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【基本】文字を使った式と代入

ここでは、文字を使った式の中で、文字を数に置き換える「代入」について見ていきます。

📘 目次

文字を使った式と代入

【基本】文字を使った式で表そうでは、マッチ棒を使って正方形を作る問題を見ました。正方形を $x$ 個作るには、マッチ棒が $(1+3x)$ 本がいるのでした。

この式を使えば、正方形を10個作るには $1+3\times 10=31$ 本必要だとわかり、20個作るには $1+3\times 20=61$ 本必要だとわかります。 $x$ は、数字の代わりに使っているものなので、 $x$ の部分を数字に置き換えることができます。

このように、式の中の文字を数に置き換えることを、代入(substitution) するといいます。先ほどの例でいうと、「 $1+3x$ に、 $x=10$ を代入すると、 $31$ となる」となります。代入して計算した結果を、式の値といいます。

式の値を求める(正の値を代入)

$x=3$ のときに、いくつかの式の値を計算してみましょう。

$x+2$ の値は、 $x$ を $3$ に置き換えて\[ x+2=3+2=5 \]と計算します。

$5x-8$ の値は、\[ 5x+8=5\times3-8=7 \]となります。 $5x$ は $5$ と $x$ との積なので、代入した後は、 $5$ と $3$ との積を計算することになります。 $5x$ を $53$ にするわけではありません。

$3+\dfrac{1}{2}x$ の値は、\[ 3+\frac{1}{2}x=3+\frac{1}{2}\times3=3+\frac{3}{2}=\frac{9}{2} \]となります。 $\dfrac{1}{2}x$ に代入した後は、 $\dfrac{1}{2}$ と $3$ との積を計算することになります。

正の値を代入する場合は、それほど難しくはないでしょう。

式の値を求める(負の数や累乗)

今度は、 $a=-5$ のときに、いくつかの式の値を計算してみましょう。

まず、 $-a$ の値を考えてみます。 $a$ を $-5$ で置き換えて\[ -a=-(-5)=5 \]となります。符号を2つ続けて書かないので、 $-5$ はカッコでくくって置き換えます。 $-a$ は、 $-1$ と $a$ との積と考えると、値が $5$ となることがわかると思います。

$-a$ という式の見た目から、負の数を表しているように感じるかもしれません。しかし、先ほどの結果が $-a=5$ となることからもわかる通り、式のマイナスがついていても、式の値がプラスになることもあります。マイナスの符号がついているからといって、つねに負の数を表すとは限りません。

$3+\dfrac{1}{2}a$ の値は、\[ 3+\frac{1}{2}a=3+\frac{1}{2}\times(-5)=3-\frac{5}{2}=\frac{1}{2} \]となります。 $\dfrac{1}{2}a$ に代入した後は、 $\dfrac{1}{2}$ と $-5$ との積を計算することになります。

最後に、 $a^2$ の値を考えてみましょう。これは、 $a$ を2回掛ける、という式なので、次のように値を求めます。\[ a^2=(-5)^2=25 \]注意が必要なのは、ここでも $-5$ をカッコでくくっている点です。もし $-5^2$ というようにしてしまうと、 $-25$ となり、結果が変わってしまいます。(参考:【基本】正負の数の累乗

負の数を代入するときには、カッコでくくって計算しましょう。

例題

ここまでの内容を用いて、いろいろな式の値を計算してみましょう。

例題
$x=2$, $y=-3$, $z=-\dfrac{1}{3}$ のとき、次の式の値を求めましょう。
(1) $3x-2y$
(2) $\dfrac{x+y}{2}-z$
(3) $-x^2+y^2$

(1)の $3x-2y$ は、 $x$ を $2$ に、 $y$ を $(-3)$ に置き換えて
\begin{eqnarray} & & 3x-2y \\[5pt] &=& 3\times 2-2\times(-3) \\[5pt] &=& 6+6 \\[5pt] &=& 12 \end{eqnarray}と求められます。

(2)は次のように計算します。
\begin{eqnarray} & & \dfrac{x+y}{2}-z \\[5pt] &=& \dfrac{2+(-3)}{2}-\left(-\dfrac{1}{3}\right) \\[5pt] &=& \dfrac{-1}{2}+\dfrac{1}{3} \\[5pt] &=& \dfrac{-3+2}{6} \\[5pt] &=& -\dfrac{1}{6} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

(3)は、次のように計算します。カッコがついている位置に注意しましょう。
\begin{eqnarray} & & -x^2+y^2 \\[5pt] &=& -2^2+(-3)^2 \\[5pt] &=& -4+9 \\[5pt] &=& 5 \end{eqnarray}となります。 $-x^2$ は、 $x$ を2回掛けたものにマイナスをつけたものです。なので、代入後は、 $2^2$ にマイナスをつけて、 $-2^2=-4$ となります。一方、 $+y^2$ は、 $y$ を2回掛けたものにプラスをつけたものです。なので、代入後は、 $+(-3)^2$ となります。 $-3^2$ ではないので、注意しましょう。

おわりに

ここでは、文字を使った式に対して、文字に数を代入し、式の値を計算する方法を見てきました。負の数を代入するときに計算間違いをしやすいので、カッコをつけて代入することを忘れないようにしましょう。

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