【基本】不定積分
ここでは、不定積分について見ていきます。
不定積分
$x^3$ を微分すると、 $3x^2$ になります(参考:【基本】整式の導関数)。逆に、微分して $3x^2$ となる関数にはどのようなものがあるでしょうか。
もちろん、そのような関数の1つに $x^3$ がありますが、これだけではありません。例えば、 $x^3+1$ や $x^3-2$ だって、微分すると $3x^2$ になります。定数は微分すると $0$ になるので、 $x^3$ に定数を足したものは、微分すると $3x^2$ になります。
このような、微分して $f(x)$ となる関数のことを、 $f(x)$ の不定積分(indefinite integral) といいます。
例えば、 $x^3$ や $x^3+1$ は、 $3x^2$ の不定積分だ、といいます。今の段階では、これを考えるメリットがよくわからないかもしれませんが、将来、いろいろな面積を求められるようになります。
なお、不定積分は、原始関数(primitive function) ということもあります。
不定積分の表し方
関数 $f(x)$ を微分したものは、 $f'(x)$ や $\dfrac{d}{dx}f(x)$ などの記号で表します(参考:【基本】導関数 や 【標準】導関数のいろいろな表し方)。不定積分も言葉ではなく、記号を使って表す方法があります。
少し変わった記号ですが、 $f(x)$ の不定積分は、次のように表します。\[ \int f(x) dx \]左にある、Sをのばしたような記号は、「積分」と言ったり「インテグラル」と言ったりします。また、最後の $dx$ は、これでひとかたまりの記号です。【標準】導関数のいろいろな表し方で見た、 $\dfrac{dy}{dx}$ の記号と同様に、「 $dx$ は $d$ と $x$ の積ではない」という点に注意しましょう。これは、「 x で積分している」ということを表していて、今の段階では「とりあえず、こういう書き方で表すんだな」と思っておけば大丈夫です。
積分定数
冒頭で見たように、 $3x^2$ の不定積分は、 $x^3+1$ や $x^3-2$ など、定数の部分は何でも構いません。不定積分というのは、定数の部分が定まりません。
不定積分をすると必ずこの定数部分が出てくるため、この定数部分には、「積分定数」という名前が付いていて、通常は $C$ で表します。
先ほどの積分の記号を使い、積分定数を使って書くと、次のように書くことができます。\[ \int 3x^2 dx = x^3+C \]
何かの問題で「不定積分を求めなさい」と言われたら、「微分してこの形になる関数は何かな?」と考え、その結果に $+C$ (積分定数)と付け足せば、答えになります。
おわりに
ここでは、不定積分について紹介しました。微分の逆をすればいいだけですが、両方を学ぶと、「どちらがどっちの計算だっけ?」と混乱してしまうこともあります。間違わないように注意しましょう。