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【標準】定積分で表されている関数(整式)

ここでは、定数項が定積分で表されている関数を求める問題を見ていきます。

📘 目次

定積分で表されている関数

例題
関数 $f(x)$ が次を満たすとき、 $f(x)$ を求めなさい。\[ f(x)=3x^2-2\int_0^1 f(t)dt \]

やっかいな感じがするのは、右辺の積分のところですよね。この積分を計算するには $f(x)$ がわかっていないといけませんが、それを求めないといけないんですよね。ぐるぐると循環してしまいます。

この積分 $\displaystyle \int_0^1 f(t)dt$ について考えてみましょう。これは、 $f(t)$ を t で定積分したものですね。 $F'(t)=f(t)$ とすると、これは、\[ F(1)-F(0) \]と一致します。これは、 t を含まない定数ですね。

このことを利用すれば、ぐるぐると循環することを止めることができます。この積分は定数なので、文字で置いて考えてみましょう。

$\displaystyle a=\int_0^1 f(t)dt$ とおきます。右辺は定数なので、 atx に関係のない数になります。このとき、 $f(x)$ は\[ f(x)=3x^2-2a \]と書けます。置き換えただけです。置き換えただけなのですが、かなり見やすくなり、積分することも難しくなくなります。 $0$ から $1$ まで積分すると
\begin{eqnarray} & & \int_0^1 f(t) dt \\[5pt] &=& \int_0^1 (3x^2-2a) dt \\[5pt] &=& \Big[ x^3-2ax \Big]_0^1 \\[5pt] &=& 1-2a \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで、そもそも a とは何だったかを思い出しましょう。上で定義したように、 $\displaystyle a=\int_0^1 f(t)dt$ ですね。そのため、この積分は $a$ と等しくなります。このことから、 \begin{eqnarray} a &=& 1-2a \\[5pt] 3a &=& 1 \\[5pt] a &=& \frac{1}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}と求めることができます。これを $f(x)=3x^2-2a$ に代入して\[ f(x)=3x^2-\frac{2}{3} \]と求められます。これが答えです。

今の場合、積分で書かれている部分は定数になることがわかります。そのため、文字で置いてみます。あとは、実際に積分をすることで、文字の部分が何であったかを求めることができます。こうして、もとの関数も求められる、という流れです。

少しパズルチックですね。

おわりに

ここでは、定数項の部分が定積分で表されている関数を求める問題を見てきました。解き方を知らないとなかなか手が出しづらいですが、はじめの一歩が分かれば、あとは定数項に関する条件式を作って求めることができます。

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