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センター試験 数学II・数学B 2017年度追試 第1問 [1] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$, $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ および関係式\[ 2\cos^2(\beta-\alpha) = 3\sin(\beta-\alpha) \quad \cdots ① \]を満たす $\alpha, \beta$ に対して、 $y=4\sin^2\beta-4\cos^2\alpha$ とおく。

(1) $t=\sin (\beta-\alpha)$ とおくと、①から $t=\dfrac{\myBox{ア} }{\myBox{イ} }$ であることがわかる。 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$, $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ であるから、 $\beta-\alpha=\dfrac{\pi}{\myBox{ウ} }$ である。

(2) (1)により $\beta=\alpha+\dfrac{\pi}{\mybox{ウ} }$ であるから、加法定理を用いて、 y を $\alpha$ で表すと\[ y=\myBox{エ}-\myBox{オ}\cos^2\alpha +\myBox{カ}\sqrt{\myBox{キ} } \sin\alpha\cos\alpha \ \cdots ② \]となる。このことから、 $y=\mybox{エ}$ となるのは、 $\alpha = \dfrac{\pi}{\myBox{ク} }$, $\beta = \dfrac{\pi}{\myBox{ケ} }$ のときである。

(3) 2倍角の公式を用いると、②は\[ y=\sqrt{\myBox{コ} }\sin 2\alpha -\myBox{サ}\cos 2\alpha \]となる。さらに、三角関数の合成を用いると\[ y=\myBox{シ}\sqrt{\myBox{ス} } \left(\sin 2\alpha-\frac{\pi}{\myBox{セ} }\right) \]と変形できる。このことから、 $y=-\sqrt{3}$ となるのは、 $\alpha = \dfrac{\pi}{\myBox{ソタ} }$, $\beta = \dfrac{\pi}{\myBox{チ} }$ のときである。

考え方

三角関数での公式を使った典型的な問題です。何の定理を使うかを書いてくれていて、親切ですね。

簡単ではありませんが、誘導にのって計算していけば、それほどつまるところなく進んでいけるでしょう。つねに角度の範囲を気にしながら考えていきましょう。


【必答問題】

解答編

問題

 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$, $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ および関係式\[ 2\cos^2(\beta-\alpha) = 3\sin(\beta-\alpha) \quad \cdots ① \]を満たす $\alpha, \beta$ に対して、 $y=4\sin^2\beta-4\cos^2\alpha$ とおく。

(1) $t=\sin (\beta-\alpha)$ とおくと、①から $t=\dfrac{\myBox{ア} }{\myBox{イ} }$ であることがわかる。 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$, $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ であるから、 $\beta-\alpha=\dfrac{\pi}{\myBox{ウ} }$ である。

解説

$t=\sin (\beta-\alpha)$ とおいて、①の $\cos$ を $\sin$ で書き直せば、次のようになります。
\begin{eqnarray} 2\cos^2(\beta-\alpha) &=& 3\sin(\beta-\alpha) \\ 2\left(1-\sin^2(\beta-\alpha)\right) &=& 3t \\ 2(1-t^2) &=& 3t \\ -2t^2-3t+2 &=& 0 \\ 2t^2+3t-2 &=& 0 \\ (2t-1)(t+2) &=& 0 \\ t &=& \frac{1}{2}, -2 \\ \end{eqnarray}ここで、 $t=\sin (\beta-\alpha)$ なので、 $t=\dfrac{1}{2}$ となることがわかります。

また、 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$, $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ なので、\[ -\frac{\pi}{2} \leqq \beta-\alpha \leqq \frac{\pi}{2} \]が成り立ちます。この範囲で、 $t=\sin (\beta-\alpha)=\dfrac{1}{2}$ だから、 $\beta-\alpha =\dfrac{\pi}{6}$ となることがわかります。

解答

アイ:12
ウ:6

解答編 つづき

問題

(2) (1)により $\beta=\alpha+\dfrac{\pi}{\mybox{ウ} }$ であるから、加法定理を用いて、 y を $\alpha$ で表すと\[ y=\myBox{エ}-\myBox{オ}\cos^2\alpha +\myBox{カ}\sqrt{\myBox{キ} } \sin\alpha\cos\alpha \ \cdots ② \]となる。このことから、 $y=\mybox{エ}$ となるのは、 $\alpha = \dfrac{\pi}{\myBox{ク} }$, $\beta = \dfrac{\pi}{\myBox{ケ} }$ のときである。

解説

$y=4\sin^2\beta-4\cos^2\alpha$ に、(1)の結果 $\beta=\alpha+\dfrac{\pi}{6}$ を代入すると\begin{eqnarray} y &=& 4\sin^2 \left(\alpha+\frac{\pi}{6}\right) -4\cos^2\alpha \\[5pt] &=& 4\left(\frac{\sqrt{3} }{2}\sin\alpha +\frac{1}{2}\cos\alpha \right)^2 -4\cos^2\alpha \\[5pt] &=& 3\sin^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha +\cos^2\alpha -4\cos^2\alpha \\[5pt] &=& 3\sin^2\alpha -3\cos^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha \\[5pt] &=& 3(1-\cos^2\alpha) -3\cos^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha \\[5pt] &=& 3 -6\cos^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。2つ目の等号で、加法定理を使っています。最後から2つ目の等号では、三角比の相互関係を使っています。

このことから、 $y=3$ となるときの $\alpha$ は
\begin{eqnarray} -6\cos^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha &=& 0 \\[5pt] \cos^2\alpha (-6 +2\sqrt{3}\tan\alpha) &=& 0 \\[5pt] \cos^2\alpha (\tan\alpha-\sqrt{3}) &=& 0 \\[5pt] \end{eqnarray}を満たすことがわかります。 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$ なので、 $\cos \alpha=0$ となるのは $\alpha=\dfrac{\pi}{2}$ のときです。また、 $\tan\alpha=\sqrt{3}$ となるのは $\alpha = \dfrac{\pi}{3}$ のときです。

また、 $\beta=\alpha+\dfrac{\pi}{6}$ と $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ より、これらの条件を満たす $\alpha$ は $\dfrac{\pi}{3}$ のみであり、このときの $\beta$ は $\dfrac{\pi}{3}+\dfrac{\pi}{6}=\dfrac{\pi}{2}$ であることがわかります。

解答

エオカキ:3623
クケ:32

解答編 つづき

問題

(3) 2倍角の公式を用いると、②は\[ y=\sqrt{\myBox{コ} }\sin 2\alpha -\myBox{サ}\cos 2\alpha \]となる。さらに、三角関数の合成を用いると\[ y=\myBox{シ}\sqrt{\myBox{ス} } \left(\sin 2\alpha-\frac{\pi}{\myBox{セ} }\right) \]と変形できる。このことから、 $y=-\sqrt{3}$ となるのは、 $\alpha = \dfrac{\pi}{\myBox{ソタ} }$, $\beta = \dfrac{\pi}{\myBox{チ} }$ のときである。

解説

2倍角の公式: $\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$, $\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$ を逆に使って、
\begin{eqnarray} y &=& 3 -6\cos^2\alpha +2\sqrt{3}\sin\alpha\cos\alpha \\[5pt] &=& 3 -6\cdot\frac{\cos 2\alpha +1}{2} +2\sqrt{3}\cdot\frac{\sin 2\alpha}{2} \\[5pt] &=& 3 -3\cos 2\alpha -3 +\sqrt{3}\sin 2\alpha \\[5pt] &=& \sqrt{3}\sin 2\alpha -3\cos 2\alpha \\[5pt] \end{eqnarray}が得られます。

さらに三角関数の合成を使うと
\begin{eqnarray} y &=& \sqrt{3}\sin 2\alpha -3\cos 2\alpha \\[5pt] &=& 2\sqrt{3} \left( \frac{1}{2}\sin 2\alpha -\frac{\sqrt{3} }{2}\cos 2\alpha \right) \\[5pt] &=& 2\sqrt{3} \left( \sin 2\alpha \cos \frac{\pi}{3} -\cos 2\alpha \sin\frac{\pi}{3} \right) \\[5pt] &=& 2\sqrt{3} \sin \left( 2\alpha -\frac{\pi}{3} \right) \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。

これから、 $y=-\sqrt{3}$ となるときを求めましょう。このとき、\[ \sin \left( 2\alpha -\frac{\pi}{3} \right) = -\frac{1}{2} \]となります。また、 $0\leqq \alpha \leqq \dfrac{\pi}{2}$ だから\[ -\frac{\pi}{3} \leqq 2\alpha -\frac{\pi}{3} \leqq \dfrac{2}{3}\pi \]となります。よって、\[ 2\alpha -\frac{\pi}{3} = -\frac{\pi}{6} \]が成り立ちます。これを解いて\[ \alpha=\frac{\pi}{12} \]が得られます。

また、 $\beta=\alpha+\dfrac{\pi}{6}$ なので、\[ \beta=\frac{\pi}{12}+\frac{\pi}{6}=\frac{\pi}{4} \]となります。 $0\leqq \beta \leqq \dfrac{\pi}{2}$ を満たしていることもわかります。

解答

コサ:33
シスセ:233
ソタチ:124

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