24時間で数学I・数学Aに入門チャレンジ

ここでは、24時間で数学I・数学Aに入門するチャレンジ方法を見ていきます。

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この記事の背景やこの記事の前提など

僕は家庭教師をしているのですが、合計24時間で数学I・数学Aに関する基本的な事項を教えることはできるか、というのにチャレンジしてみました。その際、オリジナルのプリントを作ったので、そのプリントを公開することがこの記事の主目的です。他の人にも役立つんじゃないかと思います。

さらに細かい背景をいうと、中3までの範囲を一通り学んだ子に対して、春休みに行った内容がベースとなっています。夏に数学検定準2級(高校1年程度)に受かるのを目標としています。ここでの内容はあくまで入門なので、定期テストレベル・入試レベルには全然届いていません。また、数学検定であまり触れられない内容(命題や空間図形)はごっそり落ちています。

前提として、中学数学はわかっているものとします。特に、中学3年生の内容が分かっていない人は、まずはそっちをさきにしないと厳しいです。数学I・数学Aの大部分は、中学3年の内容と関連があるからです。

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進め方

基本的な進め方は、
 予習用プリントを解く
 ⇒授業で解説しつつ新しいことを説明
 ⇒プリントを解く
 ⇒授業…
の繰り返しです。プリントは、以下のGoogle Driveのページで公開しています。すべてPDFファイルで、問題・解答が6ファイルずつあります(解説は授業中にするので、基本的に、解答に解説はありません)。

 プリント:201803_数学1A予習

プリント・授業がそれぞれ2時間ずつだとすると、合計24時間になります。ただ、プリントは2時間もかからないんじゃないか、と思います。

各プリントの内容と授業の内容は以下の通りです。自分で気づける内容、試行錯誤をしてできそうな内容、定理の証明に使用する性質などをプリントで扱うようにし、授業では、新しい概念、説明が必要な問題を中心に扱うようにしています。一つの分野を集中してやるのではなく、たくさんの分野を少しずつやるようにしています。

  • 第1回プリント
    • 数と式(予):展開(3乗とか)、因数分解(置き換えとか)
    • 二次関数(予):二次関数のグラフ(平行移動)
    • 場合の数(予):樹形図、順列、円順列
    • 数と式(予):集合(定義、和集合、共通部分)、要素の個数
    • 図形(予):円に内接する四角形の内角の和は180度
  • 第1回授業
    • 数と式:因数分解(たすき掛け)
    • 二次関数:二次関数のグラフ(平行移動)
    • 三角比:鋭角の三角比
    • 図形:円に内接する四角形、方べきの定理、接弦定理
  • 第2回プリント
    • 数と式(復):因数分解(たすき掛け)
    • 数と式(予):実数(通分有理化、二重根号、循環小数)
    • 二次関数(復):二次関数のグラフ・最大最小(平方完成はやらない)
    • 二次関数(予):平方完成
    • 三角比(復):鋭角の三角比
    • 三角比(予):鈍角の三角比(単位円)
    • 場合の数(予):組合せ
    • 図形(予):チェバ
    • 整数(予):余り
  • 第2回授業
    • 数と式:実数(有理化、二重根号、循環小数)
    • 二次関数:平方完成、二次関数のグラフ、最大・最小
    • 三角比:鈍角の三角比
    • 場合の数:順列と組合せ
  • 第3回プリント
    • 数と式(復):実数(有理化、二重根号、循環小数)
    • 数と式(予):一次不等式
    • 二次関数(復):平方完成、二次関数のグラフ、最大・最小
    • 三角比(復):鈍角の三角比
    • 三角比(予):相互関係(三角比の値の復習もかねる)
    • 場合の数(復):P, C, !
    • 図形(予):メネラウス
    • 整数(予):倍数
  • 第3回授業
    • 数と式:一次不等式
    • 二次関数:判別式、二次方程式
    • 三角比:相互関係
    • 図形:三角形
  • 第4回プリント
    • 数と式(復):一次不等式
    • 数と式(予):絶対値
    • 二次関数(復):全般
    • 三角比(復):相互関係
    • 三角比(予):正弦定理
    • 場合の数(復):全般
    • 確率(予):確率
    • 整数(予):倍数
    • 図形(予):三角形
  • 第4回授業
    • 数と式:絶対値
    • 二次関数:全般
    • 三角比:正弦定理
  • 第5回プリント
    • 数と式(復):全般
    • 二次関数(予):二次不等式
    • 三角比(復):正弦定理
    • 三角比(予):余弦定理
    • 確率(復):確率
    • データ(予):分散・相関
    • 整数(予):互除法
  • 第5回授業
    • 二次関数:二次不等式
    • 三角比:余弦定理
    • 整数:互除法
    • データ:分散・相関
  • 第6回プリント
    • 数と式(復):全般
    • 二次関数(復):全般
    • 三角比(復):余弦定理
    • データ(復):分散・相関
    • 場合の数(予):組分け
    • 確率(予):条件付き確率、反復試行
    • 整数(復):互除法
    • 整数(予):n進法
  • 第6回授業
    • 二次関数:二次不等式
    • 三角比:正弦定理・余弦定理
    • 整数:n進法
    • 確率:条件付き確率、反復試行
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授業で使用した内容

授業では、一応、このテキストを使用していました。

これを選んだ理由は、数学Iと数学Aが1冊になっている点、中学の復習も載っている点、1回分が見開き2ページで収まっている点、いい感じで内容が端折られている点です。授業では、さらに端折っています。

ただ、使ってみて思ったのは、左のページ(左上がまとめ、左下が穴埋め問題)から、応用問題のある右ページへのギャップが大きい個所が多く、一人でやるのは(特に未学習の状態で学ぶのは)難しいんじゃないかと思います。授業でも、右側のページは使わない箇所も多かったです。学校で一度学んだことがあるなら、問題ないかもしれません。

このサイトでは高校数学の解説記事を載せていますが、そちらを参考にしてもいいと思います(宣伝です)。下のリンク先の、「導入」「基本」だけを読む(時々「標準」も)、という方法でもいいんじゃないかと思います。記事がそろってない分野もありますけど、ご参考まで。

数学I:数と式集合と命題二次関数図形と計量(三角比)、データの分析

数学A:場合の数と確率整数の性質図形の性質

出題意図

各プリントの出題意図を、いくつか説明します。

【第1回プリント】
数と式では、1つ目の展開の問題を使い、「これを逆に因数分解することを高校で学ぶ」と切り出して、たすきがけの説明につなげることを狙いました。また、展開して「3乗足す3乗」の結果になる問題を使い、「2乗引く2乗」とは違うタイプの公式があることも紹介しました。

二次関数では、二次関数のグラフが $y=ax^2$ を平行移動して得られる、ということを印象付ける内容にしました。

場合の数では、まず「樹形図をかく」という原則を教える構成にしています。また、「ダブっているものを後で割る」という数え方を学ぶために、円順列を使った問題を出しています。

【第2回プリント】
数と式では、 $\dfrac{1}{\sqrt{3}-1}$ の有理化を学ぶ前に、 $\dfrac{1}{\sqrt{3}+1}$ との和を計算することで、自然と有理化ができる事例を見てもらう構成にしています。循環小数では、分数で表す方法を導く構成にしています。二重根号も、「二乗してこの数になるもの」という考えを理解してもらう構成にしています。

二次関数では、平方完成をすることで、最大・最小を求めることができるようになる、ということを印象付ける構成にしています。

三角比では、鋭角の三角比から鈍角の三角比へ拡張するために、単位円を使う発想を理解してもらう問題にしています。

場合の数では、「ダブっているものを後で割る」という数え方を学ぶために、組合せの問題を出しています。

整数の性質では、大きすぎる数の余りを求める問題を通じ、直接計算できなくても余りが求められることを学ぶ構成にしています。また、「互いに素」という概念の重要性の理解を促すことも兼ねています。

【第3回プリント】
数と式では、一次方程式を解く際、負の数を掛けることによって不等号の向きが変わることを、日常的なものを使って考えられる構成にしています。

三角比では、相互関係を学ぶ前に、具体的な計算を通じて、関係性に気づく構成にしています。

場合の数では、何に注目して数えるかによって、いろいろな見方ができることに気づける構成にしています。

整数の性質では、整数問題において因数分解を使うことで、積の性質が使えるようになる、ということの重要性を理解してもらう構成にしています。

【第4回プリント】
三角比では、正弦定理の証明に使う重要な性質を、事前に理解しておくための問題にしています。

場合の数では、最短経路の数を数えるときに、組合せの考え方が応用できることに気づける構成にしています。

図形では、今まで見た内容により、(一部分ではあるが)もうセンター試験に届くレベルに達している、と実感できる内容にしています。

【第5回】
三角比では、余弦定理での証明の流れを、具体的な数字を使って示すことで、一般的な証明の理解を助けることを狙っています。

確率では、間違いやすい問題に対し、他人の誤答を批判的に見ることで、理解を深めることを狙っています。

整数では、素数ゼミという変わった題材を使うことで印象付けつつ、不定一次方程式の一連の流れを細かなステップで考えていける構成にしています。

【第6回】
三角比では、一般的な場合(鋭角の場合に限っていますが)に、段階的に余弦定理の証明を示し、理解を深めることを狙っています。

場合の数では、間違いやすい問題に対し、他人の誤答を批判的に見ることで、組分けの数え方の理解を深めることを狙っています。

確率では、わかりづらい条件付き確率(原因の確率)の問題を、身近な話題を使って考えやすくなるようにしています。また、反復試行では、細かなステップに分けて解答を導けるようにし、なぜ反復試行の確率の計算で組合せが出てくるかが理解しやすくなるようにしています。

整数の性質では、n進法により、左の位に移動することがn倍になることと同じである、ということに気づかせることで、n進法に関する理解を深めることを狙っています。

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チャレンジ結果

家庭教師として上の内容を試した結果ですが、厳しい個所はあったものの、大まかな内容は理解できるようになったと思います。

出題意図は上で書いた通りですが、実際には意図した通りの解答にならないことも多かったです。僕の出題の仕方がいまいちだったというのもありますが、新しいものを学んだ直後なのでしかたない部分もあると思います。

特に、反応が悪かったもの・難しそうだったものは、二次関数の平方完成、三角比の正弦定理・余弦定理、不定一次方程式でした。ある程度予想していた内容ではありました。今後、演習を重ねて内容の定着を行っていくことになります。

数学II・数学Bは、さすがに同じ時間では入門すら終わりそうにないですが、数学I・数学Aなら24時間で入門くらいはいけるんじゃないでしょうか。