【標準】反対側を数える

ここでは、場合の数を求めるときによく使う「反対側を数える」方法を見ていきます。

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2つのさいころをふる

今後、場合の数や確率の問題を解いていくと、さいころをふる場面がたくさん出てきます。ということで、ここでもさいころをふる問題を取り上げてみます。

「大小2つのサイコロを投げたとき、出た目の積が偶数になるのは何通りか」という問題を考えてみましょう。

この問題に取り掛かる前に、練習として、出た目の組み合わせが全部で何通りあるかを考えてみましょう。大きいサイコロの目の出かたは6通りで、それぞれに対して小さいサイコロの目の出かたも6通りあります。頭の中で、次のような樹形図をイメージしましょう。
standard-count-opposite-side-01
これから、すべての組み合わせは\[ 6\times6=36 \]通りとなります。

さて、これを踏まえて「出た目の積が偶数になる場合」を考えてみましょう。

これはどうやって考えればいいでしょうか。「出た目の積が偶数」ということは、「偶数×〇の形になっているときだ」と考えてみるとどうでしょう。「2×〇」「4×〇」「6×〇」の3パターンありますね。しかも、「2×〇」は、大サイコロが2の場合である「2×〇」でも小サイコロが2の場合である「〇×2」でもいいので、それぞれ2パターンあります。〇は何でもいいので6通りですね。ということは、\[ 3\times2\times6=36 \]通りとなります。あれ? 上で求めたようにすべての組み合わせが36通りなので、これだと常に「出た目の積が偶数」となってしまいます。そんな馬鹿な。「1×1」のような例外があるのに。

結果からわかる通り、この考え方は間違っているのですが、どこが間違っているでしょうか。

どこが間違っていたんだろう

上の解き方は、どこが間違っていたのでしょうか。

「出た目の積が偶数」というのを「偶数×〇の形になっているときだ」と考えたのは、間違いではありません。「2×〇」「4×〇」「6×〇」の3パターンだ、というのも、間違っていません。

しかし、次に「2×〇と〇×2があるから2通り」と考えているところがまずいです。確かに、「2×1」と「1×2」(つまり、大2小1と大1小2)であれば、2通りと数えて構いません。しかし、「2×2」はどうでしょうか。「2×〇と〇×2だから2通り」と数えてしまうと、ダブって数えてしまうことになるんですね。

「2×〇と〇×2」と書くと「異なる2つのもの」という感じがしてしまいます。しかし、〇=2の場合は同じケースになるので、2通りではなく1通りとしてカウントしないといけません。「4×4」「6×6」も同様です。

さらに、「2×〇の〇は何でもいいので6通り」と考えましたが、これも間違いです。「2×4」を考えてみましょう。これは「2×〇」のところでも「〇×4」のところでも数えられることになります。つまり、これもダブって数えていることになります。

ちゃんと分けて考えていたつもりでも、よく考えるとダブって数えてしまっていることもあるんですね。

なお、この間違った考えの根本は、「奇数×奇数」「偶数×奇数」「偶数×奇数」「偶数×偶数」の4パターンがあるのに、「偶数×整数」「奇数×整数」という2パターンで突っ走ってしまったことにあります。その結果、「偶数×偶数」を2回ダブって数えてしまいました。

例題を正しく解いてみよう

さて、例題「大小2つのサイコロを投げたとき、出た目の積が偶数になるのは何通りか」を正しく解いてみましょう。

きちんと場合分けができるように、大サイコロの目に応じて考えてみましょう。大サイコロの目が奇数か偶数かで分けてみます。

大サイコロが奇数のとき、積が偶数になるのは小サイコロが偶数のときです。大サイコロの目の出かたは3通り、小サイコロの目の出方も3通りなので\[ 3\times3=9 \]通りです。

大サイコロが偶数のときは、小サイコロの目が何であっても積は偶数になります。大サイコロの目の出かたは3通り、小サイコロの目の出方は6通りなので\[ 3\times6=18 \]通りです。

この2つにはダブりがないので、これを合わせたものが答えです。答えは\[ 9+18=27 \]通り、と求められます。

反対側を数える

上のように例題を解いてもいいのですが、「積が偶数になる」問題は、「反対側を数える」方が楽になることがあります。

「積が偶数になる」というのは、わりと自由度の高い条件なんですね。掛け合わせるものの中に偶数が一つでもあればいいわけです。自由度が高いといろんなケースがあって、「数えにくい」ことが多いんです。数えにくいということは、数え間違いが起きやすいということです。

しかし、この反対側、つまり、「積が奇数になる」というのは、自由度が低いんですね。掛け合わせるものがすべて奇数でないといけないからです。こういう自由度が低いものは、数えやすいんですね。

自由度が高いものを数える場合は、「全体から『そうじゃない』ものを引く」というやり方で、すんなり解けることがあります。

この例題でいうと、すべての目の出かたは、 $6\times6=36$ 通りでした。「積が偶数でない場合」つまり「積が奇数の場合」というのは、大サイコロも小サイコロも奇数の目が出るときです。それぞれ3通りなので、 $3\times3=9$ 通りです。よって答えは\[ 36-9=27 \]通りです。当たり前ですが、上で求めた答えと同じですね。

この例題では2つのサイコロでしたが、「3つのサイコロの目の積が偶数のとき」を考えると、だいぶ計算が楽になることがわかるでしょう。

おわりに

ここでは、「反対側を数える」方法を見てきました。直接場合の数を求めようとすると場合分けが多くなってしまうときには、ここで説明した方法を使うと簡単に解けることがあります。

なお、この技を正しく使うためには、そもそも、「そうじゃない」場合とはどういう場合なのかを正確に把握する必要があります。【基本】条件の否定も見ておくと役に立つはずです。