【標準】二項定理と式の証明

ここでは、二項定理を使った式の証明問題を見ていきます。二項定理を使うことがわかればそんなに難しくありませんが、それを使うことがひらめかないと解くのがすごく難しくなります。

【広告】

二項定理に数を代入してみよう

二項定理は、 $(x+y)^n$ の展開に関する定理でしたね。【標準】n乗の展開と二項定理でも書きましたが、具体的に書くと次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
(x+y)^n \\[5pt] &=&
{}_n \mathrm{ C }_n x^n
+{}_n \mathrm{ C }_{n-1} x^{n-1} y
+{}_n \mathrm{ C }_{n-2} x^{n-2} y^2
+\cdots \\[5pt] & & \cdots
+{}_n \mathrm{ C }_{k} x^k y^{n-k}
+\cdots
+{}_n \mathrm{ C }_1 x y^{n-1}
+{}_n \mathrm{ C }_0 y^n
\end{eqnarray}
ここに数字を入れてももちろん成り立ちます。例えば、 $x=y=1$ としてみましょう。そうすると、 x, y は何乗しても1なので、次のようなシンプルな式になります。
\begin{eqnarray}
2^n
&=&
{}_n \mathrm{ C }_n
+{}_n \mathrm{ C }_{n-1}
+{}_n \mathrm{ C }_{n-2}
+\cdots \\[5pt] & & \cdots
+{}_n \mathrm{ C }_{k}
+\cdots
+{}_n \mathrm{ C }_1
+{}_n \mathrm{ C }_0
\end{eqnarray}

また、 $x=1$, $y=-1$ とすると、今度は次のような式になります。
\begin{eqnarray}
0
&=&
{}_n \mathrm{ C }_n
-{}_n \mathrm{ C }_{n-1}
+{}_n \mathrm{ C }_{n-2}
-\cdots \\[5pt] & & \cdots
+(-1)^{n-k} {}_n \mathrm{ C }_{k}
+\cdots
+(-1)^{n} {}_n \mathrm{ C }_0
\end{eqnarray}

二項定理を使うと、 ${}_n \mathrm{ C }_{k}$ を使ったいろんな式が得られます。しかし、逆に、式を見て二項定理を使うんだ、と気づくのはなかなか難しいです。

二項定理を使った等式の証明

例題
次の等式を証明しなさい。
\begin{eqnarray}
& &
{}_n \mathrm{ C }_0
-2 {}_n \mathrm{ C }_1
+2^2 {}_n \mathrm{ C }_2
-\cdots \\[5pt] & & \cdots
+(-2)^k {}_n \mathrm{ C }_{k}
+\cdots
+(-2)^n {}_n \mathrm{ C }_n \\
&=&
(-1)^n
\end{eqnarray}

この式を見て「二項定理を使えば証明できる」と気づくのはなかなか難しいのではないでしょうか。まずは ${}_n \mathrm{ C }_{k}$ を式変形してみる、という行動をとってしまいがちです。

1つ注目すべきなのは、左辺の各項に ${}_n \mathrm{ C }_{k}$ がついていることです。このことから、二項定理を思い出さなければいけません。

二項定理では、 $x^k y^{n-k}$ の形の項が出てきますが、それに対応するものを式の中から探すと $(-2)^k$ だと気付きます。なので、片方が $1$ で、もう片方が $-2$ なんだろう、と予想できます。そして、右辺を見ると $(-1)^n=(1-2)^n$ と変形できることから、 $x=1$ で $y=-2$ とすればよさそうだ、と考えられます。

これを踏まえて二項定理を使いましょう。二項定理より、次の等式が成り立ちます。
\begin{eqnarray}
& &
{}_n \mathrm{ C }_n
-2 {}_n \mathrm{ C }_{n-1}
+2^2 {}_n \mathrm{ C }_{n-2}
-\cdots \\[5pt] & & \cdots
+(-2)^k {}_n \mathrm{ C }_{n-k}
+\cdots
+(-2)^n {}_n \mathrm{ C }_0 \\
&=&
(-1)^n
\end{eqnarray}また、一般的に、 ${}_n \mathrm{ C }_{n-k}={}_n \mathrm{ C }_k$ が成り立ちます(参考:【標準】組合せ#残す方法)。これを代入すると、与えられた式が得られます。

おわりに

ここでは、二項定理を使った式の証明問題を見ました。式の形を見て「二項定理を使う」ことに気づかないと、証明するのはとても難しいです。大量の ${}_n \mathrm{ C }_{k}$ を見て、ピンと来るようにしましょう。