【応用】二次関数の最大・最小(二次の係数が動く)
二次関数の係数や定義域に文字が入っている場合の最大・最小を考える問題を見てきました。ここでは、二次の係数に文字が入っているケースを考えます。少し特殊な場合分けが必要になります。
例題
ここで注意が必要なのは、問題文には「関数」と書いてあって「二次関数」とは書いていないという点です。実は、これは大きな違いがあります。
「二次関数」と書いてあれば、 $x^2$ の係数は0ではないという前提が問題文に含まれます。一方、「関数」しか書いていない場合は、$x^2$ の係数が0ではないという前提は問題文には含まれません。なので、今の場合は $a=0$ の場合に言及しなかった場合は、正解にはなりません。
a の値によって、下に凸か上に凸かが変わるので場合分けが必要になるんだろう、ということには気づくかもしれませんが、実際には $a=0$ の場合も含めて考えないといけません。
ちなみに、 $a=0$ のときは、常に $y=1$ なので条件をみたさないことがわかります(この一文を答案に書かないと減点対象となってしまいます)。
$a \ne 0$ の場合を考えます。このとき、元の関数を平方完成すると、次のようになることが分かります。
\begin{eqnarray}
y
&=&
ax^2-2ax+1 \\
&=&
a(x-1)^2-a+1 \\
\end{eqnarray}これより、頂点の座標は $(1,-a+1)$ であることがわかります。
下に凸か上に凸かで最小値をとる箇所が異なるので、このケースで場合分けをします。
まず、 $a\gt 0$ のケースを考えます。このときは下に凸なので次のようなグラフになります。
最小値は頂点のときなので、これが $-2$ になるのは $-a+1=-2$ のとき、つまり、 $a=3$ のときですね。 $a\gt 0$ を満たすので、これは求める解になります。
また、 $a\lt 0$ のケースを考えます。グラフは次のようになります。
最小となるのは $x=3$ のときなので、 $9a-6a+1=-2$ を解けばいいですね。これを解くと、 $a=-1$ のときであることがわかります。 $a\lt 0$ を満たすので、これも求める解になります。
以上から、解は $a=3,-1$ となります。
おわりに
ここでは、二次の係数に文字が入っている場合を見ました。二次関数ではなく「関数」としか書いていない場合には、二次の係数が正か負かだけでなく、 $0$ のケースも考えないといけない、という点に注意しましょう。