【基本】恒等式

ここでは、恒等式について見ていきます。今後、等式の証明を行う上でも、基本的なものとなります。

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恒等式

あまり意識していなかったかもしれませんが、今までに出てきた等式(2つの式が「=」で結ばれたもの)には、2種類のものがありました。1つは、\[ (a+b)^2=a^2+2ab+b^2 \]のように、変数がどんな値でも成り立つものです。そして、もう1つが\[ x(x+2)=24 \]のように、変数が特定の値のときにしか成り立たないものです。

後者は「方程式」と名前が付いています。過去に、一次方程式や二次方程式が出てきました。一方、前者には、恒等式 (identity) という名前がついています。

今後、「この等式が成り立つことを証明しなさい」といった問題がよく出てきますが、それは「変数の値が、特定の値ではなく、どんな値であっても成り立つことを示す」ということです。つまり、恒等式を扱っている、ということです。

どのようなものが恒等式か

「恒等式」という難しそうな名前がついていますが、中身はそれほど難しくはありません。というのも、知らないうちに、今までたくさんの恒等式を扱ってきているからです。

例えば、展開・因数分解の公式は、すべて恒等式です。\[ a^3-b^3 = (a-b)(a^2++ab+b^2) \]は展開・因数分解で出てきた公式ですが、これは a, b がどんな値であっても成り立ちます。なので、恒等式です。

また、三角比では、次のような公式も出てきました。\[ \sin^2\theta + \cos^2\theta = 1 \]これも、 $\theta$ の値は何でもいいので、恒等式です。

もっというと、通常の式変形による等式は、恒等式です。変数がどんな値でも成り立つから、その式変形ができるわけですからね。特別な値でしか成り立たない変形は、正しい式変形ではありません。

おわりに

ここでは、恒等式について見てきました。今まで扱ってきた、式変形の多くは恒等式だったんですね。名前からは難しそうな印象を受けますが、難しく考えないようにしましょう。