【標準】ベクトルの内積と大きさ

ここでは、ベクトルの内積を使って、大きさを考える問題を見ていきます。

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ベクトルの大きさの2乗

【基本】ベクトルの内積の性質#同じベクトル同士の内積で見たように、次が成り立ちます。\[ \vec{a}\cdot\vec{a}=|\vec{a}|^2 \]これは、自分同士のなす角が $0^{\circ}$ であることと内積の定義からわかります。

この式はこの形でも使われますが、次のような形でもよく使われます。【基本】ベクトルの内積の性質で見た、交換法則や分配法則を使います。
\begin{eqnarray}
|\vec{a}+\vec{b}|^2
&=&
(\vec{a}+\vec{b})\cdot(\vec{a}+\vec{b}) \\[5pt] &=&
\vec{a}\cdot\vec{a}+2\vec{a}\cdot\vec{b}+\vec{b}\cdot\vec{b} \\[5pt] &=&
|\vec{a}|^2+2\vec{a}\cdot\vec{b}+|\vec{b}|^2 \\[5pt] \end{eqnarray}このことを使えば、 $|\vec{a}|$, $|\vec{b}|$ が分かっている状況で、 $\vec{a}\cdot\vec{b}$ から $|\vec{a}+\vec{b}|$ を求めたり、その逆を行えるようになります。

例題

例題
$|\vec{a}|=2$, $|\vec{b}|=3$ で、 $\vec{a}$ と $\vec{b}$ のなす角が $60^{\circ}$ のとき、 $\vec{a}-2\vec{b}$ の大きさを求めなさい。
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$|\vec{a}-2\vec{b}|$ をいきなり求めることはできませんが、その2乗なら先ほど見た性質を使って求めることができます。この2乗を計算する前に、まずは内積を求めておきましょう。なす角が分かっているので
\begin{eqnarray}
\vec{a}\cdot\vec{b}
&=&
|\vec{a}||\vec{b}|\cos60^{\circ} \\[5pt] &=&
2\times3\times\frac{1}{2} \\[5pt] &=&
3
\end{eqnarray}となります。よって、 $\vec{a}-2\vec{b}$ の大きさの2乗は
\begin{eqnarray}
|\vec{a}-2\vec{b}|^2
&=&
|\vec{a}|^2-4\vec{a}\cdot\vec{b}+4|\vec{b}|^2 \\[5pt] &=&
2^2-4\times 3+4\times3^2 \\[5pt] &=&
4-12+36 \\[5pt] &=&
28 \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。よって、求める大きさは $2\sqrt{7}$ となることがわかります。

このように、 $\vec{a}\cdot\vec{a}=|\vec{a}|^2$ という関係式は、ベクトルの大きさと内積をつなぐものとして重要です。

おわりに

ここでは、ベクトルの内積を使って、ベクトルの大きさを求める問題を見ました。ベクトルの内積、ベクトルの大きさ、ベクトルのなす角を使った関係式は、試験でもよく出題されます。つながりをよく理解して、計算の練習をしましょう。