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【標準】二次関数の最大・最小(区間が広がる)

【標準】二次関数の最大・最小(上下に動く)では、放物線が上下に動くケースで、最大・最小を考えました。ここでは、定義域の範囲が広がったり狭まったりするときに、二次関数の最大値・最小値がどうなるかを考えていきます。場合分けが発生してくるので、このあたりから難易度が上がってきます。

📘 目次

例題

例題
$0\lt a \lt 3$ とする。関数 $y=x^2-2x+3 \ (0\leqq x \leqq a)$ について、次の問に答えなさい。
(1) この関数の最小値を求めなさい。
(2) この関数の最大値を求めなさい。

まずは、(1)を考えます。最大・最小の問題は、とにかくグラフをかかないと始まりません。そのため、頂点の座標を求めます。
\begin{eqnarray} y &=& x^2-2x+3 \\ &=& (x-1)^2+2 \\ \end{eqnarray}なので、頂点は $(1,2)$ となります。

今考えるのは、$0\leqq x \leqq a$ という範囲です。a の値によって、この関数の定義域は広くなったり狭くなったりします。定義域が変わると、この関数のグラフがどう変化するかを表すと、下のようになります。

a が小さいうちは、下のグラフのようになります。

このグラフから、区間の右端が最小になることが分かります。しかし、常に区間の右端が最小になるわけではありません。区間が広くなってくると、次のような状況になります。

区間が広がってくると、頂点で最小値をとるようになります。区間の右端が頂点よりも右にきた場合は、区間の右端ではなくて頂点の方が下に来るようになりますね。

これらからわかることは、a の値が変わると区間が変わる、区間が変わるとどこで最小値をとるかも変わる、ということです。なので、答えも場合分けをして答えることになります。

区間の右端が頂点に到達しない場合、つまり、 $0\lt a \lt 1$ の場合は、この関数は区間の右端で最小値をとります。 $x=a$ のときなので、最小値は $a^2-2a+3$ となります。

また、区間の中に頂点が含まれる場合、つまり、 $1\leqq a \lt 3$ の場合は、頂点で最小値をとります。よって、頂点の y 座標である $2$ が最小値となります。

まとめると、(1)の答えは次のようになります。

 $0\lt a \lt 1$ のときの最小値は $a^2-2a+3\ (x=a)$
 $1\leqq a \lt 3$ のときの最小値は $2\ (x=1)$

$a$ の値によって最小値をとる場所やその値が異なるので、このように場合分けをして答えないといけません。なお、上の答えの後半を「 $1\lt a \lt 3$ のとき」としてはいけません。 $a=1$ のときが入っていないからです。与えられた a に対応するすべての場合に答える必要があります。

例題のつづき

さて、先ほどの例題の(2)を考えます。

例題
$0\lt a \lt 3$ とする。関数 $y=x^2-2x+3 \ (0\leqq x \leqq a)$ について、次の問に答えなさい。
(1) この関数の最小値を求めなさい。
(2) この関数の最大値を求めなさい。

グラフは同じですが、今度は最大値をとる場所がどこになるかを考えてみましょう。

区間が狭いときは、区間の左端が最大になります。

しかし、区間が広がっていくと、やがて右端の方が上に来るようになってきます。

左端が最大になるときと右端が最大になるときの境目はどこでしょうか。これは、両方が同じ値になるときです。放物線は軸を中心として左右対称なので、区間の両端が軸から同じだけ離れている場合に、同じ値となります。この場合をグラフにすると、次のようになります。

区間の左端から軸までの距離が $1$ なので、同じ高さになるときの区間の右端も軸までの距離が $1$ になります。よって、区間が $0\leqq x \leqq 2$ のときに、区間の両端で最大になります。これより区間が狭いと左端で最大、これより区間が広いと右端で最大、となります。

以上のことをまとめると、答えは次のようになります。

 $0\lt a \lt 2$ のとき、最大値 $3 \ (x=0)$
 $a=2$ のとき、最大値 $3 \ (x=0,2)$
 $2\lt a \lt 3$ のとき、最大値 $a^2-2a+3 \ (x=a)$

最大値をとるところで場合分けです。区間の左端、区間の両端、区間の右端、の3つの場合に分けて答えることになります。

おわりに

ここでは、定義域が変化する場合に、二次関数の最大・最小がどうなるかを考えました。

場合分けをして答えないといけないので少し難しいです。しかし、最大値・最小値をとるのはどこかを考えれば、自然とどこで場合分けをしないといけないかがわかってくるでしょう。実際に問題を解いて、考え方に慣れていきましょう。

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