なかけんの数学ノート

【標準】先に3勝する確率

サッカーのPK戦のように、「先に3勝した人・チームが優勝」というルールのゲームがあります。ここでは、そのようなゲームに関する確率を考えていきます。

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〇回目で勝負がつく確率

例題1
AさんとBさんが5回勝負のじゃんけんをし、先に3回勝った方を優勝者とする。このとき、5回目で勝負がつき、Aさんが優勝する確率を求めなさい。
ただし、じゃんけんで、Aさんが勝つ確率とBさんが勝つ確率は等しいとする。

じゃんけんを繰り返しているだけなので、これは反復試行です。【基本】反復試行の確率で見た内容を使うのですが、次のような間違った使い方をしてしまうことが多いです。

5回目で勝負がつくということは、5回じゃんけんをするということです。その中から、Aさんが勝つ3回を選んで、Aさんが3回勝ってBさんが2回勝つ確率をかけて\[ {}_5 \mathrm{ C }_3 \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 \times \left(\frac{1}{2}\right)^2 \]と求めてしまう。こういう間違いが多いんですね。この解き方の、どこが間違っているのでしょうか

実は、「5回じゃんけんをするうち、Aさんが勝つ3回を選ぶ」としたところが間違いなんですね。勝った人を並べたときに「AABBA」などとなればいいのですが、5回から3回を単純に選ぶだけだと、「AAABB」のような選び方も含まれてしまいます。この場合、5回じゃんけんをしているように見えますが、3回目で勝負がついてしまっています。これではいけません。

よく考えてみると、5回目のじゃんけんをするときというのは、4回目のじゃんけんが終わった時点で勝負がついていない、という状況でなければいけません。つまり、4回目の時点で「2勝2敗」となっている必要があります。これ以外の状況で、「5回目で勝負がつく」ということはありません。そして、5回目でAさんが勝つことによって、「5回目で勝負がつき、Aさんが優勝」となるんですね。

なので、「5回からAさんが勝つ3回を選ぶ」のではなく、「4回からAさんが勝つ2回を選ぶ」としなければいけません。その2回はAさんが勝ち、残った2回はBさんが勝ち、5回目でAさんが勝つ。こうしないと、問題にあった状況になりません。結果的に、求める確率は
\begin{eqnarray}
& &
{}_4 \mathrm{ C }_2 \times \left(\frac{1}{2}\right)^2 \times \left(\frac{1}{2}\right)^2 \times \frac{1}{2} \\[5pt]
&=&
6 \times \frac{1}{2^5} \\[5pt]
&=&
\frac{3}{16} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。

最後の1試合を別枠で考える必要があります。

先に3勝する確率

例題2
CさんとDさんが何度か試合をして、先に3回勝った方を優勝者とする。各試合でCさんが勝つ確率は $\dfrac{1}{3}$ で、引き分けはないとする。このとき、Cさんが優勝する確率を求めなさい。

「先に3回勝った方」ということは、3試合目で勝負がつくかもしれないし、4試合目かもしれないし、5試合目かもしれません。ただ、引き分けはないので、6試合目以降はありません。この3つのケースしかありません。

そして、この3つは同時に起こることはありません。なので、それぞれのケースで分けて考えて、最後に足せば答えが得られます。

まず、3試合目で勝負がつき、Cさんが優勝する確率を考えましょう。これは3回連続でCさんが勝つときなので、この確率は単純に $\dfrac{1}{3^3}=\dfrac{1}{27}$ と求められます。

次に、4試合目で勝負がついて、Cさんが優勝する確率です。これはさきほどの例題と同じように考えます。こうなるのは、「3試合目まででCが2回勝ち、4試合目でCが勝つとき」なので、確率は\[ {}_3 \mathrm{ C }_2 \times \left(\frac{1}{3}\right)^2 \times \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{27} \]となります。

最後の、5試合目で勝負がついて、Cさんが優勝する確率も同様に考えて、
\begin{eqnarray}
& &
{}_4 \mathrm{ C }_2 \times \left(\frac{1}{3}\right)^2 \times \left(\frac{2}{3}\right)^2 \times \frac{1}{3} \\[5pt]
&=&
6 \times \frac{4}{3^5} \\[5pt]
&=&
\frac{8}{81} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。

以上から、求める確率は\[ \dfrac{1}{27}+\dfrac{2}{27}+\dfrac{8}{81}=\frac{3+6+8}{81}=\frac{17}{81} \]となります。

おわりに

ここでは、「先に〇勝する確率」を考えました。単純に「〇勝する確率」を考えてはダメで、最後の1試合だけ別枠で考えることがポイントでした。間違いやすいので注意しましょう。

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対象者: 数学A
分野: 場合の数と確率
トピック: 確率
レベル: 標準
キーワード: 反復試行, 確率
更新日:2017/03/21