なかけんの数学ノート

【基本】条件付き確率と積の法則

ここでは、【基本】条件付き確率で見た内容を使って、確率での積の法則を見ていきます。「法則」とついていますが、難しい話ではなく、自然に使える人もいると思います。

[広告]

条件付き確率の復習

例題1
3個の赤球と7個の白球を1つの袋に入れ、この袋から1個ずつ球を取り出していく。
1回目に取り出した球が白球であるとき、2回目に取り出した球が赤球である確率を求めなさい。

1回目が白球なら、2回目に取り出す直前は「3個の赤球と6個の白球」となっているので、2回目が赤球となる確率は $\dfrac{3}{9}=\dfrac{1}{3}$ となります。

もちろん、これで終わりでもいいのですが、これを【基本】条件付き確率で見た「条件付き確率」だと思って、考え直してみましょう。

球をすべて区別します。球を2回取り出す方法は $10\times 9=90$ 通りあります。このうち、1回目に取り出した球が白であるケースは $7\times 9=63$ 通りです。また、1回目が白で2回目が赤となるケースは、 $7\times 3=21$ 通りです。

よって、「1回目に取り出した球が白球であるとき、2回目に取り出した球が赤球である確率」は\[ \frac{7\times 3}{7\times 9} = \frac{1}{3} \]となります。

「1回目に取り出した球が白球」という条件が付いているので、分母は90ではなく63となるんですね。

条件付き確率と積の法則

上で見たように、条件付き確率は、次のように求めます。\[ P_A(B) = \frac{n(A\cap B)}{n(A)} \]右辺は「AB が起こる場合の数」を「A が起こる場合の数」で割ったものです。

ところで、この右辺の分母・分子を、「すべての場合の数」で割ってみましょう。そうすると、右辺の分母・分子は、場合の数ではなく、確率を表すようになります。よって、上の式は、次のようにも書けます。\[ P_A(B) = \frac{P(A\cap B)}{P(A)} \]さらに、両辺に $P(A)$ を掛けると、次が得られます。\[ P(A\cap B) = P(A)P_A(B) \]これを、確率の積の法則(product law) や乗法法則といいます。

積の法則(確率)
2つの事象 A, B がともに起こる確率 $P(A\cap B)$ は、次で求められる。\[ P(A\cap B) = P(A)P_A(B) \]

積の法則を使った例題

新しいことを学んだ気がしますが、よく考えると、先ほど見た積の法則はとても自然な式です。例えば、冒頭の例題に関連して、次の例題を考えてみましょう。

例題2
3個の赤球と7個の白球を1つの袋に入れ、この袋から1個ずつ球を取り出していく。このとき、2回目に取り出した球が赤球である確率を求めなさい。

1回目が赤のときと白のときに分けて、後でそれらを足せばいいですね。確率の和の法則です(これも、名前がついていますが、自然なことです)。

1回目が赤で2回目も赤となる確率を、上の法則を使って考えてみましょう。まず、1回目が赤となる確率は、 $\dfrac{3}{10}$ です。次に、「1回目が赤のとき、2回目も赤となる確率」を考えましょう。細かいですが、これは条件付き確率なんですね。冒頭の例題と同じように考えると、 $\dfrac{2}{9}$ であることがわかります。よって、「1回目が赤で2回目も赤となる確率」は\[ \frac{3}{10} \times \frac{2}{9}=\frac{6}{90} \]となります。ここで、積の法則を使っています。

同様に、1回目が白で2回目が赤となる確率は\[ \frac{7}{10} \times \frac{3}{9}=\frac{21}{90} \]となります。左辺の2つ目の分数が、冒頭の例題で求めたものですね。

以上から、2回目が赤となる確率は、\[ \frac{6}{90} + \frac{21}{90}=\frac{3}{10} \]となります。

このように、確率での積の法則は、 A, B がともに起こる確率を求めるときに、条件付き確率が求めやすい場面で使われます。

[広告]

場合の数での積の法則と確率での積の法則

今まで、 $P(A\cap B)$ を求めるためには、 $\dfrac{n(A\cap B)}{n(U)}$ を計算していました。先ほどの例題の途中で求めた「1回目が赤で2回目が赤の確率」でいうと、分母は「2つの球の取り出し方の総数: $10\times 9$ 通り」で、分子は「2つとも赤球を取り出す場合の数: $3\times 2$ 通り」でした。ここで使っているのは、場合の数での積の法則です。

これを、次のように2つに確率の積に分解にしたものが、確率での積の法則です。
\begin{eqnarray}
\frac{n(A\cap B)}{n(U)}
&=&
\frac{n(A)}{n(U)} \times \frac{n(A\cap B)}{n(A)} \\[5pt]
&=&
P(A) \times P_A(B) \\[5pt]
\end{eqnarray}先ほどの例題では、これを使っていました。

厳密にいうと考え方や式は違いますが、普段問題を解くときには違いを意識しなくても構いません。確率の問題なら確率の積の法則を使うことが多いですが、どちらでも好きな方で解くことができます。

おわりに

ここでは、確率での積の法則について見てきました。中身がわかれば自然に使えるものなので、問題を通じてマスターしていきましょう。

[広告]
対象者: 数学A
分野: 場合の数と確率
トピック: 確率
レベル: 基本
キーワード: 条件付確率, 球を取り出す, 確率
更新日:2017/03/26