【標準】三次関数のグラフとx軸の間の面積と積分
ここでは、三次関数のグラフと x 軸とで囲まれた部分の面積を、積分を使って求める方法を見ていきます。二次関数のときと似た考え方で解けますが、注意しないといけない点もあります。
三次関数のグラフとx軸の間の面積
三次関数ですが、二次関数のときと同じように、まずはグラフをかくところから始めましょう。
一般に、三次関数のグラフをかくには、微分をして増減表を書く、という流れですが、今の場合はその必要はありません。グラフはそこまで細かいものは必要なく、グラフが x 軸より上にあるか下にあるかがわかればいいからです。
なので、上下が切り替わる部分、つまり、 x 軸との交点をまず求めましょう。
\begin{eqnarray}
x^3-4x^2+3x &=& 0 \\[5pt]
x(x-1)(x-3) &=& 0 \\[5pt]
x &=& 0,1,3 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
このことから、図は次のようになることがわかります。
$0\lt x \lt 1$ のときは、グラフは x 軸より上にあり、 $1\lt x \lt 3$ のときは x 軸より下にあります。また、これ以外の部分は、 x 軸で囲まれていません。
上から下を引いて積分すればいいので、2つの部分のうち、左側の部分の面積は
\begin{eqnarray}
& &
\int_0^1 \{(x^3-4x^2+3x)-0\} dx \\[5pt]
&=&
\int_0^1 (x^3-4x^2+3x) dx \\[5pt]
&=&
\left[ \frac{1}{4}x^4-\frac{4}{3}x^3+\frac{3}{2}x^2 \right]_0^1 \\[5pt]
&=&
\frac{1}{4}-\frac{4}{3}+\frac{3}{2} \\[5pt]
&=&
\frac{3-16+18}{12} \\[5pt]
&=&
\frac{5}{12} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。また、右側の部分の面積は
\begin{eqnarray}
& &
\int_1^3 \{0-(x^3-4x^2+3x)\} dx \\[5pt]
&=&
\int_1^3 (-x^3+4x^2-3x) dx \\[5pt]
&=&
\left[ -\frac{1}{4}x^4+\frac{4}{3}x^3-\frac{3}{2}x^2 \right]_1^3 \\[5pt]
&=&
-\frac{81}{4}+\frac{108}{3}-\frac{27}{2} \\[5pt]
& &
+\frac{1}{4}-\frac{4}{3}+\frac{3}{2} \\[5pt]
&=&
\frac{-243+432-162}{12}+\frac{5}{12} \\[5pt]
&=&
\frac{32}{12} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、2つあわせると
\begin{eqnarray}
\frac{5}{12}+\frac{32}{12}=\frac{37}{12}
\end{eqnarray}と求められます。
三次関数になると、 x 軸とで囲まれた部分は2か所になることがあります。そのまま積分するだけでは求められません。グラフが x より上にあるか、下にあるか、グラフをかいて考えるようにしましょう。例えば、上の計算を
\begin{eqnarray}
\int_0^3 (x^3-4x^2+3x) dx
\end{eqnarray}とやってしまうと、計算結果は違ったものになります(x 軸より下にある部分の面積を引くことになってしまう)。上下関係が把握できるように、グラフをかいて考えましょう。
おわりに
ここでは、三次関数のグラフを x 軸で囲まれた部分の面積を求める方法を見ました。グラフをかいて、上下関係を把握してから、積分をするようにしましょう。