【基本】n乗の展開とパスカルの三角形

ここでは、n 乗の展開をしたときに表れる係数と関連のある「パスカルの三角形」の紹介をします。

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n乗の展開の復習

【基本】n乗の展開で見たように、「係数をずらして足す、を繰り返していけば、何乗の展開でも求められる」のでしたね。例えば、3乗の展開であれば
\begin{eqnarray}
& & x^3 & +2x^2y &+xy^2 &\\
& & & +x^2y &+2xy^2 &+y^3 \\[5pt] &=& x^3 & +3x^2y &+3xy^2 &+y^3
\end{eqnarray}となりますが、係数だけを見ると
\begin{eqnarray}
& & 1 & +2 &+1 & \\
& & & +1 &+2 &+1 \\[5pt] &=& 1 & +3 &+3 &+1 \\[5pt] \end{eqnarray}というように、2乗のときの係数を右に1つずらして足すと、3乗の係数になります。また、4乗であれば係数だけを抜き出すと
\begin{eqnarray}
& & 1 & +3 &+3 &+1 & \\
& & & +1 &+3 &+3 & +1 \\[5pt] &=& 1 & +4 &+6 &+4 & +1 \\[5pt] \end{eqnarray}となり、5乗であれば
\begin{eqnarray}
& & 1 & +4 &+6 &+4 & +1 & \\
& & & +1 &+4 &+6 & +4 & +1\\[5pt] &=& 1 & +5 &+10 &+10 & +5 & +1\\[5pt] \end{eqnarray}となります。

これが、【基本】n乗の展開で見た内容です。

パスカルの三角形

上のように、「係数を1つずらして足すと、次の展開の結果が分かる」ことを、もっとすっきり表したものが、「パスカルの三角形 (Pascal’s triangle)」と呼ばれるものです。
\begin{array}{ccccccccccc}
&&&& 1 && 1 &&&&\\[5pt] &&& 1 && 2 && 1 &&&\\[5pt] && 1 && 3 && 3 && 1 &&\\[5pt] & 1 && 4 && 6 && 4 && 1 &\\[5pt] 1 && 5 && 10 && 10 && 5 && 1\\[5pt] \end{array}各数字は、左上の数字と右上の数字を足したものになっています。例えば、下から2段目にある「6」は、左上の3と右上の3を足したものです。一番下の段にある左側の「10」は左上の4と右上の6を足したものです。左端や右端のように、右上や左上の数字がない場合は0と考えます。なお、1番上に「1」を書くことが多いですが、ここでははぶいています。

先ほど見たように、2乗を展開したときに表れる係数「 $1\ 2\ 1$ 」を1つずらして足すと、3乗を展開したときの係数「 $1\ 3\ 3\ 1$ 」が出てくるんでしたね。このことと、パスカルの三角形の「左上の数字と右上の数字を足す」というのが対応しています。つまり、パスカルの三角形に出てくる n 段目の数字は、 n 乗を展開したときの係数を表すことになります。

そのため、2段目の数字が「 $1\ 2\ 1$ 」となっていることと\[ (x+y)^2=x^2+2xy+y^2 \]となることが対応しています。また、5段目の数字を見れば
\begin{eqnarray}
& &
(x+y)^5 \\
&=&
x^5 +5x^4y +10x^3y^2 +10x^2y^3 +5xy^4 +y^5
\end{eqnarray}となることもわかります。これを繰り返していけば、何乗であっても展開したときの係数を求めることができます。

「1つずらして足していく」よりも、パスカルの三角形のように並べて書く方が、係数を計算しやすくなりますね。

計算の仕方からわかりますが、どの段も、両端は1になります。また、左右対称になることもわかります。

おわりに

ここでは、n 乗の展開と関係の深い、パスカルの三角形について見ました。これを使って問題を解くことはほとんどありませんが、数学の世界で有名なものの1つなので、ぜひ知っておきましょう。