なかけんの数学ノート

京都大学 理学部特色入試 2016年度 第1問 解説

問題編

問題

 n を2以上の整数とする。原点 O を中心とした半径1の円周を n 等分する点を時計回りに $\mathrm{ P }_0,\mathrm{ P }_1.\cdots \mathrm{ P }_{n-1}$ とする。これら n 点から無作為に1点を選ぶ試行を独立に3回繰り返し、3点 P, Q, R を順に選ぶ。ただし、P, Q, R は重複を許して選び、どの n 点も同じ確からしさで選ぶものとする。 $0 \leqq j,k,l \leqq n-1$ に対し、P, Q, R がそれぞれ $\mathrm{ P }_j,\mathrm{ P }_k,\mathrm{ P }_l$ である確率を $p_{jkl}$ とする。3点 $\mathrm{ P }_j,\mathrm{ P }_k,\mathrm{ P }_l$ が異なるとき、三角形 $\mathrm{ P }_j\mathrm{ P }_k\mathrm{ P }_l$ の面積を $S_{jkl}$ とおく。また、3点 $\mathrm{ P }_j,\mathrm{ P }_k,\mathrm{ P }_l$ に重複があるとき、 $S_{jkl}=0$ とおく。
\[ E_n = \sum_{j=0}^{n-1} \left\{ \sum_{k=0}^{n-1} \left( \sum_{l=0}^{n-1} p_{jkl}S_{jkl} \right) \right\} \]とおく。 $E_n$ を求めよ。また、 $\displaystyle \lim_{n\to\infty}E_n$ を求めよ。

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考え方

問題文が長く、式の見た目もゴツいですが、円周上にできる三角形の面積の期待値を求める問題です。何を計算しようとしているかを把握するのは、そんなに難しくはありません。

考える三角形を3つに分解し、3つの $\sin$ を足し合わせる、というところまでは多くの人がたどり着けるでしょう。が、ここからの計算が大変です。 $\displaystyle \sum\sum\sum$ をなんとか簡単にしていきます。

式をどうやって変形しても、 $\displaystyle \sum k\sin\frac{2k\pi}{n}$ が残ってしまいます。しかも、この計算がまた大変です。「$\cos kx$ を微分して $k\sin kx$ を出してくる」と攻めるか、「等差数列×等比数列の和」と同じように攻めるか。どちらでも出せますが、なかなか思いつくのは大変です。

極限だけなら、区分求積法を使って出すことも可能ですが、極限をとる前の $E_n$ を出すのは相当難易度が高いです。突破すべきポイントが多く、最後までたどり着くのは至難の業です。

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