【基本】符号のついた数
ここでは、プラスやマイナスといった符号や、符号のついた数について見ていきます。
正の符号と負の符号(プラスとマイナス)
【導入】気温と負の数で見たように、気温を表す場合には、基準の0℃より高い気温だけでなく、0℃より低い気温も表したいことがあります。下の画像は温度計の画像ですが、0℃より低い気温にも目盛りがついていますね(次の画像は広告なのでクリックしなくてもいいです)。
0℃より低いところには、数字の前に「-」がついています。
数学の世界では、基準の $0$ よりも小さな数を、「-」という記号を使って表します。例えば、 $-3$ や $-11.1$ のように書きます。「-」は、「マイナス」と読み、 $-3$ は、「マイナス3」と読みます。この「-」は、引き算のときに使っているものと同じ記号です。
逆に、基準の $0$ よりも大きいことを、はっきりと表すために、「+」という記号を使って、 $+5$ や $+\dfrac{1}{2}$ のように書きます(文脈から明らかなときは、「+」を省略します)。この「+」は、足し算のときに使っているものと同じ記号です。「+」は、「プラス」と読みます。
「+」は、正の符号といいます。「-」は、負の符号といいます。
「+」「-」という記号は、例えば、次のようなテレビのリモコンで見つけることもあるでしょう(次の画像は広告なのでクリックしなくてもいいです)。
このリモコンでは、「+」を押すと、今よりも音量が大きくなり、「-」を押すと、音量が小さくなります。今を基準にして、「+」が大きい、「-」が小さいを表します。
エアコンのリモコンにも、「+」「-」のボタンがあるかもしれません。この場合は、今の温度を基準にして、高くしたい場合は「+」を、低くしたい場合は「-」を押せばいいですね。
「+」「-」は身の回りのいろいろなところで使われています。
正の数と負の数
「+」や「-」の記号と数字を組み合わせて、基準より大きい数・小さい数を表すことができます。
例えば、 $+1$ と書くと、基準の $0$ よりも、 $1$ 大きな数を表します。このような、 $0$ より大きい数のことを正の数(positive number) といいます。 $+0.5$ や $+\dfrac{3}{4}$ も正の数です。
先ほども書きましたが、文脈から明らかなときは、「+」を省略します。例えば、 $+1$ は $1$ と書くこともある、ということです。どちらも、 $0$ より $1$ 大きな数を表しています。前者は見慣れないと思いますが、後者は、小学校の算数でよく見た形ですね。
一方、 $-1$ と書くと、基準の $0$ よりも、 $1$ 小さな数を表します。このような、 $0$ より小さい数のことを負の数(negative number) といいます。 $-0.5$ や $-\dfrac{3}{4}$ も負の数です。なお、「-」の記号を省略することはできません。
$0$ は、正の数でも負の数でもありません。 $0$ は特別扱いです。
今後、数といえば、正の数や $0$ だけでなく、負の数も対象にします。ここが小学校の算数と中学校以降の数学で大きく違うところです。
小学校の算数では、 $1,2,3,\cdots$ という数を整数と呼んでいましたが、正の数と負の数を学んだ後は、正の整数と呼ぶことになります。正の整数があるのだから、負の整数もあります。 $-1,-2,-3,\cdots$ を、負の整数といいます。
また、正の整数には、自然数(natural number) という名前がついています。
また、正の整数のことを、自然数ともいう。
正の数・負の数を使って表そう
基準よりも、大きい・小さい、高い・低い、多い・少ない、といった量を、正の数・負の数を使って表すことができます。
例えば、0℃よりも5℃高い温度は、 $+5$ ℃と表すことができます。5℃低い温度は、 $-5$ ℃と表すことができます。
今日の気温を基準にして、明日の温度が3℃上がる予想なら、 $+3$ ℃と表せます。2.5℃下がる予想なら、 $-2.5$ ℃と表せます。
今の財布の中の残高を基準にしたとき、3000円のお小遣いをもらえば、 $+3000$ 円となります。お小遣いをもらう前に500円使ったとすると、 $-500$ 円となります。
Aさんの体重は去年から1.5kg増えたので、 $+1.5$ kgと表せます。Bさんは0.2kg減ったので、 $-0.2$ kgと表せます。これらが答えです。
おわりに
ここでは、正の符号と負の符号、正の数と負の数について見てきました。また、基準との違いを、正の数や負の数で表すことも見てきました。今後は、ここで初めて出てきた負の数について、性質や計算方法などを見ていくことになります。