} -\alpha$
2: $\displaystyle \frac{\pi}{4} -\frac{\alpha}{2}$
3: $\displaystyle \frac{\pi}{2} -\alpha$
4: $\displaystyle \frac{\pi}{2} -\frac{\alpha}{2}$
5: $\displaystyle \frac{\pi}{2}$
以上のことから、 $\displaystyle 0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}$ のとき、 $f(\theta)$ のとり得る値の範囲は $\myBox{ネ} \leqq f(\theta) \leqq \myBox{ノ}$ である。
解説
$2\theta+\alpha$ のとり得る範囲は\[ \alpha \leqq 2\theta+\alpha \leqq \pi+\alpha \]なので、単位円を使って表すと、次の赤い部分になります。
$\alpha$ の値はわかりませんが、第1象限から第3象限までという、大体の範囲が分かれば大丈夫です。 $\sin(2\theta+\alpha)$ の最大値・最小値は、上の赤い部分の y 座標の最大値・最小値を見ればわかります。
よって、最大値は $1$ で、そのときの $\theta$ は $\displaystyle 2\theta+\alpha=\frac{\pi}{2}$ のとき、つまり\[ \theta = \frac{\pi}{4}-\frac{\alpha}{2} \]のときであることがわかります。
また、最小値は、 $\displaystyle \theta=\frac{\pi}{2}$ のときにとり、値は\[ \sin(\pi+\alpha)= -\sin\alpha = -\frac{3}{5} \]であることがわかります。
$\sin(2\theta+\alpha)$ を5倍して3を足したものが $f(\theta)$ なので
\begin{eqnarray}
-\frac{3}{5} & \leqq & \sin(\pi+\alpha) & \leqq & 1 \\[5pt]
-\frac{3}{5}\times 5+3 & \leqq & 5\sin(\pi+\alpha)+3 & \leqq & 1\times5+3 \\[5pt]
0 & \leqq & f(\theta) & \leqq & 8 \\[5pt]
\end{eqnarray}となることがわかります。
解答
トナニヌ:2535
ネノ:08
解答編 つづき
問題
(2) $f(\theta)=6$, $\displaystyle 0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ を満たす $\theta$ を求めよう。⑤を用いると、 $f(\theta)=6$ から\[ \sin(2\theta+\alpha) = \frac{\myBox{ハ} }{\myBox{ヒ} } \]である。
解説
⑤を変形して
\begin{eqnarray}
5\sin (2\theta+\alpha) +3 &=& 6 \\[5pt]
\sin (2\theta+\alpha) &=& \frac{3}{5} \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。
解答
ハヒ:35
解答編 つづき
問題
ここで、 $\displaystyle \sin\alpha = \frac{\mybox{ツ} }{\mybox{チ} }$ と、すべての x について $\sin(\pi-x) = \myBox{フ}$ であることに注意すると、求める $\theta$ は $\myBox{ヘ}$ と $\myBox{ホ}$ であることがわかる。ただし、 $\myBox{フ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
0: $\cos x$
1: $-\cos x$
2: $\sin x$
3: $-\sin x$また、 $\myBox{ヘ}$, $\myBox{ホ}$ については、当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。 $\mybox{ヘ}$ と $\mybox{ホ}$ は解答の順序を問わない。
0: $0$
1: $\alpha$
2: $\displaystyle \frac{\pi}{2}-\alpha$3: $\displaystyle \frac{\pi}{2}$
4: $\pi-2\alpha$
5: $\pi-\alpha$
解説
先ほど得た $\displaystyle \sin (2\theta+\alpha) = \frac{3}{5}$ を解くのですが、そもそも $\displaystyle \sin \alpha = \frac{3}{5}$ なので、 $\theta=0$ が解になることがすぐにわかります。
さきほどの図からもわかりますが、 $\theta=0$ のとき(赤い線のスタート)と同じ y 座標になるのは、もう一つあります。図からもわかりますが、 $\sin(\pi-\alpha)$ のときですね。一般的に、 $\sin(\pi-x) = \sin x$ が成り立つので、\[ \sin(\pi-\alpha)=\sin\alpha=\frac{3}{5} \]となるからです。よって、このときも解となります。このときの $\theta$ は
\begin{eqnarray}
2\theta+\alpha &=& \pi-\alpha \\[5pt]
2\theta &=& \pi-2\alpha \\[5pt]
\theta &=& \frac{\pi}{2}-\alpha \\[5pt]
\end{eqnarray}と求められます。
以上から、 $\displaystyle \theta = 0, \frac{\pi}{2}-\alpha$ のときに $f(\theta)=6$ となることがわかります。
解答
フ:2
ヘホ:0,2