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【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフの頂点

【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフ(具体例)では、二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフのかき方を見ました。頂点を求めるために平方完成を行うんでしたね。その計算方法は、【標準】平方完成のやり方でも確認しました。

ここでは、一般的な場合で考えていきます。

📘 目次

二次関数 y=ax^2+bx+c のグラフの頂点の求め方

二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフをかくためには、まず頂点を求める必要がありました。つまり、 $y=a(x-p)^2+q$ の形に式変形をする必要がある、ということです。このような式変形を行うことを「平方完成する」というんでしたね。

【標準】平方完成のやり方では、具体的な数を含んだ式を変形していきましたが、ここでは文字のまま計算してみます。

まずは、 $x^2$ の係数でくくります。 $+bx$ まででいいんでしたね。
\begin{eqnarray} y &=& ax^2+bx+c \\ &=& a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right) +c \end{eqnarray}

次が難しいところですが、カッコの部分を考えましょう。【標準】平方完成のやり方でやったとおり、x の係数の半分を考えればいいんでしたね。次のように変形します。
\begin{eqnarray} y &=& a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right) +c \\ &=& a \left\{ x^2 +\frac{b}{a}x +\left( \frac{b}{2a} \right)^2 -\left( \frac{b}{2a} \right)^2 \right\} +c \\ &=& a \left\{\left( x +\frac{b}{2a} \right)^2 -\frac{b^2}{4a^2}\right\} +c \\ \end{eqnarray} 基本的には、今までに出てきたものと同じ計算をしているのですが、文字だけになるとさらに難易度が上がってしまいますね。ここで何がしたかったかというと、 $\displaystyle \left( x +\frac{b}{2a} \right)^2$ の部分を作りたかったんですね。これにより、x の一次の項が見かけ上消えるわけです。

あとは、定数項の部分を計算するだけです。さらに次のように続きます。
\begin{eqnarray} y &=& a \left\{\left( x +\frac{b}{2a} \right)^2 -\frac{b^2}{4a^2}\right\} +c \\ &=& a \left( x +\frac{b}{2a} \right)^2 -\frac{ab^2}{4a^2} +c \\ &=& a \left( x +\frac{b}{2a} \right)^2 -\frac{b^2-4ac}{4a} \\ \end{eqnarray}

この式変形から、次のことが分かります。

二次関数のグラフ
二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフは、頂点が $\displaystyle \left(-\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a}\right)$ で、 $y=ax^2$ のグラフを平行移動したものである。

これは覚えるものではありません。しかし、ここで行った式変形(平方完成のやり方)を理解して、自分でできるようになっておく必要はあります

頂点の座標からわかることですが、放物線の軸は $x=-\dfrac{b}{2a}$ となります。

このことから、二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフは、b, cがどんな実数であっても、 $y=ax^2$ と同じ形になることが分かります。 $y=ax^2$ のグラフを「放物線」といいましたが、 $y=ax^2+bx+c$ のグラフも放物線と呼びます。形が同じなので、同じ名前で呼ぶんですね。

「二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフ」のことを「放物線 $y=ax^2+bx+c$ 」と呼びます。また、 $y=ax^2+bx+c$ をこの放物線の方程式と呼びます。

おわりに

ここでは、二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフの頂点を、一般的な形で求める方法を見てきました。ここで行った平方完成は、やり方を理解して一人でできるようになっておきましょう。ここの計算は、二次関数の分野でつまづくポイントの1つです。

頂点の座標がわかれば、グラフをかくのは簡単です。頂点の座標をかき、放物線をかいて、x 軸や y 軸との交点をかけば終わりです。グラフをかくために、まず頂点を求めるための式変形が必要、というのが難しいですね。

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