【応用】さいころの最大値と確率

ここでは、「さいころを何度かふり、出た目の最大値が〇になる確率」を求める問題を考えます。気をつけないと、ひっかかってしまいます。

【広告】

最大値が2のとき

例題1
さいころを n 回ふる(n は2以上の整数)。このとき、出た目の最大値が1になる確率を求めなさい。

これは、単純ですね。最大値が1となるのは、n 回とも1が出るときだけなので、確率は\[ \frac{1}{6^n} \]となります。

これをふまえて、次の問題を考えてみましょう。

例題2
さいころを n 回ふる(n は2以上の整数)。このとき、出た目の最大値が2になる確率を求めなさい。

最大値が2ということは、n 回の結果は、1か2だけです。なので、次のように答えてしまいがちです。\[ \frac{2^n}{6^n} = \frac{1}{3^n} \]これは一見あってそうですが、間違っています。どこが間違っているでしょうか。

同じように「最大値が6になる場合」を考えると、何か変だと気づきませんか?

どこが間違っていたか

最大値が2となるとき、n 回の結果は、1か2だけです。3以上が出ることはないので、ここだけ見るとあってそうに感じます。

しかし、これだけの条件でたりません。なぜなら、少なくとも1回は2の目が出ていないと、最大値は2にはならないからです。つまり、「全部1の目が出る」という場合をのぞく必要があるんですね。

1と2の出方からなる $2^n$ 通りの中から、すべてが1となる組合せを引いたものが、「最大値が2となるとき」にあたります。よって、正しい確率は\[ \frac{2^n-1}{6^n} \]となります。

言い方を変えると、「n 回の結果が、1か2だけ」というのは、「最大値が2」ではなく、「最大値が2以下」の場合に対応するわけです。そのため、最大値が1のケースを除外する必要があったんですね。

最大値が6のとき

例題3
さいころを n 回ふる(n は2以上の整数)。このとき、出た目の最大値が6になる確率を求めなさい。

さいころの目の出方は、全部合わせると $6^n$ 通りです。例題2で見た間違った求め方だと、これを答えに使うことになってしまうので、変ですよね。そんなことをすると、確率が1になってしまいます。

$6^n$ は、「最大値が6の場合の数」ではなく、「最大値が6以下の場合の数」を表しています。なので、ここから不要なものを引かないといけません。

一回は6が出ないといけません。このように、「少なくとも」の確率を考える場合は、余事象を考えたほうがいいことがあります(参考:【基本】余事象の確率(起こらない確率))。今の場合、「一度も6が出ない確率」を全体から引けばいいことがわかります。

一度も6が出ない場合は、すべてが5以下の目が出るときなので、 $5^n$ 通りです。よって、求める確率は\[ \frac{6^n-5^n}{6^n} \]となります。

$6^n$, $5^n$ は、それぞれ「最大値が6以下の場合の数」「最大値が5以下の場合の数」なので、この差を考えることで「最大値が6の場合の数」を出しているわけですね。

他の似たようなケース

同じように考えれば、「最大値が5」となる確率は、「最大値が5以下」から「最大値が4以下」を引けばいいので、\[ \frac{5^n-4^n}{6^n} \]となります。

また、最大値ではなく最小値を考えることもあります。「最小値が2」となる確率なら、「最小値が2以上の場合」から「最小値が3以上の場合」を引いて、\[ \frac{5^n-4^n}{6^n} \]となります。上と同じ答えですが、もちろん、意味するところは違います。

おわりに

ここでは、「さいころを複数回ふったときに、最大値がある値をとる確率」を求める問題を見ました。「ある値」となる確率を直接求めることはできず、「ある値以下」となる確率から求める必要がありました。ひっかかりやすいので注意しましょう。