【標準】比例式と式の値

ここでは、比例式を用いて、式の値を計算する問題を考えます。等式の証明とは関係ありませんが、比例式の使い方に慣れるのに役立つはずです。

【広告】

比例式と式の値その1

例題1
$\dfrac{a}{3}=\dfrac{b}{4}=\dfrac{c}{5}$ が成り立つとき、 $\dfrac{a}{b+c}$ の値を求めなさい。

【標準】比例式と恒等式の証明などで見た通り、比例式は「 $=k$ 」と置いたほうが解きやすくなるんでしたね。ここでも、その方法を使ってみましょう。

$\dfrac{a}{3}=k$ とすると、条件式から、 $a=3k$, $b=4k$, $c=5k$ となります。よって、求める式の値は\begin{eqnarray}
\dfrac{3k}{4k+5k}=\dfrac{3k}{9k}=\frac{1}{3}
\end{eqnarray}となります。これが答えです。

「 $=k$ 」と置きますが、この $k$ が分母・分子に出てきて、うまく消えてくれるんですね。そのため、式の値が求められます。

ただ、今の場合は、「 $=k$ 」と置かなくても、条件式から $a=\dfrac{3}{5}c$, $b=\dfrac{4}{5}c$ がわかるので、これらを代入しても構いません。分母・分子に分数が出てきて少し面倒ですが、できなくはないです。しかし、条件式が複雑になれば、やはり「 $=k$ 」と置いたほうが楽になります。

比例式と式の値その2

例題2
$\dfrac{a}{b+c}=\dfrac{b}{c+a}=\dfrac{c}{a+b}$ が成り立つとき、 $\dfrac{a}{b+c}$ の値を求めなさい。

条件式が少し複雑になりました。こうなると、 $a, b$ を $c$ で表すというのは、少し難しそうです。「 $=k$ 」と置く方法で考えてみましょう。

$\dfrac{a}{b+c}=k$ とすると、 $a=(b+c)k$ が成り立ち、条件式から、 $b=(c+a)k$, $c=(a+b)k$ が成り立ちます。ここで、この3つの式を辺々足します。つまり、3つの式の左辺同士を足し、右辺同士を足す、ということです。条件式には対称性があるので、こうすると、次のように共通部分があらわれるようになるんですね。
\begin{eqnarray}
a+b+c &=& 2k(a+b+c) \\
(2k-1)(a+b+c) &=& 0 \\
\end{eqnarray}この式から、 $k=\frac{1}{2}$ または $a+b+c=0$ が得られます。求めるものは $\dfrac{a}{b+c}$ の値でしたが、これを $k$ と置いたんでしたね。なので、 $a+b+c\ne0$ のときに式の値が $\dfrac{1}{2}$ になることはわかりました。あとは、 $a+b+c=0$ のときを考えればいいですね。

$a+b+c=0$ のときは、 $b+c=-a$ と変形できます。これから式の値が
\begin{eqnarray}
\dfrac{a}{b+c} = \dfrac{a}{-a}=-1
\end{eqnarray}となることがわかります。

以上から、答えは、「 $a+b+c\ne0$ のときは $\dfrac{1}{2}$, $a+b+c=0$ のときは $-1$ 」となります。

「 $=k$ 」と置いたあと、辺々を足すという流れもよくあります。対称性がある場合は、こうしたテクニックもよく使うので覚えておきましょう。

加比の理を使って解く

【標準】比例式と恒等式の証明#加比の理で紹介した、加比の理を使って上の例題を解くこともできます。

比例式の数が増えても加比の理が成り立つので、1つ目の例題は、条件式から
\begin{eqnarray}
\dfrac{a}{3} &=& \dfrac{a+b+c}{3+4+5} \\[5pt] 4a &=& a+b+c \\[5pt] b+c &=& 3a \\[5pt] \end{eqnarray}となるので
\begin{eqnarray}
\dfrac{a}{b+c} &=& \dfrac{a}{3a} = \frac{1}{3}
\end{eqnarray}と求められます。

また、2つ目の例題は、条件式から $a+b+c \ne 0$ のとき
\begin{eqnarray}
& &
\dfrac{a}{b+c} \\[5pt] &=&
\dfrac{a+b+c}{(c+a)+(a+b)+(b+c)} \\[5pt] &=&
\dfrac{a+b+c}{2(a+b+c)} \\[5pt] &=&
\dfrac{1}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ただ、これは、分母に $a+b+c$ が出てくるので、これが $0$ でない場合しか使えません。そのため $0$ の場合を分けるか、上の例題のように「 $=k$ 」と置いて解きます。

実際の試験で出くわしたら、「 $=k$ 」と置いて解くのを基本とし、加比の理は答えの確かめに使う、というのがいいのではないかと思います。

おわりに

ここでは、比例式を用いて式の値を求める問題を見ました。比例式を定数と置くことや、辺々を足すテクニックはよく使うので、覚えておきましょう。