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【応用】二次方程式が実数解を持つ条件(ともにある範囲内)

ここでは、【応用】二次方程式が実数解を持つ条件(ともに正)に関連して、「二次方程式の実数解が、ともにある範囲に含まれる条件」を考えてみます。

📘 目次

例題

例題
二次方程式 $x^2-2ax+1=0$ が $0\lt x\lt 2$ の範囲に異なる2つの実数解を持つとき、 a の範囲を求めなさい。

【応用】二次方程式が実数解を持つ条件(ともに正)の場合を思い出しながら考えてみます。\[ f(x)=x^2-2ax+1 \]とおいたとき、「判別式」「放物線の軸」「$f(k)$ の符号」がポイントになるんでしたね。この問題でも、これらの条件を応用できないか考えてみます。

まず、「異なる2つの実数解を持つ」という条件から、「判別式が正」という条件を満たさないといけないことはわかります。よって、次の条件が成り立たないといけません。
\begin{eqnarray} (-2a)^2-4 & \gt & 0 \\ (a+1)(a-1) & \gt & 0 \\ \end{eqnarray}これから、 $a\lt -1, \ a\gt 1$ という条件が得られます。

続いて、実数解が $0\lt x\lt 2$ を満たすとき、放物線の軸がどうなっていないといけないかを考えます。グラフをいろいろかいてみるとわかりますが、放物線の軸は、直線 $x=0$ と直線 $x=2$ の間にある必要があります。放物線の軸は、
\begin{eqnarray} x^2-2ax+1 = (x-a)^2-a^2+1 \end{eqnarray}から、 $x=a$ であることがわかるので、 $0\lt a \lt 2$ という条件が得られます。

さて、最後に、区間の端での関数の値について考えてみます。放物線の軸が直線 $x=0$ と直線 $x=2$ の間にあっても、 $f(0)\leqq 0$ や $f(2)\leqq 0$ なら、0以下や2以上の解が存在し、条件を満たさなくなってしまいます。このことから、「 $f(0)\gt 0$ かつ $f(2)\gt 0$ 」を満たさないといけないことがわかります。

ここで、 $f(0)=1$ なので、 $f(0)\gt 0$ は常に成り立ちます。また、 $f(2)\gt 0$ を変形すると、
\begin{eqnarray} f(2) & \gt & 0 \\ 4-4a+1 & \gt & 0 \\ -4a & \gt & -5 \\ a & \lt & \frac{5}{4} \\ \end{eqnarray}となります。

逆に、これらの条件、つまり、「判別式」「放物線の軸」「 $f(0),f(2)$ の符号」に関する条件を満たせば、$f(x)=0$ が $0\lt x\lt 2$ の範囲に異なる2つの実数解を持つことは、グラフをかいてみるとわかります。

以上から、3つの条件を(1)(2)(3)と書いて、数直線で共通範囲を考えます。

上の図より、すべてに含まれている範囲は、 $1\lt a \lt \dfrac{5}{4}$ であることがわかります。これが答えです。

おわりに

ここでは、「二次方程式の実数解が、ともにある範囲に含まれる条件」を考えました。「判別式」「放物線の軸」「区間の端での関数の符号」について考える点は、【応用】二次方程式が実数解を持つ条件(ともに正)と同じですね。

直接、解を考えるよりも楽なので、グラフの情報を使って解くようにしましょう。

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