共通テスト 数学II・数学B 2025年度旧課程 第4問 解説
【必答問題】
解説
(1)(i)
\[ \angle\mathrm{BAP}=\dfrac{1}{2}\angle\mathrm{BAC}=\dfrac{1}{2} \theta \]なので、直線 $\mathrm{AP}$ の傾き $m$ は\[ m=\tan\frac{\theta}{2} \]となります。
$\mathrm{C}$ は $\mathrm{AB}$ を直径とする円周上の点なので、 $\angle\mathrm{C}=\dfrac{\pi}{2}$ だから、点 $\mathrm{B}$ における外角の大きさは $\theta+\dfrac{\pi}{2}$ なので、直線 $\mathrm{BP}$ の傾きは\[ \tan\left(\frac{\theta}{2}+\dfrac{\pi}{4}\right) \]となります。 $\tan$ の加法定理から
\begin{eqnarray}
\tan\left(\frac{\theta}{2}+\dfrac{\pi}{4}\right)
&=&
\frac{\tan\frac{\theta}{2}+\tan\frac{\pi}{4}}{1-\tan\frac{\theta}{2}\tan\frac{\pi}{4}} \\[5pt]
&=&
\frac{m+1}{1-m\cdot 1} \\[5pt]
\end{eqnarray}となるので、直線 $\mathrm{BP}$ の方程式は\[ y=\frac{m+1}{1-m}(x-1) \]だとわかります。
直線 $\mathrm{AP}$ の方程式を変形すると $m=\dfrac{y}{x+1}$ となるので、これを直線 $\mathrm{BP}$ の方程式に代入して
\begin{eqnarray}
y &=& \frac{m+1}{1-m}(x-1) \\[5pt]
y &=& \frac{\frac{y}{x+1}+1}{1-\frac{y}{x+1}}(x-1) \\[5pt]
y &=& \frac{y+(x+1)}{(x+1)-y}(x-1) \\[5pt]
(x+1-y)y &=& (y+x+1)(x-1) \\[5pt]
xy+y-y^2 &=& xy+x^2+x-y-x-1 \\[5pt]
y-y^2 &=& x^2-y-1 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。左辺と右辺を入れ替えてさらに整理すると
\begin{eqnarray}
x^2+y^2-2y-1 &=& 0 \\[5pt]
x^2+(y-1)^2 &=& 2 \\[5pt]
\end{eqnarray}となるので、中心が $(0,1)$ で半径が $\sqrt{2}$ の円だとわかります。
解答
ア:2
イウ:55
エオカキ:2112
解説
(1)(ii)
$0\lt \theta\lt\dfrac{\pi}{2}$ であり、 $m=\tan\dfrac{\theta}{2}$ なので、 $m$ のとり得る値の範囲は\[ 0\lt m\lt 1 \]です。
$y=m(x+1)$ で $y\gt 0$ のときに $x+1\gt 0$ なので、 $0\lt m\lt 1$ は、
\begin{eqnarray}
0 \lt \frac{y}{x+1} \lt 1 \\[5pt]
0 \lt y \lt x+1 \\[5pt]
\end{eqnarray}と同値です。
次に、図示したものを選びます。 $E$ は中心が $(0,2)$ で半径が $\sqrt{2}$ の円なので、0,2,4 のどれかです。
さらに、 $0\lt y\lt x+1$ を満たしているものは、 2 だとわかります。
解答
クケ:21
コ:2
解説
(2)
(1)と同様に考えます。
$\angle\mathrm{BAQ}=\dfrac{1}{2}\angle\mathrm{BAP}=\dfrac{1}{4}\theta$ なので、 $\mathrm{AQ}$ の傾き $m'$ は $\tan\dfrac{\theta}{4}$ です。
コのグラフを見ると、$\angle\mathrm{APB}$ は 中心角が $90^{\circ}$ だとわかるので、 $\angle\mathrm{APB}=\dfrac{1}{4}\pi$ です。なので、 $\triangle\mathrm{PAB}$ の点 $\mathrm{B}$ における外角は\[ \frac{\theta}{2}+\frac{\pi}{4} \]だから、 $\mathrm{BQ}$ の傾きは\[ \tan\left(\dfrac{\theta}{4}+\dfrac{\pi}{8}\right) \]と書けます。加法定理を使って
\begin{eqnarray}
& &
\tan\left(\dfrac{\theta}{4}+\dfrac{\pi}{8}\right) \\[5pt]
&=&
\frac{\tan\dfrac{\theta}{4}+\tan\dfrac{\pi}{8}}{1-\tan\dfrac{\theta}{4}\tan\dfrac{\pi}{8}} \\[5pt]
&=&
\frac{m'+\tan\dfrac{\pi}{8}}{1-m'\tan\dfrac{\pi}{8}} \\[5pt]
\end{eqnarray}となることがわかります。
$\mathrm{Q}$ の軌跡は、先ほどと同じようにすれば直線 $\mathrm{AQ}$ の方程式を変形したものを代入すれば求められます。直線 $\mathrm{AQ}$ の方程式は\[ y=m'(x+1) \]なので、 $m'=\dfrac{y}{x+1}$ を代入すればいいです。
解答
サシ:61