【標準】複数の文字が入った整式の積分

ここでは、 xt など、複数の文字が入った整式の積分の計算方法について見ていきます。積分する文字以外を定数と見ることがポイントです。

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複数の文字が入った整式の不定積分

例題1
次の積分を計算しなさい。
(1) $\displaystyle \int (x-t)(x+t)dx$
(2) $\displaystyle \int (x-t)(x+t)dt$

(1)と(2)はよく似ていますが、違いは、「どの文字で積分するか」です。

(1)は、 $dx$ がついているため、 x で積分するということです。このとき、 t は定数、つまり、数字だと思って計算していきます。

なお、「和の積分と積分の和は等しい」ということは正しいのですが、「積の積分は積分の積と等しいとは言えない」ことに注意しましょう。つまり、カッコの部分を展開してから積分を計算するしかない、ということです。そのため、
\begin{eqnarray}
\int (x-t)(x+t)dx
&=&
\int (x^2-t^2) dx \\[5pt] &=&
\frac{1}{3}x^3 -t^2x +C \\[5pt] \end{eqnarray}となります(C は積分定数)。実際、最後の式を x で微分すれば $(x-t)(x+t)$ になりますね。微分するときに t は数字だと思って計算するので、積分のときも同じように数字だと思って計算します。

(2)は、 $dt$ がついているため、 t で積分します。
\begin{eqnarray}
\int (x-t)(x+t)dt
&=&
\int (x^2-t^2) dt \\[5pt] &=&
x^2t-\frac{1}{3}t^3 +C \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

複数の文字が入った整式の定積分

例題2
次の積分を計算しなさい。
(1) $\displaystyle \int_0^1 (x-t)(x+t)dx$
(2) $\displaystyle \int_0^1 (x-t)(x+t)dt$

さきほどと似たような計算を、定積分でやってみましょう。このときも、積分で使う文字以外は定数だと思って計算することになります。

(1)は
\begin{eqnarray}
\int_0^1 (x-t)(x+t) dx
&=&
\int_0^1 (x^2-t^2) dx \\[5pt] &=&
\Big[ \frac{1}{3}x^3 -t^2x \Big]_0^1 \\[5pt] &=&
\frac{1}{3} -t^2 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $x=1$, $x=0$ を代入して計算するため、最終的に x はなくなり、他の文字だけが残ります。

(2)は、
\begin{eqnarray}
\int_0^1 (x-t)(x+t)dt
&=&
\int_0^1 (x^2-t^2) dt \\[5pt] &=&
\Big[ x^2t-\frac{1}{3}t^3 \Big]_0^1 \\[5pt] &=&
x^2-\frac{1}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。今度は t で積分しているので、 t が消えます。

ここで、途中に出てくる角括弧の部分をよく見てみましょう。複数の文字があると、少しややこしいですね。例えば、(1)の計算途中で出てきた\[ \Big[ \frac{1}{3}x^3 -t^2x \Big]_0^1 \]を見てみましょう。ここだけを見ると、 $0$ や $1$ を代入する先は、 x なのか t なのかわかりません。そのため、どちらの文字に代入するかがわかるように明示的に\[ \Big[ \frac{1}{3}x^3 -t^2x \Big]_{x=0}^{x=1} \]と書く場合があります。文字が1つだけの場合はほとんど使われないし、文字が複数ある場合でも、前後の式から明らかなことが多いため、用いられることは少ないのですが、参考のために知っておきましょう。

おわりに

ここでは、複数の文字が入っていた場合の、整式の積分について見てきました。積分する文字以外は、数字だと思って計算しましょう。