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【導入】不定一次方程式の整数解

ここでは、不定一次方程式の紹介をしていきます。

📘 目次

小話

あるホームパーティーでの買い出しを頼まれた、としましょう。「130円のジュースと160円のジュースを何本か買ってきて」と言われて、2000円渡されました。ここで、おつりが出ないような買い方を考えてみましょう。

160円のジュースの本数を考えると、最大でも12本です。そこで、順番に計算していくと、「130円のジュースを8本、160円のジュースを6本買えば、ちょうど2000円になる」ことがわかります。ちなみに、おつりが出ない買い方は、これ以外ありません。答えが1つに決まりましたね、よかった、よかった。

小話を数学的に見る

ところで、上で考えたことは、少し変なんですよね。数学的には、次の方程式を考えたことになります。\[ 130x+160y=2000 \]わからないものが2つで、方程式は1つしかありません。連立方程式を勉強したときのことを思い出すと、「わからないものが2つあるなら、方程式も2つないと解けない」のが基本的なルールでした。なのに、今回は方程式が1つしかないのに解けてしまいました。

なぜ今回考えていたケースでは、方程式が1つしかないのに答えが出たのでしょうか。それは、「答えが自然数」という条件がついていたからなんですね。もしこの条件がなければ、答えは決まりませんでした。

不定一次方程式について

文字の数(未知数の数)が方程式の数より多い場合、解は1つには決まりません。このような「解が1つに決まらない方程式」のことを「不定方程式」と言います。その中でも、一次のものを「不定一次方程式」と呼びます。次の方程式が、不定一次方程式の典型例です(「二元一次不定方程式」と呼ばれることもあります)。\[ ax+by=c \]

方程式の解が1つに決まらなくても、解が整数であることや自然数であることが事前に分かっている場合は、解を絞り込むことができます。もっと言うと、解を1つに確定できることだってあります。以下のページで、順番に見ていきましょう。

まず、「【基本】不定一次方程式の整数解 ax+by=0の場合」では、先ほど書いた式の右辺が0になっている場合を考えます。この場合、答えは簡単に求められます。また、「解が1つに定まらない場合に、解をどうやって書くのか」も紹介します。

【標準】不定一次方程式の整数解 ax+by=cの場合」では、右辺が0でない場合を考えます。右辺が0のケースに持ち込んで解く方法を紹介します。

【応用】不定一次方程式 係数が大きい場合」では、係数が大きい場合に、どうやって解くかを紹介します。大学入試でもよく出題される内容なので、しっかり押さえておきましょう。

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