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【基本】命題

ここでは、命題に関する基本的な用語を見ていきます。数学の問題で命題に関する用語は、今後いろいろなところで用いられるので、内容を把握しておきましょう。

📘 目次

命題

数学の世界で出てくる文章は、正しいか正しくないか、どちらかに決まるものがほとんどです。このような文章を、命題(proposition)と呼びます。例えば、次は命題の例です。

  • 2は1より大きい。
  • $x\gt 1$ ならば $x\gt 0$ である。
また、「4は不吉な数字だ」「8は縁起がいい」というようなものは、数学的に正しいかどうか決まらないので、命題とは言いません。

真と偽

命題は、正しいか正しくないか数学的に決まる文章のことなので、正しいこともあれば正しくないこともあります。命題が正しいとき、その命題は(true)である、と言います。一方、正しくないとき、その命題は(false)である、と言います。

例えば、「2は1より大きい」は内容が正しいので、「この命題は真である」と言います。「 $x\gt 1$ ならば $x\lt 0$ である」は内容が正しくないので、「この命題は偽である」と言います。

命題は、真であるか偽であるか、必ずどちらか片方になります。

仮定と結論

数学で出てくる文章には、変数を含むものがあります。そして、その変数の中身によって、正しいか正しくないかが変わってくることがあります。例えば、「x は偶数」という文章は、例えば $x=0$ のときは正しいですが $x=1$ のときは正しくありません。このように、変数の値によって、正しいか正しくないかが変わる文章のことを、条件(condition)と言います。

命題は、2つの条件 p, q を用いて、「p ならば q」の形になっているケースが多いです。このとき、「p ならば q」を「 $p \implies q$ 」と書きます。また、このときの p をこの命題の仮定(assumption)と呼び、q のことをこの命題の結論(conclusion)と呼びます。

例えば、「x が4の倍数ならば、x は偶数である」という命題であれば、「x が4の倍数」が仮定、「x は偶数」が結論になります。もちろん、この命題は真です。

反例

入試問題では、「次の命題 $p \implies q$ の真偽を答えなさい」という形式の問題が出ることがあります。もし真であれば、その命題が正しいことを証明する必要があります。「p という仮定を満たしていれば、必ず q が成り立つ」ことを証明します。

一方、偽であれば、その命題が正しくないことを言います。このとき言うべきことは、「p という仮定を満たしているのに、q が成り立たない例」です。このようなものを、反例(counterexample)と呼びます。

例えば、「x が偶数ならば、x は4の倍数である」という命題を考えましょう。 $x=4$ や $x=8$ のときは正しいですが、 $x=2$ のときは、仮定を満たしますが結論は成り立ちません。よって、この命題は偽で、反例は $x=2$ となります。

反例は自分で見つけないといけません。真なら証明、偽なら反例を示す、という流れになります。反例は、1つ挙げればよく、成り立たない例をすべて見つける必要はありません。

おわりに

次は東京大学文系2015年度の第1問の冒頭の文章です。

以下の命題A、Bそれぞれに対し、その真偽を述べよ。また、真ならば証明を与え、偽ならば反例を与えよ。

各命題は今の段階では習っていない内容を含んでいるので解けませんが、この記事で説明した用語はこのように普通に登場します。用語についてはこの記事に出ているのでおさえておきましょう。

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