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共通テスト 数学II・数学B・数学C 2026年度 第5問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【第4問~第7問から3問選択】

問題編

問題

(正規分布表は省略しています)

 以下の問題解答にあたっては、必要に応じて33ページの正規分布表を用いてもよい。

 ある自治体では、地域の知識を問う資格試験(以下、資格試験)を毎年実施しており、200点満点のうち120点以上である受験者を合格としている。

(1) 今年実施した資格試験(以下、今年の資格試験)における受験者全体の得点の平均は116点、標準偏差は25点であることが公表された。今年の資格試験の受験者の得点は正規分布に従うとし、得点を表す確率変数を $X$ とする。このとき、$X$ は正規分布 $N(116, 25^2)$ に従うから、$Y = \dBox{ア}$ とおくと、$Y$ は標準正規分布 $N(0, 1)$ に従う。
 したがって、今年の受験者全体のうち、120点以上である受験者の割合 $P(X \geqq 120)$ はおよそ $\dBox{イ}$ である。

$\dbox{ア}$ の解答群

 0: $\dfrac{X - 116}{5}$

 1: $\dfrac{X - 116}{25}$

 2: $\dfrac{X - 116}{25^2}$

 3: $\dfrac{X - 120}{5}$

 4: $\dfrac{X - 120}{25}$

 5: $\dfrac{X - 120}{25^2}$

$\dbox{イ}$ については、最も適当なものを、次の0~7のうちから一つ選べ。

 0: $0.16$
 1: $0.21$
 2: $0.29$
 3: $0.34$
 4: $0.41$
 5: $0.44$
 6: $0.50$
 7: $0.84$

(2) この自治体のA地域では、多くの住民がこの資格試験を受験し、過去10年間における合格率が毎年 $40\%$($0.4$)を超えていた。太郎さんたちは、今年の資格試験の合格率についても $0.4$ より高いと判断してよいかを調べるために、A地域における住民の受験者の中から $n$ 人を無作為に選び、その合否を調査することにした。

(i) A地域における住民の今年の資格試験(以下、A地域における今年の資格試験)の受験者全体を母集団とし、母集団の大きさは十分に大きいとする。そして、A地域における今年の資格試験の合格率を $p$ とする。無作為に選ぶ $n$ 人のうち $i$ 番目の受験者が合格している場合は $1$、合格していない場合は $0$ の値をとる確率変数を $W_i$ ($i = 1, 2, \cdots, n$) と定義する。このとき、$W_i$ の確率分布は表1のとおりである。

表 1
$W_i$ $0$ $1$
確 率 $1-p$ $p$ $1$

 表1から、$W_i$ の平均(期待値)$E(W_i)$ は $\dBox{ウ}$ となる。
 また、$W_i$ の分散 $V(W_i)$ について
\[ V(W_i) = \{ 0 - E(W_i) \}^2 (1-p) + \{ 1 - E(W_i) \}^2 p \]から、$V(W_i)$ は $\dBox{エ}$ となる。

$\dbox{ウ}$ 、$\dbox{エ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $p$
 1: $1-p$
 2: $p^2$
 3: $p(1-p)$
 4: $p^2(1-p)^2$
 5: $p^3+(1-p)^3$

(ii) (i) の $W_1, W_2, \cdots, W_n$ を、表1の確率分布をもつ母集団から抽出した大きさ $n$ の無作為標本とみなす。このとき、標本平均を $\overline{W} = \dfrac{W_1 + W_2 + \cdots + W_n}{n}$ とおくと、$n$ が十分に大きいとき、$\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N \left( p, \dBox{オ} \right)$ に従う。

 この $\overline{W}$ の確率分布を利用して、$p$ が $0.4$ より高いといえるかを、有意水準 $5\%$($0.05$)で仮説検定を行い検証したい。ここで、統計的に検証したい仮説「対立仮説」、対立仮説に反する仮説として設けた仮説を「帰無仮説」とする。このとき、帰無仮説は「$p=0.4$」、対立仮説は「$p \gt 0.4$」である。これらの仮説に対して、有意水準 $5\%$ で帰無仮説が棄却(否定)されるかどうかを判断する。

 無作為に選ばれた $400$ 人のうち、$184$ 人が合格者であった。いま、帰無仮説が正しいと仮定する。標本の大きさ $n=400$ は十分に大きいので、標本平均 $\overline{W}$ は近似的に平均が $0.4$、標準偏差が $\dBox{カ}$ の正規分布に従う。
 $\sqrt{6} = 2.45$ として用いると
\[ P \left( \overline{W} \geqq \dfrac{184}{400} \right) = P(\overline{W} \geqq 0.46) \]の値は $\dBox{キ}$ となる。よって、この値をパーセント表示した値は有意水準 $5\%$ より $\dBox{ク}$ 。したがって、有意水準 $5\%$ でA地域における今年の資格試験の合格率は $0.4$ より $\dBox{ケ}$ 。

$\dbox{オ}$ の解答群

 0: $p$
 1: $1-p$
 2: $p(1-p)$

 3: $\dfrac{p}{n}$

 4: $\sqrt{\dfrac{p(1-p)}{n}}$

 5: $\dfrac{p(1-p)}{\sqrt{n}}$

 6: $\dfrac{\sqrt{1-p}}{n}$

 7: $\dfrac{p(1-p)}{n}$

$\dbox{カ}$ の解答群

 0: $\dfrac{\sqrt{6}}{5}$

 1: $\dfrac{6}{25}$

 2: $\dfrac{\sqrt{6}}{100}$

 3: $\dfrac{3}{250}$

 4: $\dfrac{3}{500}$

 5: $\dfrac{\sqrt{6}}{2000}$

$\dbox{キ}$ については、最も適当なものを、次の0~7のうちから一つ選べ。

 0: $0.0046$
 1: $0.0062$
 2: $0.0071$
 3: $0.0987$
 4: $0.1112$
 5: $0.3888$
 6: $0.4013$
 7: $0.4929$

$\dbox{ク}$ の解答群

 0: 小さいから、帰無仮説は棄却されない
 1: 小さいから、帰無仮説は棄却される
 2: 大きいから、帰無仮説は棄却されない
 3: 大きいから、帰無仮説は棄却される

$\dbox{ケ}$ の解答群

 0: 高いと判断できる
 1: 高いとは判断できない

(3) 太郎さんと花子さんは、(2)の仮説検定の結果について話している。

  • 無作為に選ばれた $100$ 人のうち $46$ 人が合格者でも、比率は同じ $0.46$ になるから、仮説検定の結果は同じになるのかな。
  • 試しに計算して調べてみようよ。

 A地域における今年の資格試験の受験者の中から無作為に選ばれた $100$ 人のうち、$46$ 人が合格者である場合について考える。
 (2)の(ii)と同じ帰無仮説と対立仮説に対し、有意水準 $5\%$ で帰無仮説が棄却されるかどうかを調べる。標本の大きさ $n=100$ は十分に大きいから、(2)の(ii)と同様に、$\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N \left( p, \dbox{オ} \right)$ に従う。帰無仮説が正しいと仮定する。このとき、$\sqrt{6} = 2.45$ として用いると
\[ P \left( \overline{W} \geqq \dfrac{46}{100} \right) = P(\overline{W} \geqq 0.46) \]の値をパーセント表示した値は有意水準 $5\%$ より $\dBox{コ}$ 。
 したがって、有意水準 $5\%$ で帰無仮説は $\dBox{サ}$ 。

$\dbox{コ}$ の解答群

 0: 小さい
 1: 大きい

$\dbox{サ}$ の解答群

 0: 棄却される
 1: 棄却されない

考え方

例年とほとんど同じ構成です。仮説検定も標準的な流れです。教科書などで練習していれば、対応できるでしょう。


【第4問~第7問から3問選択】

解答編

問題

(正規分布表は省略しています)

 以下の問題解答にあたっては、必要に応じて33ページの正規分布表を用いてもよい。

 ある自治体では、地域の知識を問う資格試験(以下、資格試験)を毎年実施しており、200点満点のうち120点以上である受験者を合格としている。

(1) 今年実施した資格試験(以下、今年の資格試験)における受験者全体の得点の平均は116点、標準偏差は25点であることが公表された。今年の資格試験の受験者の得点は正規分布に従うとし、得点を表す確率変数を $X$ とする。このとき、$X$ は正規分布 $N(116, 25^2)$ に従うから、$Y = \dBox{ア}$ とおくと、$Y$ は標準正規分布 $N(0, 1)$ に従う。
 したがって、今年の受験者全体のうち、120点以上である受験者の割合 $P(X \geqq 120)$ はおよそ $\dBox{イ}$ である。

$\dbox{ア}$ の解答群

 0: $\dfrac{X - 116}{5}$

 1: $\dfrac{X - 116}{25}$

 2: $\dfrac{X - 116}{25^2}$

 3: $\dfrac{X - 120}{5}$

 4: $\dfrac{X - 120}{25}$

 5: $\dfrac{X - 120}{25^2}$

$\dbox{イ}$ については、最も適当なものを、次の0~7のうちから一つ選べ。

 0: $0.16$
 1: $0.21$
 2: $0.29$
 3: $0.34$
 4: $0.41$
 5: $0.44$
 6: $0.50$
 7: $0.84$

解説

(1)
$X$ から定数 $m$ を引くと、平均は $m$ だけ小さくなります。また、定数 $a$ で割ると、分散は $\dfrac{1}{a^2}$ 倍になります。今、平均を $116$ 減らして、分散を $\dfrac{1}{25^2}$ 倍にしたいのだから、\[ Y=\dfrac{X-116}{25} \]とすれば、 $Y$ は標準正規分布に従うようになります。

よって
\begin{eqnarray} P(X\geqq 120) &=& P(X-116\geqq 4) \\[5pt] &=& P\left(\frac{X-116}{25}\geqq \frac{4}{25}\right) \\[5pt] &=& P\left(Y\geqq 0.16\right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。正規分布表より、 $P(0\leqq Y\leqq0.16)=0.0636$ より \begin{eqnarray} P(X\geqq 120) &=& P\left(Y\geqq 0.16\right) \\[5pt] &=& P\left(0\leqq Y\right)-P\left(0\leqq Y\leqq 0.16\right) \\[5pt] &=& 0.5-0.0636 \\[5pt] &=& 0.4364 \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。選択肢の中では、5が一番近いです。

解答

ア:1 (2点)
イ:5 (2点)

解答編 つづき

問題

(2) この自治体のA地域では、多くの住民がこの資格試験を受験し、過去10年間における合格率が毎年 $40\%$($0.4$)を超えていた。太郎さんたちは、今年の資格試験の合格率についても $0.4$ より高いと判断してよいかを調べるために、A地域における住民の受験者の中から $n$ 人を無作為に選び、その合否を調査することにした。

(i) A地域における住民の今年の資格試験(以下、A地域における今年の資格試験)の受験者全体を母集団とし、母集団の大きさは十分に大きいとする。そして、A地域における今年の資格試験の合格率を $p$ とする。無作為に選ぶ $n$ 人のうち $i$ 番目の受験者が合格している場合は $1$、合格していない場合は $0$ の値をとる確率変数を $W_i$ ($i = 1, 2, \cdots, n$) と定義する。このとき、$W_i$ の確率分布は表1のとおりである。

表 1
$W_i$ $0$ $1$
確 率 $1-p$ $p$ $1$

 表1から、$W_i$ の平均(期待値)$E(W_i)$ は $\dBox{ウ}$ となる。
 また、$W_i$ の分散 $V(W_i)$ について
\[ V(W_i) = \{ 0 - E(W_i) \}^2 (1-p) + \{ 1 - E(W_i) \}^2 p \]から、$V(W_i)$ は $\dBox{エ}$ となる。

$\dbox{ウ}$ 、$\dbox{エ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $p$
 1: $1-p$
 2: $p^2$
 3: $p(1-p)$
 4: $p^2(1-p)^2$
 5: $p^3+(1-p)^3$

解説

(2)(i)
平均は
\begin{eqnarray} E(W_i) &=& 0\cdot (1-p)+1\cdot p=p \end{eqnarray}となります。

また、分散は
\begin{eqnarray} V(W_i) &=& (0-p)^2 \cdot (1-p)+(1-p)^2 \cdot p \\[5pt] &=& p^2(1-p)+(1-p)^2p \\[5pt] &=& p\{p(1-p)+(1-p)^2\} \\[5pt] &=& p(1-p) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

問題文には導出方法が書いてくれていますが、なくても自分で導出できるようになっておくのが望ましいです。また、二項分布の平均と分散は、公式として覚えている人も多いと思います。

解答

ウエ:03 (2点)

解答編 つづき

問題

(ii) (i) の $W_1, W_2, \cdots, W_n$ を、表1の確率分布をもつ母集団から抽出した大きさ $n$ の無作為標本とみなす。このとき、標本平均を $\overline{W} = \dfrac{W_1 + W_2 + \cdots + W_n}{n}$ とおくと、$n$ が十分に大きいとき、$\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N \left( p, \dBox{オ} \right)$ に従う。

 この $\overline{W}$ の確率分布を利用して、$p$ が $0.4$ より高いといえるかを、有意水準 $5\%$($0.05$)で仮説検定を行い検証したい。ここで、統計的に検証したい仮説「対立仮説」、対立仮説に反する仮説として設けた仮説を「帰無仮説」とする。このとき、帰無仮説は「$p=0.4$」、対立仮説は「$p \gt 0.4$」である。これらの仮説に対して、有意水準 $5\%$ で帰無仮説が棄却(否定)されるかどうかを判断する。

 無作為に選ばれた $400$ 人のうち、$184$ 人が合格者であった。いま、帰無仮説が正しいと仮定する。標本の大きさ $n=400$ は十分に大きいので、標本平均 $\overline{W}$ は近似的に平均が $0.4$、標準偏差が $\dBox{カ}$ の正規分布に従う。
 $\sqrt{6} = 2.45$ として用いると
\[ P \left( \overline{W} \geqq \dfrac{184}{400} \right) = P(\overline{W} \geqq 0.46) \]の値は $\dBox{キ}$ となる。よって、この値をパーセント表示した値は有意水準 $5\%$ より $\dBox{ク}$ 。したがって、有意水準 $5\%$ でA地域における今年の資格試験の合格率は $0.4$ より $\dBox{ケ}$ 。

$\dbox{オ}$ の解答群

 0: $p$
 1: $1-p$
 2: $p(1-p)$

 3: $\dfrac{p}{n}$

 4: $\sqrt{\dfrac{p(1-p)}{n}}$

 5: $\dfrac{p(1-p)}{\sqrt{n}}$

 6: $\dfrac{\sqrt{1-p}}{n}$

 7: $\dfrac{p(1-p)}{n}$

$\dbox{カ}$ の解答群

 0: $\dfrac{\sqrt{6}}{5}$

 1: $\dfrac{6}{25}$

 2: $\dfrac{\sqrt{6}}{100}$

 3: $\dfrac{3}{250}$

 4: $\dfrac{3}{500}$

 5: $\dfrac{\sqrt{6}}{2000}$

$\dbox{キ}$ については、最も適当なものを、次の0~7のうちから一つ選べ。

 0: $0.0046$
 1: $0.0062$
 2: $0.0071$
 3: $0.0987$
 4: $0.1112$
 5: $0.3888$
 6: $0.4013$
 7: $0.4929$

$\dbox{ク}$ の解答群

 0: 小さいから、帰無仮説は棄却されない
 1: 小さいから、帰無仮説は棄却される
 2: 大きいから、帰無仮説は棄却されない
 3: 大きいから、帰無仮説は棄却される

$\dbox{ケ}$ の解答群

 0: 高いと判断できる
 1: 高いとは判断できない

解説

(2)(ii)

もし $W_i$ が正規分布に従うなら、 $\overline{W} = \dfrac{W_1 + W_2 + \cdots + W_n}{n}$ の分散は、分子から $nV(W_1)$ が出てきて、分母から $n^2$ が出てくるので、全体では $\dfrac{V(W_1)}{n}$ となります。正規分布でない場合も、近似的に同じ計算ができるので、標本平均の分散は\[ \frac{p(1-p)}{n} \]となります。つまり、標本平均は近似的に\[ N\left(p,\dfrac{p(1-p)}{n} \right) \]に従う、ということです。

次に仮説検定を考えます。標本平均は近似的に正規分布に従います。 $p=0.4$ と仮定しているので、平均は $0.4$ です。標準偏差は
\begin{eqnarray} \frac{\sqrt{0.4\cdot(1-0.4)}}{\sqrt{400}} &=& \frac{\sqrt{0.24}}{20} \\[5pt] &=& \frac{0.2\sqrt{6}}{20} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{6}}{100} \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。

$\overline{W}$ から $0.4$ を引いて $\dfrac{\sqrt{6}}{100}$ で割ったものが標準正規分布に従うことから、 $\sqrt{6}$ を $2.45$ として計算すると
\begin{eqnarray} P \left(\overline{W} \geqq \frac{184}{400}\right) &=& P(\overline{W} \geqq 0.46) \\[5pt] &=& P(\overline{W}-0.4 \geqq 0.06) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq 0.06\cdot\frac{100}{\sqrt{6}} \right) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq \sqrt{6} \right) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq 2.45 \right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。なお、 $Z$ は標準正規分布に従う確率変数とします。正規分布表から、 \begin{eqnarray} P \left(\overline{W} \geqq \frac{184}{400}\right) &=& P \left(Z \geqq 2.45 \right) \\[5pt] &=& 0.5-0.4929 \\[5pt] &=& 0.0071 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

この結果は有意水準 $0.05$ より小さいです。もともと、仮説検定とは、検証したいこと(対立仮説)を考えるために、それを否定する説(帰無仮説)を考えて、「対立仮説を否定したら(=帰無仮説を採用したら)、ほとんど起こりえないことが起こったことになる」という考えのもと、帰無仮説を否定するために使います。

今の場合、帰無仮説を採用したら、すごく低い確率でしか起こらないことが起こったことになってしまいます。なので、帰無仮説を棄却することができます。

こうして、優位水準 5% で、A地域における今年の合格率は $4$ % より高いとは言えます。

解答

オ:7 (2点)
カ:2 (2点)
キ:2 (2点)
クケ:10(キが正解の場合のみ、2点)

解答編 つづき

問題

(3) 太郎さんと花子さんは、(2)の仮説検定の結果について話している。

  • 無作為に選ばれた $100$ 人のうち $46$ 人が合格者でも、比率は同じ $0.46$ になるから、仮説検定の結果は同じになるのかな。
  • 試しに計算して調べてみようよ。

 A地域における今年の資格試験の受験者の中から無作為に選ばれた $100$ 人のうち、$46$ 人が合格者である場合について考える。
 (2)の(ii)と同じ帰無仮説と対立仮説に対し、有意水準 $5\%$ で帰無仮説が棄却されるかどうかを調べる。標本の大きさ $n=100$ は十分に大きいから、(2)の(ii)と同様に、$\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N \left( p, \dbox{オ} \right)$ に従う。帰無仮説が正しいと仮定する。このとき、$\sqrt{6} = 2.45$ として用いると
\[ P \left( \overline{W} \geqq \dfrac{46}{100} \right) = P(\overline{W} \geqq 0.46) \]の値をパーセント表示した値は有意水準 $5\%$ より $\dBox{コ}$ 。
 したがって、有意水準 $5\%$ で帰無仮説は $\dBox{サ}$ 。

$\dbox{コ}$ の解答群

 0: 小さい
 1: 大きい

$\dbox{サ}$ の解答群

 0: 棄却される
 1: 棄却されない

解説

(3)
(2)(ii)での計算とどこが変わるかを考えます。標本の大きさが $400$ から $100$ へと $\dfrac{1}{4}$ 倍になったので、標準偏差は $2$ 倍になります。

なので、途中で計算していた確率\[ P(\overline{W}-0.4 \geqq 0.06) \]の次に変形するときに、 $\dfrac{\sqrt{6}}{100}$ ではなく、 $\dfrac{\sqrt{6}}{50}$ で割ることで、標準正規分布に従う確率変数が出てきます。
\begin{eqnarray} & & P(\overline{W} \geqq 0.46) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq 0.06 \frac{50}{\sqrt{6}}\right) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq \frac{\sqrt{6}}{2}\right) \\[5pt] &=& P \left(Z \geqq 1.225\right) \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、正規分布表の $1.22$ や $1.23$ あたりを見ると、確率は $0.39$ くらいだとわかり、上の確率は $0.11$ くらいだとわかります。つまり、有意水準より大きいため、帰無仮説を棄却することはできません。

解答

コサ:11 (2点)

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