【発展】空間における直線の方程式
ここでは、空間の世界での直線の方程式を見ていきます。
空間における直線の方程式
点 $\mathrm{A}(p,q,r)$ を通り、 $\vec{d}=(a,b,c)$ に平行な直線について考えてみます。
点 $\mathrm{P}(x,y,z)$ がこの直線上にあるとすると、「平行」という条件から、ある $t$ があって
\begin{eqnarray}
(x,y,z) &=& (p,q,r)+t(a,b,c) \\[5pt]
\end{eqnarray}と書けることがわかります。成分ごとに書くと
\begin{eqnarray}
x &=& p+at \\[5pt]
y &=& q+bt \\[5pt]
z &=& r+ct \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これを、媒介変数を使った直線の方程式といいます。
$abc\ne 0$ のときは、すべてを $t=$ の形に変形して\[ \frac{x-p}{a}=\frac{y-q}{b}=\frac{z-r}{c} \]となります。この式も、直線の方程式といいます。
例題
これは、【標準】平面に下ろした垂線と空間ベクトルで見た問題と同じです。これを今回は内積を使わずに解いてみます。
まず、【発展】平面の方程式で見たように、平面の方程式を求めてみます。 $\mathrm{A,B,C}$ を含む平面を平面 $\alpha$ とし、この平面 $\alpha$ の方程式を $ax+by+cz+d=0$ とおくと、次の3つの式が成り立ちます。
\begin{eqnarray}
a+d &=& 0 \\[5pt]
4b+d &=& 0 \\[5pt]
3c+d &=& 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}これより、\[ -dx-\frac{1}{4}dy-\frac{1}{3}dz+d=0 \]という式が得られます。 $d$ で割って $-12$ を掛けると\[ 12x+3y+4z-12=0 \]となります。これより、この平面の法線ベクトルの成分は、 $(12,3,4)$ だとわかります。
このことから、 $\mathrm{OH}$ は、原点を通り $(12,3,4)$ に平行な直線だとわかるので、この直線上の点 $(x,y,z)$ は、 $t$ を用いて
\begin{eqnarray}
x &=& 12t \\[5pt]
y &=& 3t \\[5pt]
z &=& 4t \\[5pt]
\end{eqnarray}と表すことができます。 $\mathrm{H}$ は、平面 $\alpha$ 上の点なので、平面 $\alpha$ の方程式に代入すると
\begin{eqnarray}
144t+9t+16t-12 &=& 0 \\[5pt]
t &=& \frac{12}{169} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、 $\mathrm{H}$ の座標は
\begin{eqnarray}
(12t,3t,4t) &=& \left(\frac{144}{169},\frac{36}{169},\frac{48}{169}\right)
\end{eqnarray}と求められます。リンク先と同じ結果になっていますね。
おわりに
ここでは、空間における直線の方程式を見ました。また、これを使って、直線と平面の交点を求める方法も見ました。