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センター試験 数学II・数学B 2017年度追試 第1問 [2] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

 p, q, x, y は実数とし、関係式\[ p=\log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\}, \\ q=\log_3 \left\{ 3^y-\left(\frac{1}{3}\right)^y \right\} \]を満たすとする。

(1) 真数の条件により、 $x\gt \myBox{ツ}$, $y\gt \mybox{ツ}$ である。ただし、対数 $\log_a b$ に対し、 a を底といい、 b を真数という。
 また、 $x\lt y$ であるとき
\begin{eqnarray} 3^x & \myBox{テ} & 3^y , \\[5pt] \left(\frac{1}{3}\right)^x & \myBox{ト} & \left(\frac{1}{3}\right)^y , \\[5pt] p & \myBox{ナ} & q \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立つ。 $\myBox{テ}$, $\myBox{ト}$, $\myBox{ナ}$ に当てはまるものを、次の 0 から 2 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。

 0: $\lt$
 1: $=$
 2: $\gt$

(2) $x=\log_3 4$ のとき、\[ p=\log_3 \myBox{ニ} -\myBox{ヌ}\log_3 2 +\myBox{ネ} \]である。また、 $p=\log_3 4$ のとき、 $x=\log_3 \left(\myBox{ノ} +\sqrt{\myBox{ハ} }\right)$ である。

(3) 関係式 $y=2x-1$, $q=2p-1$ が成り立つとき、 $x=\dfrac{\log_3 \myBox{ヒ} }{\myBox{フ} }$ である。

考え方

(1)は x 乗しているものが、1より大きいのか小さいのかに注意しながら考えましょう。

(2)以降は計算問題ですが、ごちゃごちゃしがちです。特に、(3)は文字が4つ出てくるので、計算の順番を工夫しないと、とんでもなく長い式を扱うことになってしまいます。 p, q の関係を x, y の関係に書き直してから解いていく方針がいいでしょう。


【必答問題】

解答編

問題

 p, q, x, y は実数とし、関係式\[ p=\log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\}, \\ q=\log_3 \left\{ 3^y-\left(\frac{1}{3}\right)^y \right\} \]を満たすとする。

(1) 真数の条件により、 $x\gt \myBox{ツ}$, $y\gt \mybox{ツ}$ である。ただし、対数 $\log_a b$ に対し、 a を底といい、 b を真数という。

解説

真数の条件とは「真数は正」という条件のことです。つまり、 p, q の波かっこの中がそれぞれ正になる、ということです。 p について考えると
\begin{eqnarray} 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x & \gt & 0 \\[5pt] 3^{2x}-1 & \gt & 0 \\[5pt] 3^{2x} & \gt & 3^0 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。底が $3$ であり、 $1$ より大きいため、 $2x\gt 0$ 、つまり、 $x\gt 0$ となります。また、同様に $y\gt 0$ となります。

解答

ツ:0

解答編 つづき

問題

 また、 $x\lt y$ であるとき
\begin{eqnarray} 3^x & \myBox{テ} & 3^y , \\[5pt] \left(\frac{1}{3}\right)^x & \myBox{ト} & \left(\frac{1}{3}\right)^y , \\[5pt] p & \myBox{ナ} & q \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立つ。 $\myBox{テ}$, $\myBox{ト}$, $\myBox{ナ}$ に当てはまるものを、次の 0 から 2 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。

 0: $\lt$
 1: $=$
 2: $\gt$

解説

$3\gt 1$ なので、 $x\lt y$ のときには\[ 3^x \lt 3^y \]が成り立ちます。

また、$\frac{1}{3}\lt 1$ なので、 $x\lt y$ のときには\[ \left(\frac{1}{3}\right)^x \gt \left(\frac{1}{3}\right)^y \]が成り立ちます。 $3^x \lt 3^y$ の両辺を $3^x \cdot 3^y$ で割って求めることもできます。

この2つの結果から、\[ 3^x -\left(\frac{1}{3}\right)^x \lt 3^y -\left(\frac{1}{3}\right)^y \]が得られます。つまり、\[ p \lt q \]となります。

解答

テトナ:020

解答編 つづき

問題

(2) $x=\log_3 4$ のとき、\[ p=\log_3 \myBox{ニ} -\myBox{ヌ}\log_3 2 +\myBox{ネ} \]である。

解説

$x=\log_3 4$ のとき、 $3^x=4$ となり、
\begin{eqnarray} \left(\frac{1}{3}\right)^x = \frac{1}{3^x}=\frac{1}{4} \end{eqnarray}となります。よって \begin{eqnarray} p &=& \log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\} \\[5pt] &=& \log_3 \left( 4-\frac{1}{4} \right) \\[5pt] &=& \log_3 \frac{15}{4} \\[5pt] &=& \log_3 5 -\log_3 4 +\log_3 3 \\[5pt] &=& \log_3 5 -2\log_3 2 +1 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

解答

ニヌネ:521

解答編 つづき

問題

また、 $p=\log_3 4$ のとき、 $x=\log_3 \left(\myBox{ノ} +\sqrt{\myBox{ハ} }\right)$ である。

解説

\[ p=\log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\} \]なので、 $p=\log_3 4$ のときは、
\begin{eqnarray} 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x &=& 4 \\[5pt] 3^{2x}-1 &=& 4\cdot 3^x \\[5pt] 3^{2x} -4\cdot 3^x -1 &=& 0 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $3^x=z$ とおくと、 \begin{eqnarray} z^2-4z-1 &=& 0 \\[5pt] z &=& \frac{4\pm\sqrt{(-4)^2-4(-1)} }{2} \\[5pt] z &=& 2\pm\sqrt{5} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $z=3^x$ だから $z\gt 0$ なので、\[ z=2+\sqrt{5} \]となり、\[ x=\log_3 (2+\sqrt{5}) \]になることがわかります。

解答

ノハ:25

解答編 つづき

問題

(3) 関係式 $y=2x-1$, $q=2p-1$ が成り立つとき、 $x=\dfrac{\log_3 \myBox{ヒ} }{\myBox{フ} }$ である。

解説

$2p-1$ を変形すると
\begin{eqnarray} & & 2\log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\}-1 \\[5pt] &=& \log_3 \left\{ 3^x-\left(\frac{1}{3}\right)^x \right\}^2-1 \\[5pt] &=& \log_3 \left( 3^{2x} -2 +\frac{1}{3^{2x} } \right) -1 \\[5pt] &=& \log_3 \left( 3^{2x-1} -\frac{2}{3} +\frac{1}{3^{2x+1} } \right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これが $q$ と等しいため \begin{eqnarray} 3^{2x-1} -\frac{2}{3} +\frac{1}{3^{2x+1} } &=& 3^y-\left(\frac{1}{3}\right)^y \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立ちます。また、 $y=2x-1$ なので \begin{eqnarray} 3^{2x-1} -\frac{2}{3} +\frac{1}{3^{2x+1} } &=& 3^{2x-1}-\left(\frac{1}{3}\right)^{2x-1} \\[5pt] -\frac{2}{3} +\frac{1}{3^{2x+1} } &=& -\left(\frac{1}{3}\right)^{2x-1} \\[5pt] -\frac{2}{3} \times 3^{2x+1} +1 &=& -9 \\[5pt] -\frac{2}{3} \times 3^{2x+1} &=& -10 \\[5pt] 3^{2x+1} &=& 15 \\[5pt] 3^{2x} &=& 5 \\[5pt] 2x &=& \log_3 5 \\[5pt] x &=& \frac{\log_3 5}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}が得られます。

解答

ヒフ:52

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