【標準】等比数列
ここでは、等比数列に関する例題を見ていきます。数列の一部分から一般項を求める問題などを扱います。
等比数列の一部から一般項を求める
等比数列であることがわかっているので、一般項を求めるには、初項と公比が分かればいいですね。
初項を a とし、公比を r とします。一般項は $ar^{n-1}$ で書ける(参考:【基本】等比数列)ので、それぞれを求めましょう。
まず、第2項の条件から、 $n=2$ として\[ ar=6 \]が得られます。また、第4項の条件から\[ ar^3=24 \]がわかります。 a, r はどちらも $0$ ではないので、2つ目の式を1つ目の式で辺々割ると\[ r^2=4 \]が得られます。初項が都合よく消えてくれます。
$r^2=4$ なので、 $r=\pm 2$ ですね。公比は別に負でもいいので、どちらも答えになります。それぞれの場合について、初項を求めましょう。
$ar=6$ なので、 $r=2$ のときは $a=3$ となり、 $r=-2$ のときは $a=-3$ となります。よって、一般項は、 $a_n=3\cdot 2^{n-1}$ または $a_n=-3(-2)^{n-1}$ となります。
【標準】等差数列の場合と異なり、等比数列の場合には、一般項が複数得られることもあります。
項数が3の等比数列
【標準】等差数列でも、項数が3の等差数列を扱いました。そのときには、真ん中の項を2倍したものと、前後の項を足したものとが等しくなる、という性質を見ましたね。等比数列の場合でも、同じようなことが成り立たないか見てみましょう。
初項が a で、公比が r の等比数列を考えます。このとき、具体的に第3項までを書いてみると\[ a,ar,ar^2 \]となります。この3つの項を組み合わせれば、真ん中の2乗が、前後の項を掛け合わせたものと等しくなることがわかります。つまり、\[ (ar)^2=a\cdot ar^2 \]ということですね。
このことを踏まえて、例題を考えてみましょう。真ん中を2乗したもの、つまり、 $b^2$ は、前後の積、つまり、 $2\cdot 16 = 32$ と等しくなります。\[ b^2=32 \]となるので、 $b=\pm4\sqrt{2}$ となることがわかります。
どちらの場合も等比数列になります。\[ 2,4\sqrt{2},16 \]の場合なら、公比が $2\sqrt{2}$ ということだし、\[ 2,-4\sqrt{2},16 \]の場合なら、公比が $-2\sqrt{2}$ ということですね。よって、どちらも答えとして適切です。答えは\[ b=\pm4\sqrt{2} \]となります。
おわりに
ここでは、等比数列に関連する例題を見ました。答えが1種類にはならない問題がでてくるので、勝手に「答えは正だ」と思い込まないようにしましょう。