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京都大学 理系 2024年度 第3問 解説

問題編

問題

 座標空間の4点 $\mathrm{O,A,B,C}$ は同一平面上にないとする。線分 $\mathrm{OA}$ の中点を $\mathrm{P}$, 線分 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm{Q}$ とする。実数 $x,y$ に対して、直線 $\mathrm{OC}$ 上の点 $\mathrm{X}$ と、直線 $\mathrm{BC}$ 上の点 $\mathrm{Y}$ を次のように定める。\[ \overrightarrow{\mathrm{OX}}=x \overrightarrow{\mathrm{OC}},\ \overrightarrow{\mathrm{BY}}=y \overrightarrow{\mathrm{BC}} \]このとき、直線 $\mathrm{QY}$ と直線 $\mathrm{PX}$ がねじれの位置にあるための $x,y$ に関する必要十分条件を求めよ。

考え方

「ねじれ」に関する問題はあまり見かけないので、ベクトルの言葉でどのように表現すればいいかがわからない人もいるでしょう。そういう場合は、まず、2直線の位置関係にはどういうものがあるかを考えてみましょう。「ねじれ」をそのまま考えるより、「ねじれではない」を考えたほうがわかりやすいかもしれません。


解答編

問題

 座標空間の4点 $\mathrm{O,A,B,C}$ は同一平面上にないとする。線分 $\mathrm{OA}$ の中点を $\mathrm{P}$, 線分 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm{Q}$ とする。実数 $x,y$ に対して、直線 $\mathrm{OC}$ 上の点 $\mathrm{X}$ と、直線 $\mathrm{BC}$ 上の点 $\mathrm{Y}$ を次のように定める。\[ \overrightarrow{\mathrm{OX}}=x \overrightarrow{\mathrm{OC}},\ \overrightarrow{\mathrm{BY}}=y \overrightarrow{\mathrm{BC}} \]このとき、直線 $\mathrm{QY}$ と直線 $\mathrm{PX}$ がねじれの位置にあるための $x,y$ に関する必要十分条件を求めよ。

解答

座標空間にある、異なる2直線の位置関係は、交わる、平行、ねじれ、の3種類のみである。交わる場合と平行の場合は、2直線は同一平面上にあり、ねじれの場合は、同一平面上にはない。よって、4点 $\mathrm{P,Q,X,Y}$ が同一平面上にある条件を求め、それを否定したものが求める条件である。

$\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec{a}$, $\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec{b}$, $\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{c}$ とする。このとき、
\begin{eqnarray} \overrightarrow{\mathrm{OP}} &=& \frac{1}{2}\vec{a} \\[5pt] \overrightarrow{\mathrm{OQ}} &=& \frac{1}{2}\vec{a}+\frac{1}{2}\vec{b} \\[5pt] \overrightarrow{\mathrm{OX}} &=& x\vec{c} \\[5pt] \overrightarrow{\mathrm{OY}} &=& \overrightarrow{\mathrm{OB}}+\overrightarrow{\mathrm{BY}} \\[5pt] &=& \vec{b}+y(\vec{c}-\vec{b}) \\[5pt] &=& (1-y)\vec{b}+y\vec{c} \end{eqnarray}となる。

4点 $\mathrm{P,Q,X,Y}$ が同一平面上にあることは、次を満たす $s,t$ が存在することと同値である。\[ \overrightarrow{\mathrm{PY}} = s \overrightarrow{\mathrm{PQ}}+t \overrightarrow{\mathrm{PX}} \]ここで
\begin{eqnarray} \overrightarrow{\mathrm{PY}} &=& (1-y)\vec{b}+y\vec{c}-\frac{1}{2}\vec{a} \\[5pt] \overrightarrow{\mathrm{PQ}} &=& \frac{1}{2}\vec{b} \\[5pt] \overrightarrow{\mathrm{PX}} &=& x\vec{c}-\frac{1}{2}\vec{a} \\[5pt] \end{eqnarray}なので \begin{eqnarray} (1-y)\vec{b}+y\vec{c}-\frac{1}{2}\vec{a} &=& s\cdot \frac{1}{2}\vec{b} +t \left(x\vec{c}-\frac{1}{2}\vec{a}\right) \\[5pt] -\frac{1}{2}\vec{a}+(1-y)\vec{b}+y\vec{c} &=& -\frac{t}{2}\vec{a} +\frac{s}{2}\vec{b} +tx\vec{c} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。ここで、 $\mathrm{O,A,B,C}$ は同一平面上にないので、係数比較ができるから、次の条件が得られる。 \begin{eqnarray} -\frac{1}{2} &=& -\frac{t}{2} \\[5pt] 1-y &=& \frac{s}{2} \\[5pt] y &=& tx \\[5pt] \end{eqnarray}これより、 \begin{eqnarray} & & t=1 \\[5pt] & & s=2(1-y) \\[5pt] & & x=y \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、 $x=y$ と、4点 $\mathrm{P,Q,X,Y}$ が同一平面上にあることは同値である。

以上から、直線 $\mathrm{QY}$ と直線 $\mathrm{PX}$ がねじれの位置にあるための $x,y$ に関する必要十分条件は、先ほどの条件を否定した\[ x\ne y \]だとわかる。(答)

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