共通テスト 数学I・数学A 2018年度プレテスト 第4問 解説

【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

解答編

問題

 $\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ }}\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ }}$ある物体 X の質量を天秤ばかりと分銅を用いて量りたい。天秤ばかりは支点の両側に皿 A、B が取り付けられており、両側の皿にのせたものの質量が等しいときに釣り合うように作られている。分銅は 3g のものと 8g のものを何個でも使うことができ、天秤ばかりの皿の上には分銅を何個でものせることができるものとする。以下では、物体 X の質量を $M$ (g)とし、 $M$ は自然数であるとする。

(1) 天秤ばかりの皿 A に物体 X をのせ、皿 B に 3g の分銅 3 個をのせたところ、天秤ばかりは B の側に傾いた。さらに、皿 A に 8g の分銅 1個をのせたところ、天秤ばかりは A の側に傾き、皿 B に 3g の分銅 2 個をのせると天秤ばかりは釣り合った。このとき、皿A、B にのせているものの質量を比較すると\[ M+8\times\myBox{ア} = 3\times\myBox{イ} \]が成り立ち、 $M=\myBox{ウ}$ である。上の式は\[ 3\times\mybox{イ}+8\times\left(-\mybox{ア} \right)=M \]と変形することができ、 $x=\mybox{イ}$, $y=-\mybox{ア}$ は、方程式 $3x+8y=M$ の整数解の一つである。

解説

釣り合っているとき、皿 A には、物体 X と 8g の分銅が1個のっています。皿 B には、 3g の分銅が全部で5個のっているので、\[ M+8\times 1=3\times 5 \]が成り立ちます。これを解けば、\[ M=15-8=7 \]となります。

問題文の後半の文章は、この天秤の問題を、不定一次方程式の整数解の問題としてとらえることができる、ということが書かれています。

解答

アイ:15
ウ:7

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問題

(2) $M=1$ のとき、皿 A に物体 X と 8g の分銅 $\myBox{エ}$ 個をのせ、皿 B に 3g の分銅 3 個をのせると釣り合う。

 よって、 $M$ がどのような自然数であっても、皿 A に物体 X と 8g の分銅 $\myBox{オ}$ 個をのせ、皿 B に 3g の分銅 $\myBox{カ}$ 個をのせることで釣り合うことになる。 $\myBox{オ}$, $\myBox{カ}$ に当てはまるものを、次の 0~5 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを選んでもよい。

 0: $M-1$
 1: $M$
 2: $M+1$

 3: $M+3$
 4: $3M$
 5: $5M$

解説

皿 Bに 3g の分銅を3個のせて釣り合うということは、皿 A は 9g のっているので、 $M=1$ なら、皿 A にのっている 8g の分銅の個数は 1個です。

$1+8\times 1=3\times 3$ が成り立つので、両辺を $M$ 倍すると、\[ M+8\times M=3\times 3M \]が成り立ちます。これは、皿 A に物体 X と 8g の分銅を $M$ 個とを、皿 B に 3g の分銅 $3M$ 個をのせたときに、天秤が釣り合うことを意味しています。 $M,3M$ 両方とも選択肢にあるので、これが答えです。

あまりよくない考え方ですが、答えだけを選ぶのであれば、 $M=1$ を代入してみて、1個と3個になるものを選べば、それが答えになってしまいます。

解答

エ:1
オカ:14

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問題

(3) $M=20$ のとき、皿 A に物体 X と 3g の分銅 $p$ 個を、皿 B に 8g の分銅 $q$ 個をのせたところ、天秤ばかりが釣り合ったとする。このような自然数の組 $(p,q)$ のうちで、$p$ の値が最小であるものは $p=\myBox{キ}$, $q=\myBox{ク}$ であり、方程式 $3x+8y=20$ のすべての整数解は、整数 $n$ を用いて
\begin{eqnarray}
x &=& \myBox{ケコ}+\myBox{サ}n \\[5pt] y &=& \mybox{ク}-\myBox{シ}n \\[5pt] \end{eqnarray}と表すことができる。

解説

天秤が釣り合っている状態を式で表すと\[ 20+3p=8q \]となります。今回は、皿 A には、 8g ではなくて 3g の分銅をのせていることに注意しましょう。

この式を変形すると、\[ p=\frac{8q-20}{3} \]となります。 $p$ が自然数となるように、 $q$ に小さい方から順番に自然数を代入していくと、 $q=4$ のとき、 $p=4$ となります。よって、 $p$ の値が最小となる $(p,q)$ の組は、 $(4,4)$ であることがわかります。

次に、 $3x+8y=20$ のすべての整数解について考えてみましょう。(1)の後半で見た式と照らし合わせながら考えると、先ほど求めた答えを使えば\[ 3\times (-4)+8\times 4=20 \]が成り立つことがわかります。これを $3x+8y=20$ から辺々引くと
\begin{eqnarray}
3(x+4)+8(y-4) &=& 0 \\[5pt] 3(x+4) &=& -8(y-4) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。3と8は互いに素なので、 $x+4$ は8の倍数です。よって、整数 $n$ を用いて、 $x+4=8n$ と書けます。つまり、 $x=-4+8n$ です。これを先ほどの式に代入すると
\begin{eqnarray}
24n &=& -8(y-4) \\[5pt] y &=& 4-3n
\end{eqnarray}となります。解答欄との形式と合っているので、これが答えです。

解答

キク:44
ケコサシ:-483

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問題

(4) $M=\mybox{ウ}$ とする。3g と 8g の分銅を、他の質量の分銅の組み合わせに変えると、分銅をどのようにのせても天秤ばかりが釣り合わない場合がある。この場合の分銅の質量の組み合わせを、次の 0~3 のうちからすべて選べ。ただし、2種類の分銅は、皿 A、皿 B のいずれにも何個でものせることができるものとする。 $\myBox{ス}$

 0: 3g と 14g
 1: 3g と 21g
 2: 8g と 14g
 3: 8g と 21g

解説

3g,8g の分銅を、それぞれ、 $x,y$ 個使うとしましょう。(1)の後半で見たように、分銅ののせ方を考えるのは、 $3x+8y=7$ の整数解を考えることに関連しているのでした。このことを利用して考えていきましょう。

軽い方の分銅を $x$ 個、重い方の分銅を $y$ 個使うとしましょう。物体 X と同じ皿に置くなら異符号、違う更に置くなら同符号だと考えて、整数解を考えることにします。

$3x+14y=7$ となるときがあるか、考えてみましょう。(2)で見たように、 $M=1$ となる、つまり、 $3x+14y=1$ となるのせ方があるかどうかを考えればよく、 $x=5,y=-1$ とすればいいですね。なので、 $x=35,y=-7$ とすればいいことがわかります。皿Aに、物体 X と 14g の分銅を7個、皿 B に 3g の分銅を35個置けば、たしかに釣り合います。

選択肢1は、 $3x+21y=7$ となることがあるか、ですね。こうなることはありません。なぜなら、左辺は3の倍数で、右辺は3の倍数ではないからです。 $x,y$ にどんな整数を入れても成り立ちません。

選択肢2も、 $8x+14y=7$ となることはありません。左辺は偶数で、右辺は奇数だからです。

選択肢3は、 $8x+21y=7$ となるときですが、これも(2)で見たように、 $8x+21y=1$ について考えてみましょう。順番に整数を代入して考えると、 $x=8,y=-3$ のときにこれを満たすことがわかります。よって、7倍した $x=56,y=-21$ が $8x+21y=7$ を満たすことがわかります。

ちなみに、分銅の重さが互いに素であれば、 7g を作り出すことは可能(他の重さでも、自然数なら可能)です。

さらに、ちなみにいつと、互いに素でなくても、7g を作り出すことはできます。例えば、14g と 21gの場合、互いに素ではないですが、7gを作り出すことは可能です。今回はそういう選択肢がないので問題ないですが、単純に「互いに素でないものをすべて選べばいい」と早合点しないようにしましょう。

解答

ス:1・2

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問題

(5) 皿 A には物体 X のみをのせ、3g と 8g の分銅は皿 B にしかのせられないとすると、天秤ばかりを釣り合わせることでは $M$ の値を量ることができない場合がある。このような自然数 $M$ の値は $\myBox{セ}$ 通りあり、そのうち 最も大きい値は $\myBox{ソタ}$ である。

解説

$x,y$ が0以上の整数の場合に、 $M=3x+8y$ で表すことができない自然数、ということですね。

例えば、 $M=1$ となることはありえません。 $M=2$ となることもありえないですね。小さすぎる値は、表すことができないんですね。こうした例を数えていく、ということです。小さい値には制約があるので、小さい値から順番に考えていきましょう。

$y=0$ の場合は、「0以上の3の倍数」をすべて表すことができます。 $y=1$ のときは、\[ 3x+8=3(x+2)+2 \]なので、「3で割ると2余る数のうち、8以上のもの」を表すことができます。 $y=2$ のときは、\[ 3x+16=3(x+5)+1 \]なので、「3で割ると1余る数のうち、16以上のもの」を表すことができます。そして、16以上の自然数は、この3種類のどれかに分類されます。

これらに含まれていない自然数を並べると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
& & 2,5, \\[5pt] & & 1,4,7,10,13
\end{eqnarray}1行目が、3で割ると2余るもの、2行目が1余るものです。 $y=0,1,2$ のときにはこれらを表すことができず、 $y\geqq 3$ のときにも、もちろん表すことができません。上に挙げたものは、どう頑張っても $3x+8y$ の形で表すことができません。

よって、 $3x+8y$ の形で表せない自然数は 7 通りで、最も大きい値は、13 です。

解答

セ:7
ソタ:13

解答編 つづき

問題

 ここで、 $M\gt\mybox{ソタ}$ であれば、天秤ばかりを釣り合わせることで $M$ の値を量ることができる理由を考えてみよう。 $x$ を 0 以上の整数とするとき、

 (i) $3x + 8 \times 0$ は 0 以上であって、3の倍数である。

 (ii) $3x + 8 \times 1$ は 8 以上であって、3 で割ると 2 余る整数である。

 (iii) $3x + 8 \times 2$ は 16 以上であって、3で割ると 1 余る整数である。

 $\mybox{ソタ}$ より大きな $M$ の値は、 (i)、(ii)、(iii) のいずれかに当てはまることから、0以上の整数 $x,y$ を用いて $M= 3x +8y$ と表すことができ、3g の 分銅 $x$ 個と 8g の分銅 $y$ 個を皿 B にのせることで $M$ の値を量ることができる。

 このような考え方で、0以上の整数 $x,y$ を用いて $3x + 2018y$ と表すことができないような自然数の最大値を求めると、 $\myBox{チツテト}$ である。

解説

同じように $3x+2018y$ で表せない自然数を考えてみましょう。

$y=0$ のときは、 $3x+2018y$ は3の倍数を表し、 $y=1$ のときは、「3で割ると2余る、2018以上の整数」を表し、 $y=2$ のときは、「3で割ると1余る、4036以上の整数」を表します。4036以上の整数は、このどれかに含まれます。

後は、大きい方から考えていきましょう。4035は、3の倍数なので、 $3x+2018y$ で表すことができます。4034は、「3で割ると2余る、2018以上の整数」なので、 $3x+2018y$ で表すことができます。しかし、 4033は、上の3つのどれにも当てはまりません。

よって、4033が $3x+2018y$ で表せない、最大の自然数となります。

解答

チツテト:4033