【標準】次数の同じ文字が入った式の因数分解

【基本】次数の異なる文字が入った式の因数分解では、「次数の異なる文字が入った式を因数分解する場合は、次数の低い文字に着目」すればいいことを紹介しました。しかし、すべての文字が同じ次数であればどうすればいいのでしょうか。

次数が同じ文字が入った式の因数分解は、いろいろな場合が考えられるので、ケースに応じて紹介していきます。なお、ここでは、2次式の因数分解のみを取り上げます。

2乗引く2乗の場合

2乗引く2乗の場合は、$a^2-b^2=(a+b)(a-b)$ にあてはめるだけです。

【例題】
次の式を因数分解せよ。
$4x^2-25y^2$

前半は $2x$ の2乗、後半は $5y$ の2乗なので、因数分解をすると次のようになります。
\begin{eqnarray}
4x^2-25y^2 = (2x+5y)(2x-5y)
\end{eqnarray}この形は気づきやすいと思います。

項が3つの場合

$ax^2+bxy+cy^2$ のように、項が3つの場合は、$ax^2+bx+c$ と考えて因数分解を行い、あとで、定数の部分に $y$ をつければOKです。

【例題】
次の式を因数分解せよ。
(1) $x^2 -6xy +8y^2$
(2) $3x^2 -10xy -8y^2$

(1)は、$x^2 -6x +8$ で考えると、「足して -6、掛けて8」になる組合せを考えればいいですね。そうすると、 $(-2,-4)$ の組合せが見つかります。これに後で $y$ をつけて次のようになります。
\begin{eqnarray}
x^2 -6xy +8y^2 = (x-2y)(x-4y)
\end{eqnarray}なお、はじめから「足して $-6y$、掛けて$8y^2$」となる組合せを探す、と考えてもOKです。

(2)は、 $3x^2 -10x -8$ で考えます。2次の係数が1ではないので、【基本】たすき掛けを使った因数分解で解説した「たすき掛け」を使います。

いろいろなパターンを試すと、
 1   -4
   ×
 3   2
であればうまくいくことがわかります。最後に $y$ をつけて、次のようになります。
\begin{eqnarray}
3x^2 -10xy -8y^2 = (x-4y)(3x+2y)
\end{eqnarray}展開してみれば、あっていることがわかりますね。

項が4つ以上の場合

さて、ここからが本題です。項が4つ以上ある場合は、「文字を含んだたすき掛け」などを考えないといけないケースがあります。例題を通してみていきましょう。

【例題】
次の式を因数分解せよ。
(1) $x^2 +2xy +(y+1)(y-1)$
(2) $abx^2 -(a^2+b^2)x +ab$
(3) $x^2 +3xy+4x+2y^2+7y+3$
(4) $2x^2 +7xy+3x+3y^2-y-2$

まず、(1)は、$x^2 +ax +b$ のときと同じように、「足して$2y$、掛けて$(y+1)(y-1)$」となる組合せを考えます。すると、掛けた結果からすぐ $y+1$ と $y-1$ の組合せにたどり着けます。このことから、因数分解をすると次のようになることが分かります。
\begin{eqnarray}
x^2 +2xy +(y+1)(y-1) = (x+y+1)(x+y-1)
\end{eqnarray}

(2)は、最初と最後を見ると $ab$ でくくれる気がしますが、$x$ の項を見るとダメそうですね。また、文字が3つありますが、どの文字についても2次式なので、「次数の低い文字に着目」といったこともできません。

(2)も、(1)のように、基本的には数字だけのときと同様に考えます。少し難しいですが、文字を含んだ状態で、たすき掛けを行います。

掛けて $ab$ になる組合せは、符号を考えなければ、$(a,b)$ と $(1,ab)$ しかありません。たすき掛けで試行錯誤している中で、次のようなケースも出てくるでしょう。
 $a$   $a$
   ×
 $b$   $b$
しかし、この場合は、斜め同士を掛けて足し合わせると $2ab$ となり、元の式には戻らないことが分かります。なので、このケースはダメです。

このようにいろいろ試していくと、次にたどり着きます。
 $a$   $-b$
   ×
 $b$   $-a$
これを用いて、因数分解した結果は次のようになります。
\begin{eqnarray}
abx^2 -(a^2+b^2)x +ab = (ax-b)(bx-a)
\end{eqnarray}

(3)は項が多くて大変そうですが、こういう場合は1つの文字について整理することから始めます。
\begin{eqnarray}
& &
x^2 +3xy+4x+2y^2+7y+3 \\
&=&
x^2 +(3y+4)x+(2y^2+7y+3) \\
\end{eqnarray}最後のカッコの中が因数分解できれば、(1)と似たような式になります。実際、最後のカッコの中は、因数分解できます。たすき掛けを使えば、次のように因数分解できることが分かります。
\begin{eqnarray}
& &
x^2 +(3y+4)x+(2y^2+7y+3) \\
&=&
x^2 +(3y+4)x+(2y+1)(y+3) \\
\end{eqnarray}ここから先は、(1)と同様に、「足して$3y+4$、掛けて$(2y+1)(y+3)$」の組合せを探せばよく、$2y+1$ と $y+3$ の組合せであればいいことが分かりますね。このことから、因数分解をした結果は次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
x^2 +(3y+4)x+(2y+1)(y+3) \\
&=&
(x+2y+1)(x+y+3) \\
\end{eqnarray}

(4)も、(3)と同様に、まずは1つの文字について整理し、(2)の場合に帰着させていきます。
\begin{eqnarray}
& &
2x^2 +7xy+3x+3y^2-y-2 \\
&=&
2x^2 +(7y+3)x +(3y^2-y-2) \\
&=&
2x^2 +(7y+3)x +(3y+2)(y-1) \\
\end{eqnarray}ここから先は、たすき掛けです。いろいろ試行錯誤すると、次の組合せがいいことがわかります。
 $2$   $y-1$
   ×
 $1$   $3y+2$
このことから、因数分解をした結果は、次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
2x^2 +(7y+3)x +(3y+2)(y-1) \\
&=&
(2x+y-1)(x+3y+2)
\end{eqnarray}

まとめ

文字が複数入っていて、どの文字についても2次式である場合は、公式をつかったり、文字が1種類のときを応用すれば因数分解することができます。文字を含んだたすき掛けは少し難易度は高いですが、定期試験でもこのレベルは普通に出題されます。多くの問題を解いて、計算に慣れておきましょう。