【応用】放物線と直線で囲まれた部分の面積を簡単に求める

放物線と直線で囲まれた部分の面積は、簡単に求めることができます。教科書に載っていないかもしれませんが、計算がかなり省略されるので、見ていきましょう。

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放物線と直線で囲まれた部分の面積を簡単に求める

【標準】2曲線間の面積と積分では、直線 $y=x+3$ と放物線 $y=2x^2-3x-3$ で囲まれた部分の面積を求めました。このときは、まず、交点の x 座標を求めました。 $x=3,-1$ です。これをもとに、上から下を引いて、積分をすればいいのでしたね。つまり、\[ \int_{-1}^3 \{ (x+3)-(2x^2-3x-3) \} dx \]を計算すれば、それが求めたい面積になるのでした。この後も計算が続きます。

しかし、この積分の計算はもっと簡単にできます。実は次のことが成り立ちます。

放物線と直線で囲まれた部分の面積
放物線 $y=ax^2+bc+c$ と直線 $y=cx+d$ の交点の x 座標を $\alpha,\beta$ とする( $\alpha \lt \beta$ )。このとき、この放物線と直線で囲まれる部分の面積は、次で計算できる。\[ \frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3 \]

証明はすぐ後でやりますが、これの威力を見ておきましょう。これを使えば、\[ \frac{2}{6}\times\{3-(-1)\}^3=\frac{64}{3} \]と求めることができます。あっさりしすぎていますが、これで答えが求められます。すごい威力ですね。

放物線と直線で囲まれた部分の面積が簡単に求められる理由

さて、放物線と直線で囲まれた部分の面積が、なぜこんなに簡単に求められるかを見ていきましょう。といっても、積分を計算するだけです。

$a\gt 0$ のときを考えましょう。このとき、放物線は下に凸です。なので、放物線と直線で囲まれている部分は、直線が上になっています。そのため、囲まれている部分の面積は、次の積分を計算した答えとなります。\[ \int_{\alpha}^{\beta} \{ (cx+d)-(ax^2+bx+c) \} dx \]なお、交点の x 座標が $\alpha, \beta$ であることから、この波カッコの中は\[ -a(x-\alpha)(x-\beta) \]と書くこともできます。この形にして計算していきます。
\begin{eqnarray}
& &
\int_{\alpha}^{\beta} \{ (cx+d)-(ax^2+bx+c) \} dx \\[5pt] &=&
-a\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx \\[5pt] &=&
-a\int_{\alpha}^{\beta} \{ x^2 -(\alpha+\beta)x +\alpha\beta \} dx \\[5pt] &=&
-a \left[ \frac{1}{3}x^3 -\frac{\alpha+\beta}{2}x^2 +\alpha\beta x \right]_{\alpha}^{\beta} \\[5pt] &=&
-a \left\{ \frac{1}{3}\beta^3 -\frac{\alpha+\beta}{2}\beta^2 +\alpha\beta\cdot \beta \right\} \\[5pt] & &
\ +a \left\{ \frac{1}{3}\alpha^3 -\frac{\alpha+\beta}{2}\alpha^2 +\alpha\beta\cdot \alpha \right\} \\[5pt] &=&
-a\times \frac{-\beta^3+3\alpha\beta^2}{6} +a\times \frac{-\alpha^3+3\alpha^2\beta}{6} \\[5pt] &=&
a\times \frac{\beta^3-3\alpha\beta^2+3\alpha^2\beta-\alpha^3}{6} \\[5pt] &=&
\frac{a}{6}(\beta-\alpha)^3 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

また、 $a\lt 0$ のときは、囲まれた部分では放物線の方が上なので\[ \int_{\alpha}^{\beta} \{ (ax^2+bx+c)-(cx+d) \} dx \]を計算すればよく、これは\[ a\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx \]を計算することと同じになります。よって、先ほどの答えにマイナスをつけたものが答えになります。つまり、積分の結果は\[ -\frac{a}{6}(\beta-\alpha)^3 \]となります。

2つの場合をまとめると、放物線と直線で囲まれた部分の面積は\[ \frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3 \]で得られることがわかります。

この式を使うでの注意点がいくつかあります。まず、 $\dfrac{1}{6}$ や $|a|$ を掛けることを忘れやすいということです。特に、 $|a|$ は忘れやすいです。また、この式は、「放物線と直線で囲まれた部分の面積」を求めるためのものです。「囲まれた部分の一部だけ」などの場合は、積分を計算するしかありません。囲まれた部分全体が対象となっていることに注意しましょう。

おわりに

ここでは、放物線と直線で囲まれた部分の面積を簡単に求める方法を見ました。結果はすごくシンプルで、計算するだけで成り立つこともわかります。ただ、計算が少し煩雑なので教科書には載っていないこともあります。理系の範囲まで進めば、計算はもう少しスッキリできますが、地道に計算しても上のようにして示すことができます。

参考書などでは、計算が早くなるテクニックとして紹介されていることも多いので、ここでも紹介しました。使うときは条件などに注意して使うようにしましょう。