なかけんの数学ノート

【応用】高次方程式の解き方

ここでは、因数定理が使えない上、 $x^2$ を別の文字で置き換えてもすぐには解けない高次方程式の解き方を見ていきます。

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無理やり平方の差を作り出す

例題
次の方程式を解きなさい。\[ x^4+x^2+4=0 \]

高次方程式を解く場合、まずは因数定理が使えないかを考えます。【基本】高次方程式の解き方で見た方法ですね。しかし、左辺に何かを入れても $0$ にならないことはすぐにわかります。

よく見ると、4乗と2乗と定数の項しかないので、 $t=x^2$ とおけばいいのではないか、と思いつく人もいるでしょう。【標準】高次方程式の解き方で見た内容です。しかし、このようにおいても\[ t^2+t+4=0 \]となり、これ以上因数分解をすることはできません。

こういう場合には、これが正しい解き方、というのはなく、いろいろ試行錯誤して解くことになります。この問題のように、4乗と2乗と定数の項しかない場合、無理やり平方の差にする、という方法だとうまくいく場合があります。どういうことかというと、4乗の項と定数項を組み合わせて\[ (x^2+2)^2 \]としてしまう、という方法です。しかしこのままでは元の式と内容が変わってしまいます。展開したときに元に戻るようにするには\[ (x^2+2)^2 -3x^2=0 \]とすればいいですね。展開すれば、元に戻ることが確かめられます。

こうすれば、「2乗引く2乗」なので、因数分解をすることができます。\[ (x^2+\sqrt{3}x+2)(x^2-\sqrt{3}x+2)=0 \]となります。こうすると、二次式同士の積なので、 x を求めることができます。それぞれの二次方程式を解けば\[ x=\frac{-\sqrt{3}\pm \sqrt{5}i}{2},\ \frac{\sqrt{3}\pm \sqrt{5}i}{2} \]が解であることがわかります。これが答えです。

無理やり平方完成をしてみる

もう一度同じ問題を考えます。\[ x^4+x^2+4=0 \]ですね。先ほどは、4乗と定数を組み合わせましたが、4乗と2乗を組み合わせる方法もあります。無理やり平方完成をすれば
\begin{eqnarray}
x^4+x^2+4 &=& 0 \\[5pt]
\left(x^2+\frac{1}{2}\right)^2 &=& -4+\frac{1}{4} \\[5pt]
\left(x^2+\frac{1}{2}\right)^2 &=& \frac{-15}{4} \\[5pt]
x^2+\frac{1}{2} &=& \pm \frac{\sqrt{15}i}{2} \\[5pt]
x^2 &=& -\frac{1}{2} \pm \frac{\sqrt{15}i}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。しかし、これ以降は大変です。2乗して右辺になるような複素数を見つけるのは、結構めんどくさいです。 $x=a+bi$ とおいて\[ a^2-b^2=-\frac{1}{2}, \ 2ab = \pm \frac{\sqrt{15}}{2} \]を解かないといけません。上の解がこの式を満たしていることを確かめるのはそれほど大変ではありませんが、逆にこれを満たすものを見つけるのは大変です。1つ目のように解く方がいいことがわかりますね。

無理やり二次方程式を解いてみる

もう一度同じ問題を考えます。\[ x^4+x^2+4=0 \]で、 $t=x^2$ とおき、\[ t^2+t+4=0 \]を考えましょう。これを解の公式を使って無理やり解けば\[ t=\frac{-1\pm\sqrt{15}i}{2} \]となります。変数を元に戻せば、\[ x^2 = \frac{-1\pm\sqrt{15}i}{2} \]となります。2つ目の解き方のときと同じ式が出てきます。2つ目の解き方は、よく見ると、二次方程式の解の公式を導くときと同じ変形なので、まったく不思議なことではありませんが。

2乗した値がこの複素数になる、ということがわかっても、そこから元の複素数に戻すのは大変です。そのため、 $x^2$ の値を求める方針で解くと、後半に大変な計算が待ち構えているかもしれません。2乗の値を求めるのではなく、二次式に分解してから考える、という1つ目のやり方で解くのが楽ですね。

おわりに

ここでは、因数定理が使えず、文字の置き換えも使えない高次方程式の解き方を見てきました。無理やり平方の差を出してくる解き方を見てきましたが、知っていないと思いつくのはなかなか難しいです。試行錯誤するためのツールとして、マスターしておきましょう。

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対象者: 数学II
分野: 複素数と方程式
トピック: 複素数と方程式
レベル: 応用
キーワード: 複素数
更新日:2017/07/01